海底神殿ダンジョン
スイッチを押した瞬間、どこかで扉が開く音が聞こえた。・・・なんかのゲームで似たようなセリフがあったような?・・・まあ、いいか。
【転移装置】のあった大きな建物まで戻ってくると、予想通り扉が開いていた。どうやら外れでも罠でもなかったらしい。
・・・ところでこの海底で扉なんて開いたら中が大変な事になる気がするんだが大丈夫なのだろうか?
「・・・行くか。」
全員が頷いたのを確認すると扉の中に入っていった。
「「「「「「!?」」」」」」
扉をくぐりぬけた瞬間、水の中から出た。同時に水中特有の浮遊感が無くなり地面に着く。
何を言ってるか分からないと思うが、扉を境目にしてまるで海面から出るように空気のある空間に出たのだ。どうやら扉の中には海水が入ってこないようになっているようだ。
「・・・何かの魔法でしょうか?」
「古代文明の科学力かも知れんぞ。」
外の遺跡を見る限り、ただ海に沈んだ過去の歴史の遺跡にしか思えなかったが、この建物だけ、何故かスイッチ式だし、それを押して開く扉は科学的にも思える。そして目の前にある扉を境目として海面がゆらゆらと揺れている光景は幻想的、いや魔法的というべきか。
海底遺跡としか聞いていなかったが、もしかしたらゲームや異世界ものにありがちな、過去に存在した高度に発達した先史文明てきな遺跡なのかもしれない。
・・・そういえばトリ○ンの題材はアトランティス・・・いや、まさかな。地理的にもおかしい・・・【転移装置】で移動してるから地理もくそも無いな。
いやいや、アトランティスだったらミスリルじゃなくてオリハルコンだろう。なんでアトランティスにミスリルが・・・え?もしかしてここってミスリルだけじゃなくって・・・気にしないでおこう。
「まあ、不思議空間はさておき、空気があって地面があるってことはレオーネたちも召喚できるな。」
「あ!そうよね!戦力は多いほうが良いだろうし、早速召喚する?」
俺以外の三人のテンションが上がっていく。多分、留守番しているレオーネたちが恋しい・・・心配なんだろう。
「まあ、待て。それはダンジョンに入って確認してからだ。」
建物の中は・・・はっきり言おう!何も無い!
いや、正確には建物の中央の地面に扉が付いている以外は何も無いというべきか。皆さん想像できるだろうか?体育館並みに広い空間の中に、ポツンと扉があるだけの建物を。
「なんて空間の無駄遣いなんだ!!」
こんだけ広いんだったらもっと何か置けよ!と言いたくなる。
「ま、まあ、良いじゃないですか。逆にこれぐらいシンプルな方が神殿っぽいじゃないですか。」
むう、そんなものか。まあ、俺が文句言っても仕方ないのか。
俺たちは中央の扉まで歩み寄る。また、扉を開けるためには、的な展開になら無いだろうな。いい加減めんどくさいぞ。
という俺の心配を他所に扉は普通に開いた。そして予想通りというべきかそこには地下へと続く階段があった。
「ようやく、海底神殿ダンジョンみたいだな。とりあえず水着から何時もの装備に戻るか。」
さすがにこの先は水着でやっていけるとは思えない。何時もの戦闘服に鎧・武器を装備していざ行かん、海底の神殿へ。
===移動中===>海底神殿ダンジョン B1への階段
「ところで、アルマ。神殿って何のための場所だ?」
「何のためって・・・神様を祀る場所じゃないんですか?」
「その通り。で、ここで祀られてる神様ってなんだと思う?」
「・・・」
全員が首を傾げてる。ついでに俺も傾げてる。
「神殿と言うからには神様が祀られているはず、なら神様の名前や神像があってもおかしくないはずなんだ。そもそも疑問だったんだよなぁー。何で海底神殿なのか。ダンジョンであることを強調したいのなら海底ダンジョンと呼べば良いはずだ。わざわざ神殿と言うからにはなにかあるなぁと思うんだよ。俺の予想ではこのダンジョンのボスモンスターがそれに関係してると思うんだ。」
普通なら考えすぎ、と言われることかもしれない。しかし、このゲームにおいては心当たりがある。【神仏界】、神様や仏様の住むと言われる世界だ。ただし、モンスターが【幻獣界】以外にも存在するようにどこかに、とも考えられる。ここはそんな場所のひとつ・・・かもしれない。
「「「・・・」」」
三人は何も言わない。この場所のヤバさを改めて認識している感じだ。
「まあ、今回の俺たちの目的はミスリルだ。いるかどうか分からない神様にビビッても仕方がない。何時もどおりで行こう。」
神様を倒せとか無茶振りが無いことを祈るばかりだ。
「「「了解。」」なのです。」
===移動===>海底神殿ダンジョン B1
階段を降りた先にあったのは地上の建物と同じくらいの広い空間だった。まわりは柱に囲まれていて相変らず神殿を強調したような場所になっている。
「っと早速来たようだ。」
奥のほうから銀色に輝く巨体・・・ゴーレムがズシンズシンと音を立てて近づいてきている。
【ミスリルゴーレム Lv43】
ミスリルで構成されたゴーレム。堅牢な体は生半可な攻撃を寄せ付けない
「レベルが高いですね。それに説明文から察するに防御力が高そうです。」
要するに手ごわそうってことだが。
「ここも空気と地面があるし、レオーネたちも召喚しましょうか?」
「そうだな。戦力はやっぱり多いほうが・・・!?いや、待て!!」
確かに地面はあるがその地面が徐々に水浸しになっていく!見るとそこらの柱からゆっくりと水が流れ込んできていた。
「・・・まさかの水攻めですか。しかし、【潜水】スキルがある以上、意味が無いのではないでしょうか?」
「ああ、水が溜まるのは遅いみたいだし、ある意味サービスなんじゃないか?」
「サービス?」
「水が溜まらない内は地上と同じ戦い方が出来る。水が一杯になったら水中の戦い方ができる。水中戦が苦手なら速攻で倒せば良いし、逆に水中の方が得意なら水が溜まるまで待てばいい。つまり戦い方を選べるってことじゃないか?」
「なるほど。」
まあ、普通に地上と同じ戦いができるのはありがたい。剣や魔法が普通に使えるからな。
「レオーネたちを召喚するのは待とう。まずはアイツを倒すのにどれぐらい時間がかかるかで判断する。」
そう言うと全員が頷いて攻撃を仕掛ける。俺も右手に刀、左手にナイフを取り出してゴーレムに突っ込む。
「シッ!・・・って硬っ!!」
刀で切ってみたがあまりの硬さに刃が通らなかった。
「【スティールエッジ】!」
今度はナイフで刺そうとするがやはり刺さらない。
一旦、距離を取ると、
「【氷結晶】!!」
アルマがゴーレムの足を凍結させ、足止めをしてくれた。ナイス!アルマ!!
「さすがミスリルで出来たゴーレム。ガットの作った武器で切れなかったのは初めてだ。」
「武器攻撃は厳しいってこと?」
「うーん、ちょこっと傷っぽいのができたからノーダメージではないみたいだが、少し厳しいか。魔法攻撃を試してみてくれないか?アーテルたちも。」
「わかったわ。」
「クルル!」
「ノワールちゃん、頼むのです!」「キュア!」
【火爆発】【レーザーブレス】【ダークブレス】を放つ。
効いてる・・・のか?ダメージはあるっぽいがあまり有効には見えないな。
さてどうしたもんだろう。




