表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
714/797

シークレットフェーズ

緊急クエスト【アースヴェルト帝国の大侵攻】

シークレットフェーズ:宇宙要塞ヴィヴェルグ動力部に取り憑いた【ガティアス】を倒せ!!

勝利条件:宇宙要塞ヴィヴェルグ動力部に取り憑いた【ガティアス】の討伐

敗北条件:全てのドームの破壊

規定時間:40分

参加制限:なし

備考:このクエストにおけるペナルティは発生しません


・・・うーむ、やはり罠だったのだ?


「サスガ、マスター。ヤッテクレマシタネ」


「我はボタンを押しただけなのだ!!」


シークレットフェーズという文言から考えるにどうやら隠しルートに突入してしまったようなのだ。残り時間が40分と短いのは・・・どうやら第3フェーズから残り時間をそのまま引き継いでいるようなのだ。


察するに、このシークレットフェーズというのは第3フェーズの延長・・・おそらく第3フェーズ内での何らかの行動が隠しルートへの引き金になってしまったようなのだ。


それが何かはわからないのだが・・・今はそれよりも事態の収拾を図るのが先決なのだ。


「まさかまだ続きがあるとは思わなかったけど・・・仕方がないわよね。動力部ってことは当然、動力ブロックにあるのよね?」


「ええ。確かここ、軍事施設ブロックとは居住ブロックを挟んで丁度反対側にあったはずです。この司令室が軍事施設ブロックの最奥であることを考えると、丸々2ブロック分を横断しなければいけませんね」


「うひゃ~・・・結構な距離がありそうっすね。時間、間に合うんすかね?」


確かに残り時間が40分というのは短いのだ。動力部に取り憑いたという【ガティアス】・・・おそらくボス級の敵である事を考えると移動と戦闘、どちらも圧倒的に時間が足りないのだ。


ここは道中での余計な戦闘は避けて、一刻も早く動力部にたどり着く必要があるのだ。


・・・と思ったのだが、そう上手くはいかないようなのだ。


「お主ら、何をやったんじゃ!?」


状況を整理していると、ガットが慌てた様子で司令室に入って来たのだ。


「どうしたのだ!?」


ガットの様子からして、ただ事ではないことは見て取れるのだ。


「先ほど倒したはずの【機獣兵】たちがまたわんさかと出てきおったんじゃ! それも【ガティアス】に取り憑かれてパワーアップまでしとる!!」


なんと・・・慌ててモニターを見ると、確かに先ほどヴィヴェルグを倒した部屋が【ガティアス】に取り憑かれた【機獣兵】たちであふれかえっていたのだ。


否、先ほどの部屋だけではない。要塞内部の【機械兵】たちも、地上で戦っている【機械兵】たちまでもが続々と【ガティアス】に取り憑かれていっているのだ。


「ぬぅ・・・【ガティアス】の大攻勢なのだ」


【ガティアス】に取り憑かれた【機獣兵】や【機械兵】は凶暴さを増してプレイヤーたちに襲い掛かっているようなのだ。要塞内部に関しては、プレイヤーが最も集まっている場所・・・つまり、この司令室とその手前の部屋に続々と集まってきているようなのだ。


これはまずいのだ・・・軍事施設ブロックはほぼ一本道、迂回するルートもないのだ。このままでは動力ブロックに向かうどころか軍事施設ブロックから出ることすらままならないのだ。


仮に強引に突破しようとしても時間がかかりすぎるのだ・・・一体どうすれば良いのだ!?


全員で頭を抱え込みたくなるこの状況で・・・突如として一筋の光明が差しこまれたのだ。


「・・・あ、このモニターにアルクのアニキが映ってるっすよ!」


「「「「なにぃ!?」」」」


我だけではなく、アテナもアルマも、ガットまでも声をあらげて画面を注視したのだ。アルクは一体、どこで何をやっているのだ。


画面に映るのは・・・なんなのだ、ここは? 一面、瓦礫の山なのだ。瓦礫の形状を見る限り居住ブロックのようなのだが・・・何故こんな有様なのだ?


