マーズ前線基地
===移動===>【マーズ前線基地】近郊
ドーム3からアーテルたちに乗って移動すること30分。俺たちは【マーズ前線基地】が見える岩陰に来ていた。
なお、ここまでの道中・・・道も道路も何もなかったが・・・まあ、ドームと敵対している基地が道でつながってたらおかしいが・・・にもやはり【機械兵】が出まくっていた。そして今回も【機械兵】がやってくる方向から基地の場所が判明した次第である。
しかし、アーテルたち【眷属】や乗り物のおかげで時間はそんなにかからなかったが、移動手段がないプレイヤーにはかなりきつい道のりだ。案外このゲーム、ある程度進んだら【眷属】か乗り物が必須になるのかもしれない。
話が逸れたが俺たちは基地が見渡せる、且つ敵に見つからないよう隠れながら様子を伺っていた。・・・なんか基地に侵入する泥棒の気分になってきた。
「さて、どうする?」
基地の入り口には当たり前というべきか見張りの【機械兵】が立っている。
【ガードロイド Lv.40】
拠点防衛用に改修された機械兵
説明はシンプルだがレベルは高い。見た目に関してもマネキンではなく、全身がSFチックなまさしくロボットだ。防御力が高そうだ。武装もより凶悪になっているように見える。ようするに一筋縄ではいかなそうってことだ。
「私たちの目的はパーツ集めですよね?攻略が目的ではないのなら、あの見張りも含めて片っ端から倒していくというのはどうですか?」
アルマさん過激ですね。俺も同意見だけど。
「我は連れてきてもらった手前、アルクたちの方針に従うのだ。」
「私ハ、マスターニ従イマス。」
アヴァンとラグマリアは俺たちに従うようだ。まあ、二人はレベルが足りていないからな。援護中心になるだろう。・・・そういえば・・・
「ラグマリアが戦力になるのは当然として、アヴァンはどうなんだ?戦えるのか?」
「・・・我は技術者なのだ。」
・・・つまり完全生産職ってことか。まあ、そんな気がしてきたけど。となると俺、アーテル、アルマ、フィオレがメインで、ラグマリアはアヴァンの護衛に専念ってところか。丁度よく1パーティ分になるからアヴァンたちにとってはパワーレベリングになるし、レベルが追い付いてきたら戦力になるだろう。
まあ、俺たちにとってもレベリングになるだろう。問題は・・・
「なあ、ここって敵のっていうか【機械兵】の基地だよな。あのレベルの敵がわんさか出てくるって思ったほうが良いよな?」
「「・・・」」
「可能性大デス。飛ンデ火ニイル夏ノ虫デス。」
・・・間違ってないんだがラグマリアさん。あんた、俺たちを虫だと言いたいのか?
「なるほど、出現する敵は最低でもLv.40以上、数で来られたら確かにきついですね。しかし、それならどうするのですか?」
「え?正面突破だよ?」
「「・・・」」
「アルクサンハ、火アブリガオ望ミナノデスカ?」
そんなわけあるか!?
「・・・長々と話して結局無策ですか?」
「我も不安になってきたのだ。」
・・・言いたい放題だな。文句があるなら案を出せばよいのに。
「・・・目的はパーツ集め、つまりより多くの【機械兵】を倒すことだ。ただし、やり過ぎて死に戻りしてたんじゃ効率が悪い。だから回復アイテムと相談しながら適当に切り上げようってことだよ。最悪ドーム3と行ったり来たりになるかもしれんけど。」
・・・自分で言っといてなんだが面倒くさいな。やはりLv.40以上の敵相手でももう少し楽に倒せるようになりたいところだ。・・・ガットよ、武器期待してるぞ。
「・・・なるほど・・・というよりそれが普通なのでは?」
・・・よくよく考えたらそうだな。
「・・・ま、まあ、ごちゃごちゃ言ってても始まらないからな。・・・行こうぜ。」
「そうですね。」
「わかったのだ。」「了解デス。」
「クルッ!」「ピュイ!」
・・・
「・・・」
ドッゴーン!!
