ちょっぴり辛い
===ログイン===>【機甲界】ドーム2
昨日はあの後、アヴァンたちに連れられてドーム2を見てまわった。ドーム1と同様にビルが並んでいるのかと思ったが、ここでは畜産や栽培が行われていた。要するに牛や豚を飼ったり、野菜を育てていると言う事だ。何でもドーム2の地下に豊富な水源があるらしく、さらに環境操作が出来るドーム内なら畜産も栽培も難しくないとのこと。
そしてこれらの食料は普通に購入出来る。その名も火星水、火星牛肉、火星キャベツ、etc、etc。・・・やっぱりここ、火星だったらしい。色々疑問が残るがゲームの中なので置いておくとしよう。ちなみに味の方だが・・・何故かちょっぴり辛かった。香辛料とか何もかけてないのに。まあ、美味かったけど。
これらの食材をお土産としてアーニャに渡そうと思ったのだが、本人はブランたちと【幻獣界】のエリア4を張り切って探索中らしく、顔を合わせることは無かった。アテナとレオーネもそれに付き合っているらしい。まあ、それなら問題は無いだろうと、食材はクランの【共有倉庫】に入れ、「敵の基地に殴りこみかけるので暇だったら来てくれ∠(・`_´・ )」とメールを入れておいた。
なので今は、残りの一名とともに【機甲界】へ来ている。
「・・・地球は青かったんですね・・・」
「ピュイー・・・」
うん、それは昨日俺がやったんだよアルマ。・・・感動するのは分からんでもないんだが。
はい、本日の助っ人はアルマさんとフィオレさんです。まさか自由行動2日目にして助っ人を呼ぶとはなんともな話なのだが、本人も乗り気なのだから別に良いのだろう。
「まさか火星始まりとは驚きですね。しかし、火星から地球や月は見えないのでは?」
・・・それは俺も気づいたがスルーしようぜ。ゲームの中で無粋なツッコミは無し!・・・いや実際の話、昨日とまったく同じ位置に見える地球と月が本物とは思えないんだが、何かあるんだよ、きっと。
「それで噂のアヴァンさんとラグマリアさんはどちらに?」
「【転移装置】で待ち合わせだから直ぐに来るだろ・・・ホラ、あれだ。」
そうこう言ってる内に二人は来た。・・・空飛ぶバイク、【エアロチェイサー】に乗って。ちなみに運転はラグマリア、サイドカーにアヴァンが乗っている。・・・そういうタイプもあるのね。
「お待たせしてしまって申しわけ無いのだ。」
「いや、来たばかりだから大丈夫だ。んでコイツが、クランメンバーの・・・」
「アルマです。この子はフィオレ。宜しくお願いします。アヴァンさん、ラグマリアさん。」
「こちらこそ宜しくなのだ!」
「ヨロシクオ願イシマス。」
「ピュイー!」
うんうん、挨拶は大事だね。人見知りがいないようで何より。
「クルッ!クルッ!」
「ピュイ?」
「・・・イエ、ソレホドデモアリマセン。」
「クールルー!」
「ピュイ!ピュイ!」
「コチラコソヨロシクオ願イシマス。」
・・・眷属たちが謎の会話を繰り広げている。というか話通じてんのか?
「・・・ラグマリアさんは、フィオレちゃんたちの言葉が分かるのですか?」
おお!アルマが俺の昨日からの疑問を口にしてくれた。
「イエ、マッタク分カリマセン。」
「「分からないの!?」なのだ!?」
「クル!?」「ピュイ!?」
全員がえ?そうなの?と驚きの声を上げる。明らかに会話してたじゃん!!
