アンドロイドって言ったらやっぱり
===移動===>ドーム2近郊ハイウェイ
天龍馬であるアーテルの背に乗った移動は実に快適でスピーディだった。道中で遭遇した【機械兵】を余裕で蹴散らし(ガティアスは出なかった)、途中、猛スピードで走っていた車やバイクを余裕で追い越して、およそ20分ほどで次の目的地であるドーム2が見えてきた。
なお。ここに来るまで景色が変わることなく、どこまでも赤い砂と岩山の荒野が広がっていた。・・・一体この世界の人間はどうやって生活しているのだろうか?そういえば雲がまったく見えないのだがまさか雨も降らないのか?・・・謎だな。
なんて考えているうちにドンドン目的地に近づいていたのだが、ここで問題発生。
「うぎゃああ!」「うひー!」「ぐわあああ!」
・・・野郎どもの聞きたくも無い悲鳴が聞こえてきた。
よく見るとドーム2の入り口前で戦闘が起きているようだ。まったく、あんな所で戦闘するなんて通行の邪魔じゃないか、と文句を言いたくなる。え?ドーム1の入り口前で戦闘してたのは誰だって?ハテ、ナンノコトカナ。
「仕方ない。アーテル、ちょっと止まって様子を見よう。」
「クルルッ!」
猛スピードからの急停止にもかかわらず反動がまったく無い不思議生物のアーテルに感謝しつつ、様子を伺う。ギリギリ、人相が見える程度の距離だ。巻き込まれることはあるまい。
・・・どうみても女の子一人に男ども十数人がボコボコに倒されているようにしか見えないな。
男どものほうは見るからに冒険者らしい格好をしている。実体剣や魔法も使ってるし、マーカーから見てもプレイヤーだろう。多分どっかのパーティかクラン。
問題は女の子の方だな。レオタードのようなピッチピチの白い服の上に銀色の軽鎧のような物をつけている。ファンタジー系じゃなくSFチックな感じの。銀色の長い髪に10台後半のような無表情の美少女の顔をしている。あと飛んでます。背中にスラスターみたいなのが付いていて、飛行しています。そして手の甲から銃身のような物が飛び出ていて撃ちまくってっております。まるでガトリング砲のようだ。
うん、どう見ても普通の人間じゃない。おそらくロボット、いやアンドロイドかな。
まあ、それは置いておいて、問題はこの状況だな。プレイヤーが襲われているってことはあの美少女アンドロイドも【機械兵】なのか?・・・いや、マーカーは【眷属】のものになっている。つまりこれはPvP、あの美少女アンドロイドは誰かの【眷属】ということなんだろう。・・・なんて羨ましいんだ!!(心の叫び)
しかし、主らしき姿が見えないのだが。
「対象ノ弱体化ヲ確認シマシタ。」
ん?美少女アンドロイドが何か言ったぞ?と思ったらデッカイ銃のようなものを取り出し、男どもに銃口を向けた。
「グランディスバスター、発射シマス。」
ドッカーーーン!!!!
銃口から発射される極大の光。凶悪なまでのその光が男達に降り注ぎ、男達を消し炭に変えた。・・・もとい死に戻ったらしい。しかし凄い威力だ。離れた場所にいるはずの俺たちのところにまで衝撃と爆風が・・・アーテルの【レーザーブレス】とアテナの【爆発魔法】を合わせたような感じだ。・・・この世界の兵器ってあんなに強くなんの?
「うぎゃああああ!!」
・・・おや?なんかこっちに飛んでくるぞ?人影、というか人に見えるんだが気のせいか?避けようか(つまり見捨てる)とも思ったがその人・・・どう見ても子供なんだよね。
「仕方ないな。アーテル、下に降ろしてくれ。」
「クルッ!」
吹っ飛んできた子供の予想落下地点まで降りて待ち構える。
・・・うっし!キャッチ最高!
