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エナジーハザード

【宇宙要塞ヴィヴェルグ エナジーハザード(ガティアス・ゼア) Lv.75】

?????????????


「【エナジーハザード】・・・危険域に達したエナジーってことなのかね? エナジーって危険なくらい集まるとあんな風になるのか? しかも、そのエナジーに取り憑いた【ガティアス】って・・・意味不明だな」


エナジーというのは、SFなんかでよくあるビームとかレーザーとかの・・・つまり、()()()()()()()()()を指す。


目視することはできるが物体ではないので、触ったりはできないし、形状や質量があるというわけでもない。そんなエネルギーそのものにさえ取り憑くことができるとは・・・相変わらず【ガティアス】っていうのは謎の存在だな。


つい先日、溶岩の巨人だった【火の大邪霊 禍サラマンダー(ガティアス・ゼア)】と戦ったが、あっちはまだ物理的な溶岩の塊だったから、納得できたが・・・こっちは完全にエナジーの集合体だ。


一体、どういう理屈で取り憑き、あの形状を保っているのかまるで理解できん。


『【ガティアス】に意味や理屈を問いかけても無駄ですよ。あらゆるものに取り憑き、あらゆる物を染め上げる災厄そのものですから』


・・・要するに考えるだけ無駄だってことか。


【エナジーハザード】は巨人のような様相をしているが、あくまでシルエットでそう見えるだけで顔はのっぺらぼうだし、体の至る所がバチバチ発光しているが、所々映像が乱れるようにエナジーの突起のようなものが出たり引っ込んだりしている。


どうにも不安定というか・・・エナジーを無理やり人型に留めているかのような印象を受ける。


全長は・・・300m前後といった所か。かなりでかいな・・・俺たちがここまで乗って来た戦艦と同等・・・いやそれ以上の巨体なんじゃないか?


唯一、他の【ガティアス】に取り憑かれた敵と同じなのは、胸の当たりに埋め込まれている【ガティアスコア】か。まあ、いわゆる中級種、【ガティアス・ゼア】のようだからタフではあるんだろうが、弱点がわかりやすく見えているのが救いだな。


問題は奴があの体? でどんな攻撃を仕掛けてくるのか予想できないことと・・・コア以外の部分に俺たちの攻撃が通用するのかどうかだな。


『どうやら【プラネットバスターキャノン】にチャージされた膨大なエナジーに惹かれて取り憑いたようですね。だからこそあの巨体なのでしょうが・・・困りましたね』


ここまで圧倒的な力を見せて快進撃を続けてきたアギラだったが、さすがにあんな敵を見せられて困惑気味のようだ・・・と、思ったら少し違った。


アギラの懸念は別にあったようだ。


「【ラグナエナジーシュート】」


相変わらずなぜか技名だけは口に出すのだが、それはともかくアギラは手の平からエナジー砲を【エナジーハザード】に向けて撃ち放った。


・・・その所作は牽制程度の簡単なものに思えるのだが、多分威力としては【グランディスマグナム】バスターモードよりも上だと思う。そんじゃそこらの【機械兵】相手だったら消し炭すら残らないだろう。


それだけの威力を持つであろうアギラのエナジー砲だが・・・


パシュンッ!!


【エナジーハザード】の体に着弾すると・・・そのまま吸い込まれるように消えてしまった。


「・・・エナジー系の攻撃は通用しないってことか?」


『通用しないというよりは吸収されると言った方が正しいでしょうか。何せ元々がエナジーの集合体ですからね。海に水を流し込むようなものかと』


そういえばアギラのエナジー砲を受けて【エナジーハザード】の体が少し大きくなったようだ。どうやらこっちのエナジー系の攻撃が吸収されるというのは本当のようだ。


となるとこちらからは物理攻撃主体で攻撃するしかないのか? だが、エナジーの塊みたいな奴に物理攻撃なんて通用するのか?


と、迷っている暇はないか。


アギラの攻撃に反応したのか、【エナジーハザード】がこちらを見ている・・・目が無いからあくまで雰囲気だが・・・どうやら俺たちをロックオンしたようだ。


【エナジーハザード】は右手をこちらに向けると・・・


ドドドドドドドッ!!


右手の指から大量のエナジー弾を撃ち放ってきた!!


「【ラグナエナジーフィールド】」


とっさにアギラが張ってくれたバリアが俺たちを包み込み、【エナジーハザード】の攻撃を防いでくれたが・・・【エナジーハザード】がそもそも巨大なせいか、エナジー弾の一発一発がかなりでかい・・・奴からすればガトリング弾程度なのかもしれないが、俺たちからすれば巨大な大砲の弾より巨大だ。


これは一発でも当たったら無事では済まないな。


『奴を倒すにはやはり弱点であるコアを狙うべきですが・・・膨大なエナジーをまとったままではそれも困難ですね。まずは奴のエナジーを四散させる所から始めるべきでしょうか』


アギラは防御を固めつつも奴に対する戦略をしっかり練っているようだ。・・・若干、俺の役割が取られているような気がしないでもない。


「エナジーを四散?」


『そうです。エナジーは本来であれば、大気中に放たれた時点で減衰していき・・・やがて四散し、消えていくはずのものです。現状では【ガティアス】の力であのような形状を保っているわけですから、切り離しさえすればエナジーはそのまま消えていくはずです』


なるほど・・・確かにエナジー系の【兵器】には射程距離があって、それ以上の距離を過ぎるとエナジーが消えてしまうのと同じ理屈か。


しかし・・・


「切り離すってどうやってだ? 相手はエナジーの塊だぞ・・・そう簡単に切り離すなんてできるのか?」


まさか手で掴んで無理やり引きちぎるとかではあるまい。


『貴方たちもエナジー系の攻撃を鉄の盾で防いだり、剣で斬り捨てたりしていませんでしたか? 確かにエナジーは物質ではないエネルギーの塊ですが、物理的干渉ができないわけではありません』


そういえばエナジー系の攻撃を防ぐのは、なにもバリアを張るだけが全てじゃなかったな。盾や鎧で防ぐこともできるし、剣で撃ち落とすことも・・・なるほどな。


エナジー系の攻撃は奴に吸収されてしまうが、それ以外の攻撃なら奴にも通用するようだ。まあ、奴にダメージを与えるというよりは、攻撃してエナジーを弱めるという意味合いの方が強いみたいだが。


エナジーが弱まれば、あとは奴のコアを狙い撃ちすることができる。


「そいつは重畳・・・あとはいつも通りにアイツを倒せば良いわけだな。行くぞ! アーテル、アウル、カイザー!!」


「クルーッ!!」


「だうっ!!」


「了解デス」


こうして俺たちの戦いの火蓋が切って落とされたのであった。

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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