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アヴァンとラグマリア

「我が名はアヴァンなのだ。バ、ではなくヴァ、なので気をつけるのだ。」


「私ハ、ラグマリア、ト申シマス。」


些細な行き違いはあったが、そんな事は水に流して自己紹介から始めることにした。


アヴァンは翠色の髪と瞳をした小中学生くらいの少年だ。見た目は【人間】、背はアーニャよりちょっと高いくらいか?子供サイズの白衣を着ていてどう見ても戦闘職には見えない。これでグルグルめがねをかけていたらあだ名は博士になっていただろうな、うん。


「俺はアルク、こっちは俺の【眷属】のアーテルだ。」


「クルルッ!」


ヨロシクッ!と言わんばかりに片足を上げて挨拶をするアーテル。かわいい。


「ムムム!見たことも無い種族なのだ!なんと言う種族なのだ?」


「天龍馬だ。入手法は・・・【インフォガルド】で情報を売ってるぞ。」


別に隠すほどでもないのだが一応、情報と【インフォガルド】に売った手前、必要以上に喋るのは憚られる。


「ムム、大手の情報クランなのだな?なるほどなのだ。」


・・・その妙に偉そうな喋り方はロールプレイなのか?


「所でさっきの連中は?どっかのクランみたいだったが・・・」


「そうなのだ!ヤツラ自分達のクランに入れと煩く言ってきたのだ!だからPvPで勝てたら考えてやると言ってやったら卑怯にも人数を集めて襲ってきたのだ!我のラグマリアに掛かれば一ひねりだったのだがな!ハーハッハッハ!!」


・・・そして君も吹っ飛ばされた、と。言わないけど。しっかしどいつももこいつも何故クランに入れと強制するのか。


「ふぅーん。アヴァンたちはどっかのクランに入っていないのか?」


「入っていないのだ!最初どこかのクランに入ろうと思ったのだが、チビは要らないと断られたのだ!」


ふむふむ・・・ん?


「だが、ラグマリアという【眷属】がいると分かった途端クランに入れと強要してきたのだ!クランはもうこりごりなのだ!!」


・・・はて?どっかで聞いたような話だな?


「・・・その失礼なクランの名前は?」


「【ハーヴェスト】と言うのだ!だが、そのクラン自体はもう解体されていて存在しないのだ!噂では強引なやり方に通報されまくって運営に処分されたと言う話なのだ!」


そうかもう無いのか。悪い事は出来ないってことだな。南無。・・・待てよ?


「クランに入っていないって事はホームは?ホームが無いのに【眷属】を入手すると移動に制限がかかるだろ?」


たしかホーム無しに【眷属】を入手するとその世界から移動できなくなるんだったか。


「そこは心配ないのだ。ここドーム2でマンションタイプのホームを借りる事ができるのだ。施設の追加は出来ないが【眷族】が暮らすには十分なのだ。」


マンションタイプか。そういえばそんなのもあったか。・・・アーニャよりしっかりしているか・・・


「もっとも、我々は【機甲界】以外には行った事が無いのだ!」


・・・訂正。アーニャよりしっかりしているかもしれんが、ほとんど同類だった。


「そうか。まあプレイヤーの自由だから文句は無いけど。そういえば彼女・・・ラグマリア?だっけ?とんでもなく強力な兵器を使っていたけど、どこかの生産クランで作ってもらったのか?」


