表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
731/797

エナジースラッシュ

「アギラ・・・カオスは乗っていないのか?」


アイツもいるのなら戦力としてはかなり期待できるのだが・・・というかそもそもアイツ、クエストに参加してたか?


『はい。搭乗しているのは私一人です。彼は別件でここにはいません。まあ、ルインヴォイドは【クランメカロイド】なので彼が居なくとも【召喚】は可能です』


【クランメカロイド】は個人の【眷属】ではなくあくまでクランの【眷属】。だから、アギラもカオスと同じクランに所属してさえいればルインヴォイドを【召喚】できること自体は何の不思議もない。


ルインヴォイドが持っているハンマーは確かカオスの【眷属】の【ヴァルマキナ】、ラグゼノアが使っていた【ウィンゼルヴハンマー】だ。どうやらアギラも同じ【兵器】を持っている・・・いや、もしかしたら【兵器】の開発者がアギラなのかも。


いずれにせよ、同じクランであるのなら【兵器】を共有しているのもおかしくは無い。


おかしくは無いのだが・・・ここで新たに判明する事実があるよな。


「アギラ・・・さっきまで手を抜いていたな?」


『(・ω<)テヘペロ』


・・・顔文字うざっ!


俺がアーテルたち【眷属】を呼んだように、アギラも【クランメカロイド】のルインヴォイドや【エナジーハザード】に有効な【兵器】を持っていたのなら、もっと早くに出していれば良かったはずだ。


それをしなかったってことは手を抜いていたか、()()()()()()()()()()()があったってことだろう。


どちらにせよ、アギラは全力を出してはいなかったということになる。


『まあまあ、今は全力で戦っているのですから、それで許してください・・・ね!!』


ドゴッ!!


そんな会話(ただし、一方は吹き出し)をしつつも、アギラが搭乗するルインヴォイドは攻撃を手を休めることなく【エナジーハザード】に向かってハンマーを打ち下ろし続けている。


当然、俺も会話するために手を止めるようなことはしない。


優先順位はきちんと守らないとな・・・そのせいで状況的にも残り時間的にもアギラを追求している場合じゃなくなっているわけなんだが、それすらもアギラは計算して戦力を小出しにしている・・・ような気がしないでもない。


・・・疑心暗鬼に陥ってるな、俺。


今は余計な事を考えず、【エナジーハザード】をさっさと倒す事に集中しようか。アギラを問い詰めるのはそれからで良い。


決意を新たにする俺なわけだが・・・


「【勇撃強化(ブレイゼルド)マキシマムスラッシュ】!!」


アークカイザーが持つ【豪剣アディオン】が【エナジーハザード】の巨体を大きく切り裂く。例によって奴の体はすぐに元に戻るが・・・その体は大きく縮小していた。


ようやく最初に搭乗した時くらいまでの大きさになって来たか? 増援が来て、一気に攻勢で出れたことは運が良かったが・・・【エナジーハザード】もかなりタフというかなかなか手ごわい。


時間的には・・・ギリギリか?


そもそも奴は【ガティアス】だ。狙うのならエナジーの体ではなくコアの方なんだが・・・エナジーの体が分厚くてコアにまで攻撃が届かないんだよなぁ。


逆に言えば、俺たちはあくまでコアに攻撃が届く程度までエナジーを四散させることができれば良いわけで、奴のエナジー全てを四散させる必要は無いわけだ。


問題はその見極めだ。


()()()が来たら、この場にいる全員で一斉にコアに集中砲火を浴びせて、短時間で破壊しないと・・・時間的にも間に合わない。


そしてその時は・・・もうすぐに来る。


「だう! だうだーう!!」


「ん? どうしたアウル?」


何やらアウルが自己主張し始めている。どうやら自分の力を使えと言いたいみたいだが・・・【精霊憑剣セイバー・ポゼッション】を使うのはまだ早いんじゃないか? 


それこそコアを砕くときに使わないと・・・いや、これは違うな。アウルはアーテルのように神々の試練を乗り越えて得た力を使えと言っているようだ。


「・・・カイザー、少し頼む」


「オ任セ下サイ」


アウルの主張を信じて、少しの間アークカイザーに操縦を任せつつ、俺はアウルのステータスを確認する。


なになに・・・スキルの欄に・・・【共鳴剣術】? これがアウルの新しい力か?


説明は・・・なるほど。これは使えそうだな。ああ、だからアウルはこのタイミングで使えって言ってきたのか。


ついでにカイザーの方も確認しておこう・・・こっちも使えそうだが、まずはアウルの方だな。


「待たせたな、カイザー。操縦をこっちに戻してくれ」


「了解デス」


再び俺の手に操縦が戻ると、俺は【豪剣アディオン】を構えると同時に・・・


「【オービットソード】!!」


【クランメカロイド】の力で巨大化したアウルの【オービットソード】を()()を作り出す。


そして【豪剣アディオン】と【オービットソード】、計10本の刃を一斉に【エナジーハザード】に向け・・・


「【オービット・ミーティアルスラッシュ】!!」


「だうーーー!!」


()()()()()一斉に【エナジーハザード】を切り刻む!!


【共鳴剣術】というのは【シンクロ】スキルの発展形・・・主と【眷属】で()()()同じ【剣術】を使用することで威力を増大させる、いわば合体攻撃のような物だ。


そしてさらにアウルの【オービットソード】を併用することで、10本の刃による同時【ミーティアルスラッシュ】を行うことができるのだ! 威力もそうだが、攻撃範囲、連続性ともに劇的に向上させることができる。


これは言い換えてみれば10人同時に【ミーティアルスラッシュ】を放つのに等しい。つまり、アウル一人で【剣士】9人分の働きをしていることになるのだ!


た・だ・し! BPの消費が半端ないために【オービットソード】の数をいつもの半分以下にまで減らす必要があったがな!!


それでも効果は抜群だ。


10本の刃から放たれる無数の剣戟により、【エナジーハザード】はみるみるその体を減らしていく。


さらに、他の戦艦たちからの砲撃、そしてルインヴォイドの・・・


「【ラグナショックインパクト】!!」


強烈なハンマーの一撃を食らい、とうとう【エナジーハザード】の【ガティアスコア】が・・・無防備にさらけ出されたのであった。


「今だ、アウル! 【精霊憑剣セイバー・ポゼッション】!!」


「だーうーーー!!」


アークカイザーの持つ【豪剣アディオン】がアウルと一体化し、【王剣アウルディオン】へと変化する。


そしてそのまま・・・


「【マキシマムスラッシュ】!!」


無防備なコアに向かって一撃を振り下ろす。


バキンッ!!


その一撃は【エナジーハザード】の体を切り裂き、とうとうコアへとダメージを与えることに成功した。


俺の攻撃を見たのか、他の連中も攻撃の手を強めていく。


・・・長かったこのクエストも、もうすぐ終局となりそうだ。

(*・ω・)*_ _)ペコリ


作者のやる気とテンションとモチベーションを上げる為に


是非、評価とブックマークをポチっとお願いします。


m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