マナティア鉱山ダンジョン
===移動===>マナティア鉱山ダンジョン
そういうわけでやってまいりましたマナティア鉱山ダンジョン。
このダンジョンはウルティム鉱山ダンジョンのように岩壁がむき出しのトンネルと言った様相だが、あっちと違って迷路のように道が分岐し、広大な広さを有している。
また階層構造になっていて、ダンジョンの奥、ここの場合は地下なのだが、そこへ行くには地下へと続く階段を見つける必要がある。当然、広大な迷路となっているダンジョンの中で地下への階段へとたどり着くには正確なマッピングと正確な道筋を見つける必要がある。
当然マップも何もない俺たちは【採掘】を繰り返しながらウロウロ彷徨っていた。現在俺たちがいるのは地下5階である。
ちなみに道中がどんなだったかダイジェストでどうぞ。
===回想中===>地下1階
「あ、デッカイコウモリなのです!」
「【ロックバット】、レベルは20か。まあこのぐらいなら・・・」
「クルル!!」バシッ!!
「・・・アーテル、せめて俺の合図を待とうぜ・・・」
===回想中===>地下2階
「なかなか階段ないわねぇ・・・きゃあ!!」
「アテナ!?・・・落とし穴だ!大丈夫・・・」
「・・・」パタパタ
「だよな。【天使】で飛べるんだよな。」
===回想中===>地下3階
「ヒィイ!?ト、トカゲです!!」
「【ロックリザード】、・・・このサイズのトカゲが壁を這って襲ってくるって中々恐怖だよな。」
「そ、それはいいですから、早く倒してくださいぃ。」
「ピュイイイイ!!」ベシッ!!
「・・・頼りになる眷属と頼りない主の構図だな。」
===回想中===>地下4階
「あ、あんなところに宝箱があるのです!!」
「待て、アーニャ。あれは【ミミック】だ。迂闊に開けると食われるぞ。」
「ヒィ!!怖いのです!!」
「・・・じゃあアテナ、頼む。」
「私に食われろと!?」
「いや、お前の弓矢で倒してくれってことなんだが。」
「・・・あ、そう言うことね。失礼しました。」
===回想終了===>地下5階
まあ、こんな感じでモンスターだのトラップだのに時間を食わされたが、特に問題なく奥へ奥へと進んでいた。勿論、途中の【採掘】も忘れなかったが現在採掘できたマナタイト鉱石は7個である。
正直、2時間掛けた成果にしては数が少ない。鉄鉱石ならたくさん手に入ったんだけどね。確率的には10回採掘を行って1回マナタイト鉱石が出れば良い方という感じだ。
効率を考えるならもっと地下まで降りて採掘できる確率を上げたい所だ。しかし、一階一階が広いため中々地下へと進む事ができないでいる。
急ぎたい所だが焦りは禁物。と言うわけで今は休憩中である。
決して奥のほうから、
「アーハッハッハ、モンスターごときが我輩に勝てると思っているのか!?」
なんて声が聞こえてきたからではない。このまま進むと声の主に鉢合わせてめんど・・・邪魔をしてしまうかもしれないので奥ゆかしく待っているだけなのだ。
というわけで【収納箱】からテーブルとイスを出してお茶会である。俺が飲んでるのはコーラだけどな!!・・・アーテルたちは肉やら野菜やらをモリモリ食べている。お前らそんなに食って大丈夫なんだろうな?後で吐いたりしないよな?
ダンジョンのなかで暢気すぎないかって?大丈夫、アテナが張ってくれた【守護結界】のおかげでモンスターは近寄ってこないから。そういうことじゃないって?細かい事は気にすんな。
「やっぱりアーニャが作ってくれたものはおいしいわね!!」
「ええ、このクッキーもそうですが、この紅茶もおいしいです。」
「どうもなのです!レシピをゲットしたので作ってみたのです!!」
・・・いやちょっと油断しすぎかもしれないな。
「ほんまにこれ、おいしいどすなぁ。」
「ああ、これだけの味、店に行っても中々ないぞ。」
・・・
「何でお前らがいる?」
なぜか先ほど別れたはずの・・・レヴィーネ?とリグシオン?だっけ?がちゃっかりイスに座ってクッキーと紅茶を頂戴していた。
「細かい事はよろしいやないですの。」
「細かくはないだろ。・・・お前らのリーダーはどこ行った?」
この通路の先でさけん・・・奮闘しているんじゃないのか?
「奴とは地下一階ではぐれてな。探しても見つからないのでほっといて地下へと進んでいたところにお前達がいただけだ。」
・・・これははぐれるベルバアルが悪いのか?それともリーダーをほったらかし進んでいるコイツラが悪いのか?それとも仲間をほったらかしでこの先で暴れているベルバアルが悪いのか?
