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アミネ

キメラ獣人(仮)のアミネは俺たちの事など忘れてしまったかのように無我夢中で親子丼を頬張っていた。


「モグモグモグ・・・あー、美味しかったのよ! ご馳走様なのよ!!」


そしてあっという間に完食。・・・気持ちはわかるがもう少し女の子らしく上品に食べれば良いのに。口周りがご飯だらけだぞ。


「口をちゃんと拭けよ・・・それじゃあ約束通り話を聞かせてもらおうか」


視力が回復した俺はハンカチを渡しながら再び話しかける。


「女に二言は無いのよ! さあ、なんでも聞くがよろしいのよ!!」


・・・ほほう? なんでそんな偉そうなのかは分からんが・・・そこまで言うのなら遠慮なくなんでも聞かせてもらおうじゃないか。


「それじゃあ、スリーサイズを上から順にぃぃぃぐぇえええっ!!」


ギブギブ! アテナ! いきなり首を絞めるなんてやりすぎだぞ!!


「スリーサイズなのよ? 上からきゅうじゅう「それ以上言ってはいけません!」うぐっ!?」


なん・・・だと・・・マジで答えようとした、だと? 肝心な所でアルマに遮られたが・・・マジか、こいつ!? それならもっとあんなことやこんなことを!!


「あんまりふざけたことばかり言ってると身ぐるみ剝いでここから叩き落すわよ」


おうふ、それは勘弁。こんな上空から装備没収されて落とされたら、トマトがつぶれるより悲惨な状態になってしまう。


仕方ない、ここからはマジモードで行くとしよう。


「ゴホン・・・まず俺たちの事は知っているか? アテナやアルマの事は?」


「勿論知ってるのよ? ゲーム一の有名クラン【アークガルド】なのよ? アテナちゃんやアルマちゃんがいたのは驚きだったのよ。だからちょっと遊んでみたのよ」


・・・ふむ、アミネはアテナやアルマの事を知っていたか。まあ、そうでもないとちょっかいかけて来ないだろうしな。【世界魚バハムート】をけしかけて来たのも同じ理由か。・・・遊んでみたと言っているが、実際には俺たちの実力を試してみたかったといった所だろう。


「じゃあ、アニスやアギラの事は?」


「知ってるのよ。困った子たちなのよ。ガキんちょ・・・じゃなかった、怪しい人たちと手を組んで色々やんちゃしてるみたいなのよ」


ガキんちょ? 誰の事か分からんがカオスたちの事も知っているのか・・・どういう情報網なのかは知らんが、アミネはアニスたちの事を承知の上で放置しているらしいな。


「・・・では残り二人のことは?」


行方不明の三人の内の一人、アミネは今目の前にいる。その彼女が他の二人の居場所を知っていれば、この件は万事解決なんだが・・・


「それは知らないのよ。きっと自分たちのお気に入りの世界を探索してまわってると思うのよ」


・・・そう上手くはいかないみたいだな。


しかし、なんだろうな。このアミネの呑気さというか天然さというか・・・とてもじゃないが、今まで行方不明・・・アニスたちから逃げ回っていたようには見えないな。


「・・・アミネは現実での自分の肉体がどうなっているのか知っているのか? 君も含めた七人の人格が揃わないと目覚めないと聞いたんだが」


もしかしたら行方不明の三人は自分の体が今どうなっているのか知らないんじゃないだろうか? だから体に戻らず遊びまわって・・・


「知ってるのよー。でもワタシは体に戻るつもりは無いのよ」


・・・というわけじゃないみたいだ、こんにゃろうめ。しかも体に戻るつもりは無いとか宣言までしてくるし。


アミネの表情を見るに、どうにも事態の重大さというか深刻さを分かっていないように見えるな。だが、自分の体の事だぞ? どうして軽い反応なんだ?


むしろ自分の体なんて興味ないと言わんばかりの態度に・・・アテナとアルマが怒りだした。


「ちょっと! 自分の体のことでしょ! って私たちの体のことでもあるけど、なんでそんな他人事みたいなのよ!!」


「そうです! 現状ではまだ目立つ問題は出ていませんが、程ない将来で問題が出るのは明白なんですよ!?」


二人の正当かつ真っ当な抗議もアミネは聞く耳持たず見たいだ。


「どうどう、二人とも落ち着くのよ。・・・今の状態で体に戻ったってあんまり意味はないのよ」


アミネのその言葉に怒っていた二人の動きがぴたりと止まった。


「・・・意味が無いとはどういう意味だ?」


「言葉通りの意味なのよ。そもそもの問題は一つの体に七人の精神が宿っていることなのよ。ワタシたち七人が体に戻っても、今度は体の取り合いにしかならないのよ」


・・・やべぇ、予想以上に正論が返って来たぞ。


確かに体が一つしかない以上、現実世界で自由に行動できる精神は一人だけ。他の六人は眠っている状態らしいし、自由に行動するという意味では現実よりもゲームの世界での方が都合が良いのは確かだ。


『・・・言いたいことは分かるのだが、それは同一人物同士で反目しあう理由にはならないはずなのだ』


「そうなのです! 皆仲良くするのです!!」


確かにアミネの言っていることはある意味で的を得ているが、だからと言って他の六人を無視して行方不明になって良い理由にはならないはずだ。


少なくともゲームの世界では七人が自由に動けるという実績がある以上、あとは七人で話しあって現実世界とゲーム世界の行き来を調整するだけのはずだ。


なのになんで体をほったらかしにして好き勝手に動きまわるんだ?


「・・・うーん、貴方たちが根本的に勘違いしているのは分かったのよ」


勘違い? どういうことだ?


「そもそも、なんでワタシたちの精神が7つに分かれているのかって話なのよ」


・・・そういえば、そもそも原因、精神が7つに分かれているのは未だ不明だったな。アテナやアルマにも心当たりは無いっていうし・・・まさかアミネはその理由を知っているのか?


「その原因はこのゲームの・・・【XXXXXXX】なのよ」


・・・?


「今、なんて言ったんだ?」


確かに聞いたはずなのに・・・俺を含めてこの場にいる誰もその言葉の意味を・・否、()()()()()()()()()()()()()


何故だ? ちゃんと聞いたはずなのに、その言葉が思い出せない。言葉の意味を理解できない・・・いや、認識できない? まるで俺の脳みそがその言葉そのものを拒絶したかのような・・・なんだよ、これ?


「【XXXXXXX】・・・あー、駄目なのよ。ゲームシステムから規制が入っちゃったのよ」


ゲームシステムからの・・・規制? なんでこのタイミングで?


「と・に・か・く! このゲーム世界の中にあるはずなのよ! ワタシたちの問題を解決できる何かが・・・ワタシはそれを探してるのよ!!」

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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