「表情ヤ口調ナドカラ会話ノ内容ヲ分析シテイマス。」
・・・ああ、話してるんじゃなくて分析してるのね。さっすが高性能アンドロイド。高性能だね。・・・その割には抜けてる気がするけど。
「そういう事が出来るのなら、もう少し周囲に気を配って欲しいのだ。」
うん、アヴァンも似たような考えに到ったらしいな。彼の苦労が目に見えるようだ。
「・・・そういえばアヴァン?ラグマリアは単独飛行できるんじゃないのか?何でわざわざ乗り物に?」
「ああ、背中のスラスターはラグマリアの内装装備なのだ。外装装備と違ってBPを消費して飛行するから長時間は無理なのだ。」
そうなのか。そういえばアテナも天使の羽があるのに長時間飛んでる所は見た事が無いな。
「・・・それに・・・」
「それに?」
「・・・ラグマリアに抱えて貰おうとしても、このナリでは抱っこされているように見えてしまうのだ。」
・・・あー、それは確かに恥ずかしいな。アヴァン君、見た目は小学生でも通用するような少年だもんな。
「私ハ気ニシナイノデスガ・・・」
男の子は気にするんだよ。ほっといてやってくれ。
「ま、まあまあ、そろそろ出発しましょう!」
微妙な空気を察してくれたアルマが、流れを変えるように言ってくれた。
「・・・そうだな。出発するか。」
「分かったのだ!」「了解デス。」
「クルルッ!」「ピュイ!」
俺とアルマは【成体化】したアーテルとフィオレの背に乗り、アヴァンたちのバイクに並走してドーム3を目指して走り出した。
===移動===>ドーム3
はい、到着。いやー、アーテルもフィオレも速いね。アヴァンたちのバイクも中々の物だ。
なお、当然のことながら道中も【機械兵】の襲撃があった。レベル的には問題無いのだが、武器の違うマネキンドロイドがやたらと出てきて、マシンガンぶっ放すわ、スナイパーのごとく狙撃してくるわ、手榴弾投げてくるわで散々だった。俺たちの敵じゃなかったけどな!
「これだけのパーツが手に入るなんて・・・ウハウハなのだ。」
倒しまくったせいで大量のドロップ品が出たのでアヴァンもご機嫌だ。レアリティはあんまり高くないだろうがそこそこの兵器は作れるそうだ。
「BPやMPを消費せず、多彩な攻撃ができるのは確かに魅力的ですね。」
アルマが初めて見た兵器たちに冷静な分析を行っている。
「そうだな。だが威力が常に一定だから決め手に欠けるな。兵器系を主戦力と考えるなら、普段使い用の武器とは別に決め手用の武器がほしいところだ。」
例えばミスリルゴーレムのような極硬な敵を相手にする場合、銃弾を何千発浴びせても大したダメージを与えられるような気がしない。やはりラグマリアが使っていたような強力な兵器が欲しいところだ。
まあ、だからこそ、アヴァンたちと一緒に【マーズ前線基地】へ向かおうとしているだけどな。
「それでアヴァン、ドーム3で何かやることはあるか?」
「うぬ?ドーム3では兵器や乗り物のレシピを手に入れることが出来るのだ。だが、これは正直後回しでも良いのだ。レシピの解放条件は必要パーツを所持していることなのだから、パーツを持ってないと駄目なのだ。」
レシピか、なるほどな。確かにパーツが揃ってからでも良いか。
「そうか。ならドーム3の探索は後回しにして、少し休憩したら【マーズ前線基地】に向かうか。」
「うむ。それが良いのだ。ああ、ちなみになのだが、ドーム3の近くには【マータイト鉱石】が取れる鉱山があるのだ。マータイトは兵器系の素材になっているのだ。」
・・・なん・・・だと・・・ここで新しい鉱石だと。
「・・・そのマータイトがあれば兵器が作れるのか?」
「正確にはマータイトを加工してパーツにする必要があるのだ。それには【鍛冶】か【錬金】スキル、もしくはホーム機能の【工場】施設が必要になるのだ。」
・・・なるほど。一手間必要になると言う事か。物によるんだろうが、それなら確かに最初からパーツがドロップできる【機械兵】を倒す方が効率的か。
・・・まあ、そのうち掘りに行こう。
「・・・なら今回はそっちもスルーして基地のほうへまっすぐ行こう。」
全員が頷く。
というわけで見つけたカフェで一服して本命である【マーズ前線基地】へと向かった。
なお、カフェで飲んだ火星コーラはちょっぴり辛かったと付け加えておく。
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