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宴会場

「はいはい、冗談とアホは置いといて・・・そろそろ移動しないかい? 積もる話はホームに戻ってからということで」


・・・おい、ラング。そのアホっていうのは俺の事か?


「他に誰がいるんだい?」


ほっとけ!!


ま、まあ、確かに皆に・・・特にアテナとアルマには話しておかなきゃいけない大事なことがいくつもあるがさすがにここじゃ話せないよな。一般プレイヤーもいっぱいいるわけだし。


それにここはドームの外だ。宇宙には上がれないみたいだが、地上の方は平常運転・・・つまり、いつ【機械兵】が襲って来ないとも限らない。


ゆっくりじっくりはっきりざっくり話をするためにも早々に退散した方が良いだろう。


「・・・ふー・・・よっし! んじゃま、凱旋と行きますか!!」


俺はこの場にいるメンバー・・・【アークガルド】【インフォガルド】【アイゼンガルド】の面々に声高らかに言い放った。


「マスターアルク。ソノヨウニ鳩尾ヲ押サエナガラ凱旋ト言ワレテモ説得力ガ・・・」


「うっさいわ!!」


ラグマリアの奴、久々に毒舌かましてきやがって・・・ダメージがまだ抜けてないんだからしょうがないだろ。


最近、二人のツッコミが体ではなく心に響いてくるみたいで、なかなかダメージが抜けないんだよなぁ・・・一体、どうなってんだこのゲームは。


まあ、それはともかく長居は無用ということでドーム3に入っていく俺たちだったが、そこではたと気づいた。


「・・・そういえばヴァラットたち【ヴァーミリオン】のメンバーはどこ行った?」


【強制転移】前に【エナジーハザード】戦で見て以来、まるっきり姿が見えないのだが。あいつらもクエスト開始地点はドーム3じゃなかったっけ?


「奴らなら、真っ先に飛んで帰っていったのだ。おそらく今回入手した素材をさっそく研究していると思うのだ」


・・・ぶれない奴らだな。


===移動===>【レギオンガルド島:アークガルドクランホーム】


「・・・あいつら何やってんの?」


クランホームまで戻って来た【アークガルド】メンバーと、おまけのラングとガット。


残りのメンバーはそれぞれのクランホームに戻っていったわけなのだが・・・俺たちのクランホームから見て、眼下・・・【レギオンガルド島】の南区に大勢プレイヤーが集まり、なにやら盛り上がっていた。


「ふむ・・・宴会、いやクエストで見た顔も多いし緊急クエストクリアの打ち上げといった所じゃないかな」


同じく眼下の光景を見たラングがそう言っているが・・・


「打ち上げはわかるが、なんでここでやるんだよ」


自分たちのホームに戻ってやれば良いじゃん。


「今回のクエストはいくつものクランや個人プレイヤーが参加したからね。メンバーでの内々での打ち上げとは別に共闘したプレイヤー同士で盛り上がりたかったんじゃないかな。この島はそういう前例もあったわけだし」


・・・確かにバトルトーナメント後に各クランを招待して派手に騒ぎあっていたが・・・え? あれでこの島はそういう場所だって認知されちゃったの? 宴会場認定されちゃったの?


「前回のどんちゃん騒ぎ、結構話題に上がってたみたいだからねぇ。参加できなかったプレイヤーとかも多数いるんじゃないかな」


マジか・・・たしかに前回のはトーナメント参加者限定だったから、参加できなかったプレイヤーもいたんだろうが・・・そんな話題に上るようなことか?


「まあ、話題を広げたの僕なんだけどね」


「お前の仕業かよ!?」


なんというマッチポンプ。


「と、言うわけで僕も情報収集のためにあそこに混ざって来るよ。君たちの話はまた明日にでも聞かせてくれ」


そう言い残してラングは下に降りて行ってしまった。・・・アイツもぶれないな。


「ふむ。それならワシも今日の所はお暇させてもらおうかのう」


「ガットもかよ。・・・気はまぎれたのか?」


ガットは元々、緊急クエストに興味なさげだったのだが、俺たちと同じく【眷属】のグラントが神々の試練を受けに行っていて寂しがっていたので誘った次第である。


俺たちの【眷属】はついさっき戻ってきたが、グラントが試練を受けたのは一日遅れだったため、戻って来るのは明日になるだろう。


「うむ・・・まあ、愚痴もこぼせんくらい目まぐるしく忙しなかったが・・・確かに気まぎれにはなったわい。それじゃあの」


そう言ってガットも去っていった。・・・やっぱグラントが居ないのは寂しいは寂しいんだな。だが、それも明日までの辛抱なわけだし・・・耐えろガット!


「んで、アニキ。ボクたちはどうするっすか? 僕たちも下の連中たちの所に混ざりに行くっすか?」


残った【アークガルド】のメンバーたち。


まずはクエストを頑張ってくれた皆を労いたいし、そういう意味では下のプレイヤーたちに混ざって来るのもありだろうが・・・


「・・・いや、下の連中は自分たちで用意した物で飲み食いしてるみたいだし、俺たちは俺たちで打ち上げしよう」


前回は人数も人数だったため、俺たちの方でいろいろ手配していたが、さすがに今回は何の準備もしていない。


その辺りは心得ているのか、皆自分たちで飲食物を持ち込んで勝手にやっているようだ。あの様子なら俺たちが気を回す必要は無いだろう。


・・・というかクエスト攻略にあんまり役に立たなかった俺があそこに混ざるのはちょっと気が引ける。


「わかったのです! それならアーニャが心を込めた料理を皆さんにふるまうのです!!」


そう言ってアーニャはぴゅーっとすごい勢いでホームの台所に走っていった。


同時にアーテルたち【眷属】組が喜びの声を上げている。そうか・・・アーテルたちにとっては3日ぶりのアーニャの料理になるのか。・・・大量のお菓子を渡していたような気がするがそれはさておき。


なら今回は緊急クエストクリア兼、神々の試練お疲れ様の打ち上げだな。


「料理できましたのですー!」


「「「「はやっ!?」」」」


さっき台所に向かったばっかりじゃねぇのか!?


「ふっふっふ! こんなこともあろうかと下拵えは万端だったのです」


・・・さすがアーニャ。料理に関しては死角なしだな。


そんなわけで俺たち【アークガルド】は飲めや歌えのどんちゃん騒ぎを始めたわけだ。


そんな中で俺はというと・・・


「さあ、アギラとどんな話をしていたのかキリキリと話してもらいましょうか?」


「誤解が生まれないよう一言一句詳しくお願いしますね」


・・・アテナとアルマに挟まれて詰問されていた。


うーむ、確かに二人には伝えなきゃいけないこともあるのだが・・・伝えにくいこともあるんだよなぁ。アニスやアギラが二人を嫌っていることなんてのは特に。


だから話をするにしても、少し整理したかったのだが・・・駄目だ。逃げられそうもない。


「・・・おーとーこだったらー・・・」


「「諦めが肝心、でしょ?」」


・・・へいへい、そこまで凄まれたら話さないわけにもいかないか。


なんでも話しますよ、と。


こうして俺はログアウト直前まで二人にアギラに関することを洗いざらい吐かされたのであった。


===ログアウト===>おつかれさまでした。

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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