もしそうなら是非紹介してもらいたい。あの破壊力は魅力的過ぎる。


「フッフッフ、アルクはお目が高いのだ!何を隠そうラグマリアが使用している兵器は!すべて!我が作った物なのだ!!」


「な、なんだってー!!」


・・・なんだろう、何故かベルバアルの顔が浮かんできたのだが。


「・・・もしかしてラグマリアのような【眷属】と言い、強力な兵器と言い、アヴァンって結構有名なプレイヤーなのか?」


アヴァンのことをガット辺りに話したら【アイゼンガルド】辺りがスカウトに来そうなんだが。


「そんな事無いのだ。我はゲームを始めて3週間程度なのだ。地道に頑張った成果なのだ!ラグマリアは・・・ちょっと特別に入手したのだが・・・」


特別か・・・それなら無理に聞き出す事は出来ないな。マナー違反だ。


「そうか。でも凄いな。3週間と言ったら俺とそんなに変わらないじゃないか。なのにあそこまで強力な兵器を作れるようになるとは・・・」


「フッフッフ、我は【ジーニア】と呼ばれる機械系に強い種族なのだ!おかげで兵器開発もはかどるのだ。」


【ジーニア】?また聞いた事が無い種族だな。ジーニアス・・・天才から来てるのか?見た目は【人間】だから進化した種族かな。


「ちなみにラグマリアは【ヴァルマキナ】というアンドロイドの中でも上級種族なのだ!」


「ソウナノデス。」


自慢なのか調子に乗ったのか分からないが・・・


「おいおい、そんな情報軽々しく言っても大丈夫なのか?」


「大丈夫なのだ!名前ぐらいなら知っているプレイヤーもたくさんいるから問題ないのだ!」


「・・・珍しい種族だってばれたら、情報を求めて色んなヤツラが殺到してこないか?」


ハッとした表情をするアヴァン、そんな、やっちまったーみたいな顔されても・・・


「・・・言いふらしたりしないから安心してくれ。それより、アヴァンが強力な兵器を作れるのなら、それを売ってたりしないか?あるいはオーダーメイドを受け付けてるとか・・・」


「ム?構わないのだ。資金はいくらあっても足りないのだ。転売とかしたりしないのであれば喜んで売るのだ!ただ・・・」


「ただ?」


「パーツの手持ちが無いのだ。強力な兵器を作ろうと思うとドーム3辺りまで行かないと駄目なのだ・・・」


ふむ、つまり今すぐと言うわけには行かないということか。


「それなら大丈夫だ。どの道、ドーム3にも行くつもりだったし、パーツなら俺が集めてくる。」


当たり前のことを言ったつもりだがアヴァンは浮かない顔をしている。


「・・・失礼ながらアルクのレベルはいくつなのだ?」


ああ、俺の実力が不安なのね。会ったばかりだしな。


「えーっと、今はLv.45だな。アーテルは・・・お!Lv.40になってるじゃないか!」


「クルルー♪」


よしよしと撫でてやる。ん?アヴァンがなんかプルプルしだしたぞ?


「・・・凄いのだ!そんな高レベルのプレイヤーと知り合えるなんてラッキーなのだ!我々が苦労したパーツも手に入りやすくなるのだ!」


聞くとアヴァンたちのレベルは20前半らしい。なのでドーム2からドーム3の辺りでパーツ集めをしていたらしい。


「それならば是非我々も連れて行って欲しいのだ!ドーム3、いやその先までなのだ!」


「その先?」


ドーム4のことか?


「ドーム3の先にある【機械兵】の生産工場、【マーズ前線基地】へ!なのだ!」


・・・【マーズ前線基地】・・・【機械兵】の生産工場・・・なるほど。


「そこに行けば強力なパーツが手に入るんだな?」


「勿論なのだ。出現する【機械兵】はLv.30以上でLv.40超えもざらにいるのだ!強力な兵器が作れるに違いないのだ!!」


・・・ふむ、是非も無い。より強力な兵器が手に入るならそれに越した事は無い。


「よし、分かった!その【マーズ前線基地】とやらに行こうじゃないか!!」


「おおー!なのだ!!」


「・・・明日な!」


ガクッとずっこけるアヴァンと無表情でそれを見るラグマリア。せめてなんか反応してあげて。


「だってもう良い時間だしな。これからドーム2をまわって次にとなったら時間がかかるし。それに高レベルの場所に行くならうちのクランの連中にも声をかけておくから手が空いていたら来てくれると思うぜ?さすがに今からは厳しいだろうからな。」


「・・・確かに無理はいけないのだ。・・・分かったのだ!それなら我々がドーム2を案内するのだ!!」


「おっ!頼めるか!!」


「勿論なのだ!ラグマリアはドーム2の詳細データを持っているから完璧なのだ。」


「イエス、マスター。プレイヤーアルクサンヲ完璧二ゴ案内シテ、名誉返上シテミセマス。」


・・・名誉を返上してどうする。名誉挽回か汚名返上だろ。


「・・・なあ、アヴァン、もしかしてラグマリアってアホの子なのか?アンドロイドなのに。」コソコソ


「うぬぅー、それがよく分からないのだ。レベルが上がればAIの能力も上がって賢くなるはずなのだがラグマリアは何故か何時もあんな調子なのだ・・・」コソコソ


「頭のネジがどっか一本締め忘れてるとか?」コソコソ


「・・・実は我も最近真剣にそうじゃないかと思い始めたのだ。」コソコソ


「ドウシマシタ、二人トモ。置イテイキマスヨ?」


・・・マスターと案内する人を置いて一体どこへ行くというのか?人間くさい反面どうもアンドロイドらしくないな。


「・・・まあ、頑張れ。」


「・・・うむ、なのだ。」


===ログアウト===>おつかれさまでした。

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