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火星衛星拠点ヴィヴェルグ

===移動===>【機甲界:火星衛星拠点ヴィヴェルグ】


というわけで【転移装置(ポータル)】を使って【火星衛星拠点ヴィヴェルグ】までやって来た。


昨日は敵から戦艦を奪って苦労して宇宙に上がってようやくたどり着いた要塞も【転移装置(ポータル)】を使えば一瞬で到着である。何気にこのゲームで一番すごいのってこのどこにでも設置されてる【転移装置(ポータル)】じゃないだろうか。


そういえばこの【転移装置(ポータル)】も出自は不明なんだよな。ゲームの設定上置かれているだけなのか、何か謂れがあるものなのか・・・それはまだわからない。


今はこの【火星衛星拠点ヴィヴェルグ】を・・・って人が多いな。


コ〇ケ並み、とまではいかないが右も左も人、人、人だ。・・・まあ、人じゃないのもたくさん混じってるけどな。【眷属】とか。


「無理もないのだ。解放されたばかりの宇宙エリア・・・我先にと訪れる者が多くなるのも頷けるのだ」


ふむ・・・やはり皆、宇宙にロマンを感じてるんだな。まあ、誰だって一生に一度は宇宙の景色を見たいと思うだろうし。このゲームの中の景色は現実のそれと何ら遜色もないから、本当に宇宙に来た気分になれるだろうからな。


周囲の状況・・・あの天井や壁を見る限り、ここは居住ブロックだった所か。


瓦礫の山となっていた住居地ウィキッドのせいでも、今では各ギルドの建物や各種ショップなど、冒険者向けの店が立ち並ぶ、立派な街並みへの様変わりしていた。


・・・あの廃墟群だった場所がたった一日でここまで立ち直るなんておかしいだろ! というツッコミが起こりそうだが、まあそこはゲームの世界だからってことで気にしないでおこう。


問題はこの【火星衛星拠点ヴィヴェルグ】がどの程度改修されていて、どの程度プレイヤーが利用できるかだな。ここが新たな拠点となって次へと進む手がかりになっていることは間違いないんだからな。


「んじゃ、一旦散って情報収集と行きますか」


ここが宇宙にある要塞だろうが、結局は新しい街へとやって来た時と対応は変わらない。街の中を探索し、住人に話しかけ、情報を入手する。冒険の鉄則だな・・・たまにスルーする時もあるけど。


というわけで、さっそく情報収集に向かおうと一歩足を踏み出すと・・・


「・・・なんか人並みが割れてくんだけど」


俺たちの前にいる人たちが、まるで波が引くかのように道を作っていく。・・・俺たち、避けられてる?


そういえばさっきから注目されている気がするな。「おい、あれ」とか「あれが【アークガルド】」とか「すげぇ、マジで見れた!」とかコソコソ話してる声も聞こえてくるし。


「・・・アルクはいい加減、自分の知名度を知るべきなのだ。アルクはバトルトーナメントで優勝して以降、注目の的なのだ」


・・・それまだ続いてたのか。トーナメントからそれなりに日数が経ってるのにな。一応、ラングたち【インフォガルド】が防波堤になってくれているから【アークガルド】メンバーに直接何か言ってくるヤツはいないみたいだが・・・とりあえずラングには今度テトラポッドでもプレゼントしておくとしよう。


・・・どこからか、嫌がらせか!? というツッコミが聞こえてきたような気がするが、気のせい気のせい。


しかし、そうなると長居は無用か。さっさと情報収集に精を出すことにしよう。


・・・


・・



===移動===>ロボットカフェ【ヴぃヴぇるん】


はい、というわけで情報収集してきました。


道中の様子? 特に山も谷もなかったので省略です。


居住ブロックにできた店の中にカフェがあったので、そこで全員集合していた。・・・なお、店名については俺は突っ込まない。


店員さんがメイド服を着たドラム缶のようなロボットであることも、メニューの中にロボットジュースというガソリンくさいものがあることも、それをラグマリア、カイザー、ミネルヴァたちが美味しそうに飲んでいるが、俺は気にしない。


「ここの店員、動力ブロックで眠っていた開拓艦時代のロボットらしいわよ?」


そう、話を聞いている内にわかってきたが、この拠点で働いているNPCたちの大半は、俺が昨日見た動力ブロックで休眠状態で眠っていたロボットたちなのだそうだ。


それをギルドマスターたちが再起動、修理したのちに聞き取り調査が行われた。その後、当人・・・もとい当ロボットたちの希望で、この拠点で働いているのだとか。


彼らは元々開拓民たちをサポートするための存在であり、目覚めた後もこの拠点で暮らす人たちのために働きたいと言っていたんだそうだ。


・・・アギラが言っていたように、あのまま眠り続けていた方が彼らにとって幸せだったのか、それとも再起動してこれまで同様に人間に尽くしていた方が幸せなのか・・・俺にはまだわからないな。とりあえず、このロボットたちを不当に扱うようなヤツが居たら相手がギルドマスターだろうとぶん殴るつもりではあるが。


そうそう、そのギルドマスターだが・・・というか各ギルドのお偉いさん方は軍事施設ブロックに引きこもって何やら情報解析を行っているとのことだった。


なんせ軍事施設ブロックにはヴィヴェルグが残した【アースヴェルト帝国】に関する情報がてんこ盛りらしく、お偉いさん方は必死こいて情報を精査しているらしい。


【宇宙要塞ヴィヴェルグ】は俺たちが奪取・無力化したが、【機械兵】は今だ変わらず地上にも宇宙にも出現している。これは【宇宙要塞ヴィヴェルグ】以外にも【アースヴェルト帝国】の要塞がどこかにあるんじゃないかと推測されており、お偉いさん方はそれを探し回っているわけだ。


ヴィヴェルグを倒し、火星を解放したからと言ってそれで平和になった・・・というわけではないらしい。


そのせいもあって軍事施設ブロックはプレイヤー立ち入り禁止区画になっているそうだ。それ以外の場所は自由に探索できるそうだが・・・一番肝心な場所に入れないんだな。


俺、というか大抵のプレイヤーたちの予想では地球へ向かう展開になるんじゃないかと予想しているのだが・・・地球への航路もわからないし、そもそも戦艦も輸送艦も無しでは向かえないだろう。


まあ、この辺りは情報を待つか、何かしらのトリガーを引く必要があるんだろうな。


そんな感じで情報交換していったのだが・・・元要塞だけあってこの拠点はかなり広く、短時間での探索では全てを調べきることはできなかった。


俺自身も居住ブロックの外までは足を運べなかったし、詳しく調べて回ろうと思ったら結構な時間がかかりそうだ。


今回は様子見程度で終わらせるつもりだったが・・・ここでアヴァンから衝撃的な情報がもたらされた。


「・・・恐ろしい情報を入手してしまったのだ」


アヴァンが某司令官のように手を組んで口元を隠しながら重々しく、そう言った。


「なんだ、そのもったいぶった言い草は」


と言いつつ、アヴァンがここまで真剣かつ重々しい表情をしているってことは相当重要な情報なのだろうが・・・一体?


「我々が先日、【宇宙要塞ヴィヴェルグ】に潜入する時に使った戦艦ドックエリアが・・・現在は戦艦()()()()エリアへと変貌しているようなのだ」


・・・なん・・・だと?

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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