初めからこのようなフィールドだったのだ? それとも戦闘で? ・・・もしそうだとしたら余程、苛烈な戦いがあったみたいなのだ。


肝心のアルクなのだが・・・瓦礫の山の一角にいたのだ。一見すると瓦礫の山に遮られるような見つかりにくい場所にいるようなのだが、幸いにもカメラのアングルに丁度収まっているのか、アルクの姿がはっきり見えるのだ。


・・・なにやらアルクの頭部や腰に犬耳や尻尾が生えているような気がするのだが、あの装備は間違いなくアルクなのだ。


む? アルク以外に誰かいるようなのだ。こちらからはその人物の後ろ姿しか見えないのだが、髪の長さとシルエットから察するに・・・


「おー、アニキ。女の人と一緒みたいっすね」


・・・確かに女性に見えるのだが・・・アシュラよ。みなまで言う必要があったのだ?


「我々ニ隠レテ逢引トハ・・・ヤリマスネ」


ラグマリア!? そういう事は口には出さず、脳内に留めておくべきなのだ! でないと・・・


「・・・」


「・・・」


ああ!? アテナとアルマが、ちょっと人には見せられない・・・子供が見たら即泣き出してしそうな顔をしているのだ!?


まずいのだ・・・二人は今すぐにでもがあの場所に突撃しに行きそうな勢いなのだ。そして修羅場に突入してアルクは・・・クッ、想像するのも恐ろしい目にあってしまいそうなのだ。


とはいえ、我にはこの二人を止められそうにないのだ。一体、どうすれば良いのだ。


「・・・落ち着けい、お主ら・・・よく見てみるんじゃ。アルクの奴はこの女に銃を突き付けておるじゃろうが。間違っても逢引なんぞじゃなかろうて」


・・・おお! ガットの冷静な分析に納得したのか、二人の顔が子供にも優しい顔に戻っていったのだ。


さすがアルクとの付き合いが長いガットなのだ。しっかり空気読んでフォローしてくれたのだ。


「確かにそうみたいっすね・・・ってことは敵ってことっすか・・・あれ? でもこの人の顔・・・ああ!?」


そこでモニターの中の女性が、ふとこちらを振り返ったのだ。カメラに気づいたのだ? おかげで女性の顔を確認することができたのだが・・・その顔を見て全員が驚きの声を上げたのだ。


「・・・顔認証比較・・・マスターアテナ、及ビマスターアルマトノ合致率99.9%」


ラグマリア・・・いつの間に顔認証機能を? 相変わらず謎なアンドロイドなのだが・・・それよりも、アルクと敵対している女性の顔・・・顔認証するまでもなく、アテナとアルマにそっくりなのだ。


つまりこの女性が、二人の・・・ 


「・・・なるほどのう。アルクがこの場に来れなんだのは、相応の理由があったようじゃな」


確かに経緯はわからないのだが・・・確かに彼女がこの要塞にいるとなればアルクにとっても放っておくことはできなかったはずなのだ。我らに詳細を語らなかったのは・・・緊急クエストに集中させる為、そしてそれ以上にアテナとアルマを気遣った故に違い無いのだ。


「「・・・ッ!!」」


その事を認識したのか、突然に司令室から飛び出していくアテナとアルマ。先ほどとは別の意味であの場所に行かなければと思ったのだと思うのだ。


「あ、待ってくださいっす! 姉御たち!!」


「ガオー!!」


「ピュイー!!」


慌ててその後をアシュラ、レオーネ、フィオレたちが追っていったのだ。


我らもアルクの所に向かった方が良いのだろうが・・・敵はどんどん集まってきているのだ。果たして無事にあの場所に行くことができるのだ?


「心配ナノハコチラダケデハアリマセン。マスターアルクノ元ヘ敵ガ向カッテイマス」


!? ラグマリアの指摘を受けてモニターを見ると、確かに【ガティアス】に取り憑かれた【機械兵】が居住ブロックに・・・まずいのだ!


我は慌ててアルクにメッセージを送ったのだった。

(*・ω・)*_ _)ペコリ


作者のやる気とテンションとモチベーションを上げる為に


是非、評価とブックマークをポチっとお願いします。


m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