・・・ベルバアルが悪いな、うん。
「・・・大丈夫なのか?お前ら。」
あれがリーダーって点と、リーダーほったらかしでクッキー食ってるお前ら両方の点で。
「問題ない。ああ見えて実力は確かだからな。」
それは知ってるんだが・・・
「ベルバアルはんだけやなしに、レシトリーはんやライセーレはんも頼りになりますからねぇ。居心地も中々よろしゅうてなぁ。」
・・・まあ、本人たちが良いのならそれでいいんだけどな?
「・・・アイツラ三人と初めて会ったとき、戦隊ヒーローの悪役みたいな名乗りとポーズをしてたけどアンタ等もやるのか?」
・・・あ、目をそらされた。どうやらそこまでの覚悟は無いようだ。
「アーハッハッハッ、やや!そこにいるのは我輩の仲間と・・・」
「そういうの良いから、お前、ちょっとそこに正座しろ。」
何時の間にか近くまで来ていたベルバアルのいつものを遮って言ってやった。
「え?あ、ハイ。」
・・・本当に正座しやがったよコイツ。いや、言ったのは俺だけど。
「お前、仲間をほったらかして何やってんの?」
「え!?あ、いや、そのう。探しても居なかったのでてっきり先に進んだものかと・・・」
「お前、さっきまでこの先で暴れてただろ。とてもじゃないがはぐれた仲間を探していたように見えないが?」
「それは、えーっと、モンスターが出たからにはきっちり討伐しないと、と思いまして・・・」
真面目かッ!こいつ魔王軍じゃなかったっけ?
「・・・第一はぐれたんなら、メールでもフレチャでも連絡できただろうが。」
「「「あっ!!」」」
・・・駄目だコイツラ。
「・・・急に競争だ!とか言って、仲間をほっといて先に言ったリーダーなら私も知ってるけどねぇ。」
「私もです。」
「私もなのです。」
ここでまさかの仲間からの裏切りが!!(自業自得)
「さあ!ベルバアル!何時までもそんな所で正座してないでお前もクッキーを食え食え!!」
「え?あ、はい・・・あ、おいしい。」
強引に話を終わらせようとする俺に白い眼を向ける人たちが何人かいるが気にしてはいけない。大切なのは俺に追求が来ないようにする事だ!!(最低の発想)
ガコンッ!!
ん?
「なんだ?今の音は?」
どこからか音が・・・足元からか?
・・・いやな予感がしますねぇ。
「・・・ベルバアル?」
「ええ!?違いますよ!?僕は何もしていませんよ!?」
ベルバアルの魂の叫びと共に地面が無くなった。より正確に言えば扉が開くように地面が開いた。つまり落とし穴。
「あらあら、これは大変やねぇ。」
暢気な発言をしながら落ちていくレヴィーネ。
「・・・さくさくさくさく。」
これがチャンスとばかりにクッキーをさくさく食いながら落ちていくリグシオン。
「何でですかー!?」
一人己の不幸を嘆きながら落ちていくベルバアル。
三者三様の落下シーンを暢気に眺めている俺。なんで俺は落ちないのかって?それはな・・・
「ちょっとちょっとちょっと!!もう無理もう無理もう無理だからー!!!」
飛んでいるアテナにしがみついているからなのだ。ちなみにアルマとアーニャ、あとレオーネもしがみついている。残りの飛べる【眷属】たちはテーブルやイスの落下を阻止してくれていた。
「ちょっとアルク!!あんたセクハラよ!!早く離れなさい!!!」
「緊急事態だ。四の五の言ってないで足場のあるところに移動しろ。」
「重すぎて無理だって言ってんでしょ!!」
「なに!!アルマやアーニャが重いというのか!!!」
「何でその二人なのよ!!アンタが一番重いに決まってんでしょ!!!」
酷いな。男女差別じゃね?
「アルクさん!!アテナを刺激しないでください!!どんどん高度が落ちてきてます!!」
「わーほんとだー、これじゃあおちちゃうなー(棒読み)」
「駄目なのですアルマさん!!アルクさんは既に諦めて私達を巻き込もうとしているのです!!」
「えぇ!?」
ちぃ!ばれたか!!
「その通り!!俺はな、こういうときに自分だけ助かろうとする奴が許せんのだ!!」
「何の話よ!?っていうかこんなとき何を・・・」
「フハハハ、というわけでちょいやー!!」
俺はアテナの翼に飛びかかった。
「ちょ!?そこを持たれると・・・キャー!!」
「「キャー!!」なのです~!!」
こうして俺たちは奈落の底まで落ちていった。
・・・すまん、このときの俺はどうかしたんだ。そう言って後で土下座したのは言うまでもない。




