大抵の女の子は虫が苦手
===ログイン===>【幻獣界】エリア3 【転移装置ポータル】
おはようこんにちこんばんは。
早速やって参りました、【幻獣界】エリア3。
本日の狙いは森の奥にいると言うグランドカイコとグレートトレント、草原にいるというクラウドシープというモンスターだ。正確にはそいつらの素材、ドロップ品だけど。
最初の予定ではエリア1、2もまわる予定だったが、アーテルたちのレベリングが予定以上に順調かつ、アーテルたちの実力が予想以上に高かったので今更必要ないだろうという事になった。・・・決して面倒になったからではない。エリア1、2に出るモンスターにも興味はあるがそのうち個人的に見てまわることにしよう。
で、本題だが場所が2箇所あるので二手に分かれようという話になったのだが・・・
「ハイ!私は草原が良いです!!」
アルマが断固として草原の方を希望している。というより森に行くのを嫌がっているというべきか。・・・多分虫が苦手なんだろうな。
「・・・まあ、それが良いならそれでも良いんだけど他に希望のある奴いるか?」
そう問いかけると今度はアテナが手を挙げた。
「それなら私は森の方が良いわ。草原の方は行った事あるし。」
アテナは行ったことが無い方に行きたいみたいだ。
「・・・アテナは虫は平気なのか?」
「・・・得意ではないけど、そこまで苦手って言うほどでもないわ。・・・この前のツチグモは別格だけど。」
ああ、あの巨大な蜘蛛のモンスターな。あれは俺でも怖い。きっと捕まったら頭からモグモグされそうなサイズだったからな。
にしてもアルマのほうが虫が苦手なのか。まあ、双子でも苦手の物は違うわな。・・・あれ?コイツラ双子だったよな?違ったっけ?顔が似ているから勝手にそう思ってたけどそんな話はした事は無かったな。そういえば。まあ、リアル事情は詮索しないのがマナーだけど。
「ふむ、アーニャはどうする?」
「アーニャたちはどちらでも構いません!」
・・・頼もしいけど見た目がロリッ娘なんだよなぁ。なんだか背伸びしている小学生に思えてしまうのはなんでなんだろうか?
「ふむ、それなら今のパーティ編成のままで行くか。俺とアテナが森の奥、アルマとアーニャが草原でそれぞれ任務を遂行ってことで。」
「わかったわ。」「了解です!!」「ハイなのです。」
・・・アルマさんだけ声がでかいよ。そんなに嬉しかったのか?
「・・・一応言っておくが片方で目標数の素材が集まったらもう片方の手伝いに行くようにするぞ。今回の場合、森側のほうが比率が高いから、そっちが終わり次第こっちに合流ってことになると思うぞ。」
アルマの顔がみるみる青くなっていくが仕方が無い。
俺はそれを見なかったことにしてアーテルに【成体化】して森の奥まで運んでもらうようお願いする。
「・・・ねぇ、アルクさん?」
どこか媚びる様な声が聞こえると、そこにはレオーネを抱えたアテナさんがいた。・・・ああ、レオーネは飛べないんでしたね。アテナ自身は飛べるが人一人、もとい眷属一体を抱えて飛び続けるのはつらいか。
「・・・アーテル、二人と一体でいけるか?」
「クールルー♪」
余裕余裕、と言っている、様な気がする。少なくとも嫌がってはいないので、まずは俺が乗り、俺の前にレオーネを、後ろにアテナを乗っける。途中レオーネが「がおがお」と申し訳なさそうな声を出したが、アーテルが「クルル!」と気にするなと言わんばかりのキリッとした顔をしたので問題はないのだろう。
・・・それにしてもよく考えたらアテナは独力で飛べるんだからアーテルに乗る必要はないのでは?と思ったがアーテルがやる気なので言わない事にする。・・・決して後ろから抱き着いてくるアテナの・・・な感触を楽しんでいるわけではない。
「アルク?」
氷点下で凍えそうなアテナさんの声が聞こえてきたのでさっさと出発する事にする。
「よ、よし!アーテル、出発だ!」
こうして俺たちはそれぞれ目的地へと向かったのである。
・・・女性と二人っきり。どきどき。
「クルル!」「がお!」
あ、二人っきりじゃなかったわ。ごめんなさい。
===移動===>エリア3 森の奥上空
と、いうわけであっという間に森の奥の上空までやってきた。さすがアーテル、人一人と眷属一体が増えても物ともしない、素晴らしいパワーとスピードである。
・・・ただお兄さん、もうちょっとゆっくり飛んで欲しかったなぁ、と。ホラ、背中の感触が・・・
「アルク?」
・・・ゴメン、やっぱなんでもない。
早速、森の中にある少し開けた場所まで降りて捜索を開始する。
「キシャアアアア」
目の前にいた。体長1メートルくらいのデッカイカイコが。
「ッ!【火爆発】!!」
そのデッカイカイコに向かってアテナが【爆発魔法】を炸裂させた。前回ほど派手ではないので威力を抑えた魔法を使ったのだろう。
「キシャアアア!」
爆発と炎の中息絶えるカイコ。
「おいおい、いきなり倒すなよ。せめて【看破】で確認してからにしてくれ。」
「ご、ごめんなさい。急に出てきてびっくりして。」
それはそうなんだろうけどな。もしかして君まで虫が苦手なんて言わないよな?今更言っても遅いよ?
