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エナジーキープ

吹っ飛ばされた【エナジーハザード】を追って砲身区画へと急ぐ俺たち、を乗せたアークカイザー。


アークカイザーが扉をくぐり抜けるのと同時に、後ろから扉が閉まる音が聞こえて来た。


あとは、動力部に残ったアギラがこの区画を分離してくれれば、【エナジーハザード】のエナジー回復を防ぐことができるはず。逆に言えば俺たちは奴を絶対に動力部へと戻させてはならないということでもある。


砲身区画はというと・・・うん、ほぼ真っ暗だった。先ほどの動力部では天井にライトが付いていて、目視には困らない程度の明かりが確保されていたのだが・・・この砲身区画には明かりは無いらしい。


なんでだ、と思いつつよくよく考えたらそれも当然かもしれないと思いなおした。なんせここは大砲の筒の内部だ。ライトをつけたってキャノンを発射すればおじゃんになるわけで、そんな物をわざわざつけたりはしなかったのだろう。まあ、整備とかは大変そうだけど。


アークカイザーのセンサー越しにうっすらと見える限りでは地面や壁が丸みを帯びていて、確かにここが巨大砲身の中だということがうかがえる。しかも、アークカイザーが余裕で入り込めるほどの巨大さだ。こんな物が発射されれば星だって砕けそうだ。


ガコンッ!!


とそこで、大きな音と共に周囲の壁・・・否、砲身区画全体が揺れ動き始めた。


どうやら予定通りに砲身区画が【宇宙要塞ヴィヴェルグ】から切り離されたらしいな。


動力部から切り離された以上、【プラネットバスターキャノン】が発射されることはもうないないだろう。惑星破壊兵器もこうなっては宇宙を漂流する、ただのでかい筒だ。


・・・あれ? この緊急クエストの目的って【プラネットバスターキャノン】の発射阻止じゃなかったっけ? ならこれで目的は果たせたんじゃ?


って、シークレットフェーズの目的が【ガティアス】の撃破になってるからまだ駄目か。本当に、余計な所で出しゃばってきて邪魔ばっかりしやがるな、【ガティアス】は。


さてさて、肝心の【エナジーハザード】は・・・っていたな。


この真っ暗闇の中でも発光してるから、見つけるのは簡単だ。というより、こいつが発光しているおかげでこの砲身区画が完全に真っ暗になっていないようだ。


明かり代わり・・・にはならないか。どうせ、この後すぐに倒すんだし。


【ゼクシオンジェネレータ】からのエナジー補給は中途半端な上、さらにアーテルの【黒魔の(ダークレイ)殺戮光(デストロイヤー)】を食らったんだ。それなり以上にエナジーを消耗したはず。


現に奴の体は小さく・・・小さく?


「・・・なぁ、カイザー。あいつの体、さっきよりでかくなってないか?」


「エナジー計測・・・間違イアリマセン。先程ヨリエナジー量ガ増大シテイマス」


どうやら気のせいではなかったらしい。こうしている間にも奴の体がどんどん大きくなっていっているようだが・・・そんな馬鹿な。動力部である【ゼクシオンジェネレータ】から切り離された以上、奴はもうエナジーの補給はできないはずだ。


現に俺たちの背後・・・つまり、動力部があった区画から奴にエナジーが流れていく様子はない。


・・・いや、違う? 奴に流れ込んでいくエナジーは・・・砲身区画のもっと奥の方から?


まさか・・・【プラネットバスターキャノン】にチャージされていたエナジーがまだ残っていたのか? その残ったエナジーを吸収してあんな巨大化を?


確かアギラの推測によると、【ガティアス】は【プラネットバスターキャノン】にチャージされていた膨大なエナジーに惹かれて取り憑いたらしいが・・・その結果があの【エナジーハザード】だと。


だからてっきり【エナジーハザード】のあの巨体こそが【プラネットバスターキャノン】にチャージされていた膨大なエナジーを具現化している物だと思っていたのだが・・・あれで全てのエナジーではなかったのか?