「・・・せめて何か言ってから襲ってきてほしいな。」
モンスターだって雄叫びぐらいあげるのに。あといきなりミサイルぶっ放してくるな。
「仕方ないのだ。そもそもガードロイドには口がないのだ。」
「え?口があるかないかの問題?」
「それも有るのだが、AIの問題もあるのだ。【機械兵】やロボット系の【眷属】はレベルが上がるにつれて賢くなっていくのだ。ただし、それはあくまで専門分野だけなのだ。」
「専門分野?」
「ほとんど戦闘系なのだが、中には生産や探索専用のロボットもいるのだ。ロボットにも種族によって得意不得意があるのだ。専門分野以外、言語や日常生活までこなすようになるには相応なAIが必要なのだ。」
つまり、戦い方は上手くなってもしゃべり方は上手くなるとは限らないということか。あと探索専用のロボットってなんだろう。
「・・・ラグマリアは?」
「人型のロボットやアンドロイドの【眷属】は元々高度なAIを持っているのだ。高度なAIほど様々な分野を学習できるのだ。ラグマリアも普段からしゃべるのだから、言語についても学習しているはずなのだが・・・」
その割にはどうも・・・今後に期待ってことで。
「あの・・・お二人とも?・・・終わってしまいましたよ?」
「「え?」」
見ると見張りのガードロイドがスクラップになっていた。
「サスガ、アルマサン。素晴ラシイ魔法ノ威力デス。」
どうやら俺とアヴァンが話している間にアルマが片づけてしまっていたようだ。・・・いや、無駄話してたわけじゃないけどね?
「・・・なんかすまん。」「申し訳ないのだ。」
「いえ・・・お二人の話も興味深かったですよ?」
・・・え?聞こえてたの?
「ま、まあそれは置いといて、ずいぶん早いな。」
「やはりロボットだけに水と雷に弱いみたいですね。【水魔法】と【雷魔法】が存外効きました。それ以外は今一でしたが・・・」
いつぞやのミスリルゴーレムの時のように弱点属性を探しながら戦っていたようだ。・・・この短時間にそこまでできるとは天晴だ!
「ふむ、弱点属性か・・・なるほどなのだ。魔法は便利なのだ。」
「兵器にはないのか?」
「むぅー、あるとは聞いたことがあるのだ。・・・見たことはないのだ。」
ないのか。そういえば俺も見たことないな。
「弱点属性があるのならやりやすいか。・・・ちょうどまた出てきたし今度は俺がやる。」
見張りのガードロイドに見つかったあたりからアラートがそこら中に鳴り響いている。・・・まあ、当たり前か。
なので基地からぞろぞろとガードロイドが出てきている。今出てきてるのは・・・8体か。思ったよりは少ない。
俺は長剣を2本両手に構える。
「左手、水属性を【魔法付加】、右手、雷属性を【魔法付加】!」
左手に持った長剣が水にぬれ始め、右手に持った長剣がバチバチ言っている。
「【俊天の疾走】!」
MPの消費が激しいが、手加減できるほどの余裕が有るわけでもない。なので速攻でケリをつける。
「【ダブル・スピードスラッシュ】!」
俺は超スピードで移動しながら、ガードロイドたちを切り刻んでいった。
・・・
「なるほど、確かに弱点属性が有効だな。」
5分ほどでガードロイドをスクラップに変えた俺はアルマに礼を言いながら話しかける。
「・・・凄まじいのだ。」
「戦力差ヲ再計算。アルクサン、アルマサント戦闘ニナッタ場合、勝率10%未満。」
アヴァンが驚愕といった表情で、ラグマリアは何故か俺たちと戦闘シミュレーションをしながら見ている。とりあえずラグマリアは色々やばい気がしてきたな。
「さすがですね。・・・それはそれとして、ガードロイドが出てこなくなりましたね。」
次を待っているのだが、何故かガードロイドが出てこなくなった。アラートは相変わらず鳴りっぱなしだが・・・
「・・・これは誘われてるな。」
「そうですね。基地内により強力な【機械兵】がいるんでしょう。・・・どうしますか?」
「・・・前進あるのみだ。」
罠だとわかっていても引けない時がある。・・・今じゃないけど。
「クルッ!」「ピュイ!」
「おっと悪い悪い。アーテルたちを忘れていたわけじゃないさ。・・・次は任せるよ。」
「クルー♪」「ピュイ♪」
自信満々なアーテルとフィオレを先頭に基地内に入っていく。
アヴァンとラグマリアが焦ったように付いてきていた。
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