「キシャアア」「キシャアア」「キシャアア」
おっと、仲間がやられたからなのか、元からいたのか知らないがあちらこちらからデッカイカイコが出てきたぞ。幸い、今回は冷静だったのかアテナはレオーネを【成体化】させている。とりあえずこちらは【看破】を発動。
【グランドカイコ Lv.34】
豊富な森の資源を食らい巨大に成長したカイコ、口から放つ糸は強靭で強固な物になっている
なんて見ている傍から糸を放ってくる。強靭で強固らしいから捕まったらやばいかもしれん。
「皆、糸に気をつけて応戦しろ!!」
アーテル、アテナ、レオーネが頷いて応戦する。レベルは結構高いが大丈夫だろ。
「【バスタースラッシュ】!!」
俺も大剣を取り出し、応戦する。・・・うーむ、カイコもここまででっかくなるとグロいというかなんと言うか。しかもなんか次から次へと出てきてるし。もしかして巣に突っ込んでしまった、とか?
「次々来てるぞー、皆気をつけろよー。後、離れすぎるなよー。」
「クル!!」「ガオ!!」
うむ、アーテルとレオーネはちゃんと分かっているようだ。偉いぞ。
「わかったけど、もうちょっとやる気を・・・キャア!!」
失礼な事を言いかけたアテナの声が途中で悲鳴に変わる。見るとアテナが木の枝に縛られて宙を舞っている。
「・・・何を遊んでいるんだアテナ?」
「遊んでるわけないでしょ!!」
ですよね。アテナを捕まえたデッカイ木がウネウネ動いているし。【看破】で確認、と。
【グレートトレント Lv36】
長い年月を掛けて溜まった魔素によりモンスターへと変化した巨木
やっぱりモンスターだったらしい。早くももう一つのターゲットが見つかったのは喜ばしい事だが、周りの木もウネウネ動き始めたんだが?周りの木もグレートトレントなのか?
とりあえずアテナを助けようか。俺は大剣を片手に持ったまま、もう片方の手に斧を取り出す。
「【ブーメランスマッシュ】!」
名前の通りブーメランのように回転しながら飛んでいく斧。アテナを掴んでいた木の枝を切り飛ばし戻ってくる。
「キャアアア!」
そして空中に放りだされ落下してくるアテナ。を優しく受け止めてやる優しい俺。
「あ、ありがとうアルク。」
「どういたしまして。それよりどんどん集まってくるな。」
グランドカイコの糸に加えてグレートトレントの枝まで飛んでくるようになってしまった。勿論華麗に避ける俺であったが、この調子で数が増えていったらいくらなんでも持つまい。
「あの・・・ちょっと?」
「アーテル!レオーネ!ブレスでヤツらを一掃してくれ。」
「クルルー!!」「ガオオオオ!!」
【レーザーブレス】と【サンダーブレス】のあわせ技でモンスターの群れをなぎ払ってもらう。その隙にモンスターのいない位置まで後退する。
「だから・・・アルク?」
「多少は減ったが全部とはいかないか。アテナ、【爆発魔法】は使えるか?」
広域を攻撃手段は後はアテナの【爆発魔法】だけである。こういうとき、魔法系のスキルを育てていなかった事が悔やまれる俺である。ここで【ファイヤボール】程度の魔法じゃあ焼け石に水だろうな。
「使えるけど・・・いや、だから、ね?」
「よし、アーテル、レオーネ、一旦こっちまで下がれ!」
「クル!」「ガオ!」
俺の指示を受け集まってくるアーテルとレオーネ。
「よし、アテナとアーテル、レオーネで一斉攻撃だ。」
「クルル!」「ガオ!」
参加できない俺はちょっと寂しいが。
「だから・・・いい加減に・・・」
「ん?」
「下ろしてってば!!!」
・・・怒られた。どうやら俺がお姫様抱っこを続けていたのが気に入らなかったらしい。・・・違うか。
この後、【大爆発】【レーザーブレス】【サンダーブレス】の合体攻撃によってモンスターどもは一掃された。
俺?俺はポーションで皆を回復させたよ?
・・・すいませんね。あんまり役に立たなくて。
魔法系スキルも鍛えようと心に決める俺であった。