・・・はて?そういえばPvP中のプレイヤーには参加していないプレイヤーは手出しできないはずなんだが何でキャッチできたんだ?それに男達の中に子供なんていなかったはずだが・・・。
「う、うーん・・・」
キャッチした子供・・・男の子だ、見た目は小中学生の人間に見える。どうも気を失っているようだ。
「捜索対象ヲ発見シマシタ。」
「え?」
おやおや?美少女アンドロイドがいつの間にか直ぐそこまで・・・しかも銃口を向けてらっしゃる。
「警告シマス。速ヤカニ、マスターヲ離シナサイ。ソウスレバ楽二逝カセテアゲマス。」
「どこに!?」
急に何言ってんの!?コイツ!?マスターって・・・この子供が!?
・・・あ、もしかして俺達、さっきの男達の仲間と思われてんのか!?
「オーケーオーケー、この子は離すから、とりあえず俺の話を・・・」
「抵抗ヲ確認。実力ヲ行使シマス。」
「離すって言ってんだろ!?・・・ウオッ!」
「クルッ!?」
さっきのガトリング砲みたいなのを斉射してきた!?避けれたけど。
「おい!起きろ少年!起きてアイツの誤解を解いてくれ!!」
「むにゃむにゃ、・・・や、止めるのだ・・・男女機合体は危険なのだ・・・」
「何の夢を見てんだ!いいから起きろ!!」
・・・駄目だ、こんだけ揺すっても起きる気配が無い。・・・ひっぱたくか?
「マスターヘノ睡眠妨害ヲ確認。敵対行動ト見ナシマス。」
「起こそうとしてるだけだろうが!?どこが敵対行動なんだよ!?」
駄目だコイツ。見た目に反して中身がポンコツだ!
「クルルルルルー!!」
はっ!アーテルが俺とポンコツアンドロイドの間に!?
「おい、危ないぞアーテル!」
「クル!クルルルル!クルル!」
俺の言葉が聞こえないのかアーテルはポンコツアンドロイドに向かって鳴き続ける。
「・・・・」
・・・?おや?ポンコツアンドロイドの銃撃が止んだ?
「クルル!クルル!クルルルー!!」
なんかアーテルが身振り手振り頭振り尻尾振りで何かを一生懸命伝えようとしている・・・と思う。
「・・・状況ヲ確認。ドウヤラ誤解ガアッタヨウデス。深ク謝罪シマス。」
・・・えー!?俺の言葉には一切耳を貸さなかったのに何でアーテルだけ!?というか言葉通じたのか!?
まるっきり納得ができないがアーテルのおかげでピンチは脱したらしい。・・・本当に納得できないが。
なお、PvPで無い限りフレンドリーファイヤが無い以上、攻撃食らっても大丈夫だったんじゃね?と気づいたのは暫く経ってからの事である。
・・・
「・・・う、うーん・・・ハッ!こ、ここはどこなのだ・・・」
道路のど真ん中に寝かしつけていた少年がようやく起きたようだ。
「ヨウヤク、オ目覚メニナラレマシタカ、マスター。」
ポンコツアンドロイドも心配そう・・・かどうかは無表情だから分からんが・・・安心したようだ。
「ラ、ラグマリア・・・これは一体・・・!?お、お前達は何者なのだ!?」
起き上がった少年がようやく俺達に気づいたらしい。
「・・・通りすがりにそこのねーちゃんロボットに銃撃された者なのだ。」
ハッとした表情で俺達を見て次にポンコツアンドロイドを見てようやく思い出したらしい。
「そ、そうなのだ。我は確か・・・ラグマリアの攻撃で吹っ飛ばされて・・・」
・・・味方の攻撃で吹っ飛ばされんなよ。
「吹っ飛ばされた先で・・・誰かに受け止められて・・・」
「そこで気を失ってしまったみたいだが怪我は無かった。ただ、そこのねーちゃんロボットが俺達を敵と勘違いして襲ってきたんだ。まあ、直ぐに誤解は解けたけど。」
別に恩着せがましく言うつもりは無いのだが、一言言っておきたい。人の話は聞け、と。
「・・・す。」
「す?」
「すいませんでしたーなのだー!!」
・・・うむ、美しい土下座だ。子供ながらに中々やるな!!
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