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共闘提案

===視点切替===>アルク


「シークレットフェーズ、ねぇ」


シークレットフェーズに突入したというアナウンスは俺の元にも届いていた。


どうやらアヴァンたちが何か失敗したというわけではなく、何らかのフラグを踏んでしまったことによって隠しルートへと入ってしまったようだ。


そのフラグっていうのが、アギラが持っている【禁断の(フォビドゥン・)(ボックス)】なんだろうが・・・この状況、ゲームプレイヤーとしては喜ぶべきなのか悲しむべきなのか怒るべきなのか判断に悩むな。


ちなみに俺はゲームをする時、隠しルートも含めて完全攻略する派だ。なので隠しルート突入はむしろドンと来いなわけなのだが・・・


『どうやら私に構っている暇は無くなったようですね(σ・ω・)σ』


・・・どうにもアギラの手の平で踊らされているようで素直に喜べないな。


俺は誰かを手の平で転がすのは大好きだが、誰かに転がされるのは大嫌いな性分なのだ!!


まあ、それはともかくこの状況をどうしたものかと悩んていたら、急にアギラが後ろを振り返った。正確には後方上空の方を見つめているが・・・ふっ、そんな「あ、UFOだ!!」みたいな安っぽい手に俺は乗らんぞ。


俺はアギラから目を離さず銃口を突き付けていると・・・


『どうやら私たちの密会がばれたようですね』


と、俺の方に顔を振り向き直しながらそう言った。・・・急に何を言ってるんだ? コイツ。


俺はアギラに注意を向けつつ、アギラが見ていた方向に目をやると・・・なんだ、あれ?


・・・カメラか? 天井に監視カメラっぽい物がくっついている?


と、ここでさらにアヴァンからメッセージが来た。


「・・・」


『( っ・ω・)っドウゾドウゾ』


・・・なんかアギラから許可が出たので、片手でアギラに銃口を突き付けたまま、もう片方の手でメッセージを開く。


どうやらアヴァンたちはこの司令室まで無事にたどり着くことができたようだ。しかし、【プラネットバスターキャノン】の停止スイッチを押した途端、シークレットフェーズが始まってしまったとのこと。


さらに司令室にあったモニターに俺たちの姿が映し出されていたのだそうだ。


俺とアギラが一緒にいる所を見たアテナとアルマが飛び出して行ったらしい・・・アギラが言っていた密会がばれたっていうのはそういうことか・・・って、密会じゃねぇっつうの!


・・・まさかあの二人まで俺とアギラが密会してただなんて思ってねぇだろうな。もしそうなら俺は逃げるぞ。なんかひどい目にあわされそうだし。


それにしても、あの二人がここに来るのか・・・アギラに会わせるのは不安もあるんだが・・・しかし、避けては通れない道でもある、か。この際、アテナとアルマも含めてアギラを問い詰めた方が良いのかもしれん。


ただ問題なのは今現在、この要塞内は【ガティアス】に取り憑かれた【機械兵】たちであふれかえっているらしいということだ。


いかにあの二人でも、そう簡単にここまで来ることはできないだろう。それにアヴァンからの情報では俺たちの方にも【機械兵】たちが向かってきているらしいし、悠長に二人が来るのを待っているわけにもいかないようだ。


それにシークレットフェーズの目的地である動力部へはアヴァンたちより俺の方が近い位置にいる。クエスト攻略を目指すなら、ここは俺が動くべきだろう。


しかし、アギラを放っておくわけにもいかない。


さて、どうしたものかと悩んでいると・・・当のアギラから驚くべき提案がなされた。


『それでは私も協力しますので、さっさと緊急クエストを終わらせてしまいましょう』


・・・協力だと? アギラが・・・俺たちに?


「・・・今度は一体何を企んでる?」


ぶっちゃけ、アギラには俺たちに協力する義理は無いはずだ。もっと言えば緊急クエスト自体にも興味が無い様子だった。


アギラの元々の目的である【禁断の(フォビドゥン・)(ボックス)】は既に回収してある以上、後は俺から逃げるだけのはず・・・ああ、もしかしなくとも戦闘のどさくさに紛れて逃げるつもりなのか。


『逃げるつもりはありませんよ? 単に火事場泥棒だと思われたままでは不名誉なので払拭しておきたいだけです(oゝω・`o)』


「お前まで俺の心を読むな」


アテナといい、アルマといい、アニスといい、こいつらどうなってんの? サトリなの? それとも俺がサトラレなのか?


『【ハッキング】した映像によると動力ブロックの方も敵で一杯です。現状、味方がいない貴方が一人で突破するのは不可能なのでは?』


どうやらアギラは監視カメラを【ハッキング】して映像を入手し、状況を正確に把握しているらしい。だからアヴァンたちがヴィヴェルグを撃破したことも知っていたわけだ。


そして動力ブロックの監視カメラには、案の定多くの敵が映し出されているのだそうだ。


・・・うーむ、どうしたものか。


実際の所、アギラの実力は未知数だ。


ここに来るまでもアギラは上手く戦闘を回避して・・・正確には左腕がない事を理由に戦闘を押し付けてきたため、アギラの戦闘スタイルは俺も把握できていない。まあ、そんじょそこらの雑魚相手に負けるほど弱くはないだろうから、実力的には問題ないのだろうが・・・信頼関係っていうもんがないのが問題だよなぁ。


ただ、ここで俺が共闘を断ったらアギラは即逃げるだけだろう。


俺としてはアギラをとっ捕まえて色々情報を聞き出したい所なのだが・・・仮にアギラがアニスやウィキッドと同レベルの実力者だと考えると、現状の状況も踏まえてかなり厳しいだろう。


できれば【禁断の(フォビドゥン・)(ボックス)】を奪い取って連中の目的を阻止したい所だが・・・アギラの言葉を信じるなら、そもそもあの箱自体が元凶であり、害をもたらす危険物なんだよなぁ。


持ち帰ったら持ち帰ったで【ガティアス】がわんさか寄ってくるようになったら、たまったもんじゃない。アギラたちに渡したくはないが、持ち帰りたくもないし、かといってそこらに放置もできない危険物・・・まさに【禁断の(フォビドゥン・)(ボックス)】だな。


アテナたちが増援に来るのは間に合わないだろうし・・・選択の余地はないか。


「・・・わかった。別に今()()()()()()()()()()()()()んだが・・・戦力が足りないのも事実だ。今はアギラの手を借りてでもクエストクリアを優先させてもらう」


『賢明な判断ですね。それでは急ぎましょう。すぐそこにある扉を抜ければ動力ブロックにたどり着くはずですから』


「・・・」


・・・どうやらここは居住ブロックと動力ブロックの丁度境目辺りだったらしい。


アギラの奴・・・こうなることまで計算した上で、この場所に隠れていたんじゃないだろうな?


いずれにせよ、やはりアギラの動向には注意していた方がよさそうだ。














『ところでその犬耳と尻尾、モフモフさせてくれませんか?(´ω`*)』


「そんなことしてる場合か!?」


今のうちに【戦人】に【転身】しておこう。

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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