まさか・・・【エナジーハザード】はこうなることを見越して、大量のエナジーを砲身区画にキープしていたというのか?


それに俺たちはまんまと乗せられた?


「ク、クルー・・・」


「気にするな、アーテル。お前のせいじゃない」


「だうっ!!」


確かにこの区画へと奴を追いやったのはアーテルだが、アーテルがやらなくとも俺たちがやっていたはずの行動だ。アーテルが責任を感じる必要は無い。


どんどん巨大化していく【エナジーハザード】の体は、砲身区画の壁に接するほどの大きさになってもなお留まることを知らず・・・やがてその壁すらも突き破った。


ガラガラガラガラッ!!


「ちぃ!?」


周囲の壁が崩れ、そこからこの区画に残っていた空気が急激に流れ出ていく。俺たちはアークカイザーの中にいるから空気の問題は無いが、このままここに居ては周囲の壁の崩壊に巻き込まれる。


「カイザー! 後ろの扉を破って外に出るぞ!!」


「了解デス。【グランディスバンカー】アクティブ!!」


俺たちは先ほど通り抜けて来た扉を今度は【グランディスバンカー】でぶち破り、外に出た。砲身区画は既に【宇宙要塞ヴィヴェルグ】から切り離されていたため、外イコール宇宙空間に放り出される形になったが・・・


「・・・どうだ、カイザー。初めての宇宙空間での戦闘だが・・・やれそうか?」


「【クラウドドライブ】正常稼働中・・・各部スラスター問題ナシ。戦闘ニ支障はありません」


「そうか」


どうやらアークカイザーは宇宙空間でも問題なく戦闘できるようだ。さすが【クランメカロイド】、優秀だな。


ドガッ! バキッ!! ドゴゴッ!!


そして【エナジーハザード】もまた、砲身の壁を突き破って宇宙空間へと出てくる。


・・・最初に見た時よりもさらに倍以上、大きくなっているな。あんなサイズでは動力部にも入りきらなかっただろうに・・・もしかしてエナジーをキープしていたのはそれが原因か?


まあ、それはともかく・・・奴の大きさから考えても、奴のエナジー貯蔵量は最初に対面したときより倍以上あると考えた方が良い。ここから今度こそ奴のエナジー四散しつくす必要があるわけだが・・・やれやれだな。骨が折れる。


だが、今度こそ奴にはもうエナジーを補給する術は無いはずだ。


あとはひたすら奴をボッコボコにぶちのめすだけだ!!


「行くぞ、カイザー!」


「了解デス!!」


俺はアークカイザーに【豪剣アディオン】を持たせる。


「【勇撃強化(ブレイゼルド)ミーティアルスラッシャー】!!」


そしてアークカイザーのサイズまで巨大化した無数の斬撃を【エナジーハザード】に放つ。


【クランメカロイド】の力で巨大化した斬撃は、先ほどまで以上に【エナジーハザード】のエナジーを四散させた・・・はずなんだがなぁ。


【エナジーハザード】も巨大化しているせいでいまいち効果が薄いように思える。アギラの言葉を借りるなら・・・おそらく今の攻撃で奴のエナジーは1%も削れていないだろう。


参ったな・・・アークカイザーの力なら押し切れると思ったが、【エナジーハザード】があそこまで巨大化するとは計算外だった。


このままでは時間が足りない・・・だが、弱音を吐いている時間も無い。


そう思いなおして、再び【エナジーハザード】に攻撃を加えようとしたその時。


俺たちとは別方向から飛んできたミサイルが【エナジーハザード】に直撃した。


「アルク!!」


「む?」


通信? それに今のミサイルは・・・


ミサイルが飛んできた方向を見ると、そこに居たのは・・・ヴァラットの【ゲイルシュヴァイツァー】だった。

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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