表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
780/797

どこまでも広い空

スカイエリア5というのは浮遊する小島がそこかしこに浮かんではいるが、どれも大した大きさではなく【機動戦艦(シュテルンアーク)】を隠せるほどの場所はない。


それは【風王鳥フレースヴェルグ】も同じで、俺たちが奴を見失うことはないが、奴も俺たちを見失うことはないだろう。


つまり、お互いに逃げ場がない・・・正確には俺たちがほかのスカイエリアまで逃げれば追いかけてこないかもしれないが、その場合、俺たちは歌声の主との接触の機会も失うだろう。


となると、あとはもう【風王鳥フレースヴェルグ】と真っ向勝負するしかないわけだが・・・


「ピィギュアアアアアア!!」


「聖なる光よ! 私たちを守る盾に!!【聖なる光(ホーリーライト)の盾(シールド)】!!」


ドゴンッ!!!


【風王鳥フレースヴェルグ】は容赦なく【機動戦艦(シュテルンアーク)】を追い立てる。


機動戦艦(シュテルンアーク)】もかなりのスピードで動いているのだが、それ以上の速度で

【風王鳥フレースヴェルグ】が追いすがっているのだ。


しかも・・・


「【フレイムバースト】!!」


「キュイー!」「キュアー!」「キュウー!」「キュン!」


アルマの【魔法】やブランたちのブレスを巧みに避けている。巨体に見合わぬすばしっこさ。


最初こそ攻撃を当てられていたが、今はカスリもしない・・・これが

【風王鳥フレースヴェルグ】の本気か。基本的なヒット&アウェイを繰り返しているが・・・俺の予想では奴はスピードほど手が付けられないほど早いが、その分、防御力が低いと見た。


だからこそ、アテナの盾に阻まれた時に追撃するのではなく、すぐさま離れてまた同じ攻撃するのだと思う。


となると攻撃を当てることができれば勝機はある。当てることができれば・・・だが。


なんて考えている間に、ようやく【機動戦艦(シュテルンアーク)】に追いつくことができた。


「クルー・・・」


「お疲れ、アーテル」


甲板に降り立った俺たちだが・・・アーテルが若干落ち込み気味だ。【風王鳥フレースヴェルグ】にスピードで負けているのがショックだったらしい。考えてみればアーテルが本気を出して追いつけないってほとんどなかったからな。


正直、【風王鳥フレースヴェルグ】は先日の【機工界】で遭遇した戦闘機よりも早いし、レベルで考えてもアーテルが勝てないのも仕方がないのだが・・・だからといって納得できるはずもないか。


だが、今はアーテルを慰めている猶予もない。急いで対策しなければ遠からず俺たちは全滅だ。


「アヴァン、全方位に砲撃を。あの鳥をけん制してくれ」


『わかったのだ』


直撃は期待できないだろうが、奴が攻撃を受けることを恐れているのなら、時間稼ぎにはなるはずだ。


今の隙に作戦を立てないと・・・


「アテナ、今の盾は何回出せるんだ?」


今のうちに【MPポーション】で回復しているアテナに質問する。


「余計なMPを使わないければ4回ね」


つまり、防御に集中してもらえば4回は奴の攻撃を防ぐことができる。【MPポーション】を使う猶予があればもっとできるだろうが、奴の攻撃もどんどん苛烈になってきてるし、あまり余裕があるとは思わないほうが良い。


それに防ぐだけでは駄目だ。何とか奴に攻撃を当てるために動きを止めないと・・・


「アスター、【サイコクラッチ】で奴の動きを止めることはできないか?」


「あれだけ巨大な相手では無理です。基本的に【サイコクラッチ】は目に見えない手で掴むスキルなので掴むことができなければ・・・」


やはり駄目か・・・それなら取れる手段はあと一つしかない。


「わかった・・・なら、俺が捕らえるから他のみんなは攻撃に専念してくれ」


グダグダしている暇もなく、俺の作戦で行くことになった。


すでに【風王鳥フレースヴェルグ】はこちらに向かってきている。方向は・・・【機動戦艦(シュテルンアーク)】の真下!?


「あの鳥野郎、こっちが防げないとこから来やがったか」


『そう簡単にはやらせないのだ! 下方向に砲撃なのだ!!』


さすがに戦艦の底面には砲台はないが、側面から直下を狙うことはできる。


側面の全砲台をすべて下に向けて一斉に発射した。


「ピィギュアアアアアア!!」


やはり、攻撃を受けたくないのか、【風王鳥フレースヴェルグ】は軌道を変え、戦艦の側面から向かってくる。


「良し、この軌道なら大丈夫だ。アヴァン、このまま奴を引き付けてくれ」


『了解なのだ』


側面からやってくる【風王鳥フレースヴェルグ】をあえて迎撃せず、そのままおびき寄せる。俺も準備しないと・・・そして【風王鳥フレースヴェルグ】が間近に迫ったその瞬間・・・


「アテナ!」


「わかってるわ!! 聖なる光よ! 私たちを守る盾に!!【聖なる光(ホーリーライト)の盾(シールド)】!!」


アテナの光の盾で【風王鳥フレースヴェルグ】の激突を防ぐ。さらに【風王鳥フレースヴェルグ】がひるんだその一瞬に・・・


「【機天(アーク・)の装腕(ガジェット)】エナジーハンド!」


【エナジーブーストメダル】()()()の巨大なエナジーハンドが【風王鳥フレースヴェルグ】を掴む。


「ピィギュアア!?」


ふふふ、驚いているな、【風王鳥フレースヴェルグ】。あの鳥野郎も自分と同等以上の大きさの手に捕まるなんて経験ないだろう。


「今だ、みんな!!」


焦る【風王鳥フレースヴェルグ】に対し、俺以外の全員が一斉に攻撃を仕掛けた。

(*・ω・)*_ _)ペコリ


作者のやる気とテンションとモチベーションを上げる為に


是非、評価とブックマークをポチっとお願いします。


m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