表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
744/797

ミネルヴァ

「本機名称登録・・・ミネルヴァ、及ビ、アークミネルヴァ。正式登録完了。ブートアップ・・・完了」


女性型【クランメカロイド】の名前がミネルヴァに決まった。登録も上手くいったようだ。なので今度は俺たち【アークガルド】メンバーの方も順番に挨拶をしていく。


起動したばかりのミネルヴァだったが、俺たち全員の名前と顔は一発で覚えたようだった。さすが高性能ロボット。なのだが・・・


「本機ノ身命ヲ賭ケテ【ガティアス】ノ殲滅ニ従事スル所存デアリマス」


・・・武士? それとも騎士か? なんで片膝をついて忠誠を誓うみたいなポーズ取ってんの? そしてなんでそれを俺に向けてんの?


うーん・・・【クランメカロイド】が対【ガティアス】用【兵器】だから、言ってることはわかるんだがなぁ・・・そんな過剰な忠誠心はいらないぞ。


仲間として一緒に、対等に戦えれば良いんだという事を伝えると・・・


「・・・努力スル所存デアリマス」


とだけ返って来た。


・・・あんまり理解できていないような気がするな。あとブートアップしてから口調がなんかおかしい気がするんだが・・・なんでだろうな? 個性か?


まあ、すぐに慣れるだろう。彼女も、俺たちも、な。


なお、【クランメカロイド】同士であるカイザーとミネルヴァだが、面識はあるのか気になって聞いてみたのだが、お互いの事は全く知らないのだそうだ。・・・お前ら、本当に【クランメカロイド】っていう同種のロボットなんだよな?


まあ、カイザーの方はメモリーがぶっ壊れていて過去の記憶がまったく無いからミネルヴァの事を知らないのも仕方がない事だとは思うが・・・ミネルヴァの方もカイザーの事は知らない、というか自分以外の【クランメカロイド】の事は全く知らないのだそうだ。


というのも、ミネルヴァは今回が()()の起動だということでメモリーが真っ新なのだそうだ。唯一【クランメカロイド】としての基本知識はインプットされているらしいがそれ以外の記憶は何もないらしい。


カイザーが記憶喪失だとするなら、ミネルヴァは生まれたての赤ん坊といった所か。


一応、ミネルヴァ自身は【クランメカロイド】の能力は把握しているようだから、戦闘面においては心配ないようだが、これからは俺たちが色々教えてあげないとな。


そうそう、戦闘には直接役には立たたないが、ミネルヴァの中にあるという基本知識の中に俺たちが知らなかった情報があった。


なんでも【クランメカロイド】にはいわゆる世代というものがあるらしい。


第一世代型は『試作実験機』。とにかくパワー、スピード、装甲、出力などなどを様々な要素を限界まで詰め込んでどこまで強力な【兵器】になれるかの試す実験機。相当に強力に仕上がったそうだが、その分不安定で使いこなすのは難しい機体になったのだそうだ。どうもカイザーがこの世代に当たるらしい。


第二世代型は『先行量産機』。正式な量産に向けて先行して作られたいわば量産のための試作機。量産に対して効率化、コストカットのために機能の一部をオミットし、()()のバランスを試すためにそれなりの数が製造されたのだそうだ。後で確認してみたらラングの所のインフォバルトスがこの世代だった。


第三世代型は『正式量産機』。文字通りに正式に大量生産された世代。物量における大規模戦闘を想定し、一体あたりの()は旧世代を下回るものの、連携と効率を重視された機体が多く製造されたのだそうだ。ミネルヴァを含め、今回のクエストの報酬の【クランメカロイド】は全てこの世代らしい。道理で大量に数があったわけだな。


どの世代も【クランメカロイド】としての機能は同じだが・・・性能面で見れば世代を追うごとに性能が落ちていくという不思議なことになっている。普通、世代が後の方ほど高性能なんじゃないのかよ。


まあ、戦いは数だという考え方もある。戦力的に考えれば第一世代型が1機いるより、第三世代型が100機いた方が戦力になるのは間違いないだろうしな。個人的にはたった1機で戦局を覆すとは!? な展開に燃えるけど。


また、【クランメカロイド】には他にも【メカロイドブースター】のような専用アイテムもあるらしく、それを使えば性能差を埋めることができるから、必ずしも第三世代型だからって第一世代型に勝てない、なんてことはないらしい。


要するに世代に関係なく【クランメカロイド】はもっと強くなる可能性を秘めているってことだな。


一応、他にも気になることはあるので聞いては見たのだが・・・


「【クランメカロイド】の製作者は誰なんだ?」


「・・・情報検索・・・申シ訳ナイデアリマス。本機ノメモリーニ該当スル情報ハナイデアリマス」


「第三世代型以降の【クランメカロイド】は存在していないのか?」


「申シ訳ナイデアリマス。本機ノメモリーニ該当スル情報ハナイデアリマス」


「なら、お前たち第三世代型が【宇宙要塞ヴィヴェルグ】に放置されていた理由は?」


「申シ訳ナイデアリマス。本機ノメモリーニ該当スル情報ハナイデアリマス」


・・・ふーむ。なんというかミネルヴァは必要最低限の情報しか渡されていない状態みたいだな。()()はあっても()()が無い・・・ある意味で記憶喪失のカイザーと同じ感じだ。


俺たちが【クランメカロイド】を運用する上で困ることは無いのだが・・・出所などは相変わらず不明の謎の【兵器】というわけだ。カイザーの失われた記憶の手掛かりになるかとも思ったが、そう上手くはいかないらしい。


製作者が一人なのか複数なのかはわからないが、名前くらい教えてあげても良かったと思うがな。自分たちが生み出した子供同然だろうに。


ミネルヴァがこれ以上知らないとなると、あと手がかりがあるとすれば・・・【宇宙要塞ヴィヴェルグ】改め【火星衛星拠点ヴィヴェルグ】か。


本来であれば、新たに仲間に加わったミネルヴァの歓迎会を開きたい所なのだが・・・


「先に【火星衛星拠点ヴィヴェルグ】に行くか。調べ終わったら戻ってきて、改めてミネルヴァの歓迎会ってことで」


「「「「おおーー!!」」」」


やっぱり宴と聞くと皆のテンションが上がるな。


・・・昨日もやったんじゃないのかって? それはそれ、これはこれだ。


「・・・カンゲイカイ、トイウノハナンデアリマスカ?」


「ソレハデスネ・・・」


おお、カイザーがミネルヴァのフォローに回っている!


カイザーからすればミネルヴァは妹みたいなものだからな。


とはいえ、ミネルヴァは説明を受けても良く分かっていない様子だが。この辺りは単に知識不足なんだろう。カイザーの時もそうだったし、これから色々学んでいくのだろう。


「【クランメカロイド】タルモノ、オ残シハ許サレマセン」


「了解デアリマス。本機ノ優先事項ニ登録シテオクデアリマス」


・・・カイザーのように偏った知識を身に着けないよう注意しないとな。

(*・ω・)*_ _)ペコリ


作者のやる気とテンションとモチベーションを上げる為に


是非、評価とブックマークをポチっとお願いします。


m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