勇姿
そろそろ疑問に思っている方々もいるかもしれませんが
・主人公たちのリアル事情が見えない
・なぜか毎日ログインできる
のはわざとです。
理由はその内判明するでしょう。
===ログイン==>【魔法界】第一の街アインズ
おはようこんにちこんばんは。
俺たちは今、【魔法界】の第一の街アインズから少し離れたフィールドに来ていた。
昨日は時間も時間という事で一旦解散し、今日再び集まる事にした。目的は勿論アーテルたちの【成体化】のテストだ。戦闘力は勿論だが、移動の方でもどれほどの物か確認するためである。
なんだが・・・
「何でお前らがここにいる?」
俺が疑問を投げかけたのはご存知、野次馬ラングとガットである。
「随分な言い方だね。ただの見学さ。」
「うむ、【眷属】選びの参考にと思っての。」
・・・お前ら一応有力クランのトップじゃないの?そんなに出番が欲しいのか。
「ハイハイハーイ!それじゃあ私のレオーネから行くわね!!」
「がお!!」
テンションの高いアテナ。果たして昨日のことは反省しているのか不安になってくるが、しつこく言う事でもないので黙っている事にする。
「レオーネ!【成体化】よ!!」
「がおおオオオオオオ!!」
おお、猫のようだったレオーネがみるみる大きくなっていく。そこにいたのは2メートルを超す巨体に立派な鬣を生やした金の毛のライオンだった。勿論普通のライオンではなく立派な牙と爪も生えている。そして雷属性の為かバチバチ火花のような音をさせている。
「キャアア!カッコいいわ!レオーネ!!」
「ガオオオ♪」
立派になったレオーネに抱きつくアテナ。かわいいのも好きだがカッコいいのも好きらしい。レオーネも声が若干低くなったような気がするが、変らずアテナに抱きつかれるのが好きらしい。・・・ところでアテナ、感電してないよな?してない?・・・良かった。
「次は私です!フィオレ!【成体化】!!」
「ピュイイイイ!!」
我慢できなくなったのか今度はアルマがいきなりフィオレを【成体化】させる。やはりどんどん大きくなるフィオレ。体よりも羽のほうがより大きくなっていく。そして現れたのがまさにフェニックスと呼ぶにふさわしい体長2メートルほどの大きな鳥だった。鮮やかな赤茶色の体にも目を引くが何よりその羽だ。赤、茶色、オレンジと赤系の色が入り混じった美しい羽をしている。
「フフッ、立派です!フィオレ!!」
「ピュイイイ♪」
こっちは相変らず甲高い声で鳴く。そしてアルマにほめられてとても嬉しそうだ。
「それでは次はアーニャたちの番なのです!ノワールちゃん!【成体化】なのです!!」
「キュアアアア!!」
アーニャの掛け声と共にノワールが巨大化していく。こちらは蛇のように細長い顔をしているので横幅こそそれほどでもないが、頭から尻尾までが長く、4、5メートルはあるだろうか。そして現れたのは全身が漆黒の鱗で覆われた龍だった。以前の魔龍に比べたら随分小さくなったがドラゴンだけあって力強さがひしひしと感じられる。
「ブランちゃんも【成体化】なのです!!」
「キュイイ!!」
すぐ隣でブランも3メートル近い巨大な純白の竜となる。うむ、こうして並ぶとなんとも壮大だな、2大ドラゴン。
そしていよいよ俺たちの番だ。
「・・・よし、最後は俺たちだ。アーテル!【成体化】だ!!」
「クールルー!!」
俺の掛け声と共に巨大化していくアーテル。そしてついに現れる【天龍馬】の姿。
そこに現れたのはシルエットは間違いなくペガサス。ただし頭部はドラゴンの物、そして全身と翼が黒い鱗で覆われている。いや鱗というよりは鎧?まるで重武装の漆黒の鎧と翼を着込んでいるような姿だった。体長は2~3メートルほど。人が二人乗っても余裕な大きさだ。
「クルル!!」
おう、その愛らしい鳴き方はそのままなのね。ちょっとその姿に合ってない気もするが、なんかほっとした。体を触ってみるととても硬い。ちょっとやそっとの攻撃じゃかすり傷一つ付かないなこりゃあ。
「クルッ!クルッ!」
アーテルが首を動かして何かをアピールしている。
「・・・乗れって言ってるのか?」
「クルル♪」
当たりらしい。勿論乗ってみる。・・・硬いかと思ったが何故か俺の乗った部分だけ鱗が柔らかくなった。しかも鱗の一部が変形し足場にもなった。ご丁寧に手を握るハンドルのような部分まで。どうやらこの鱗は硬い柔らかいは勿論、形までアーテルの意思で自在に変えられるようだ。恐るべし。
「クールルー♪」
「おわああああああ!!!」
俺が乗ったとたんアーテルは急上昇を始めた。みるみる内に地面から離れ、一気に雲の上にまで躍り出る。どうも初めて俺を乗せた飛行ではしゃいでいるようだ。それはいい、それはいいんだが・・・。
「速い!速いよ!アーテルさん!!」
「クルルルル♪」
まるで踊るようにあっち行ったりこっち行ったりするアーテルさんだが距離とスピードが尋常ではない。体感ではあるが百メートルをほぼ一瞬で進んでいる。一体時速何百キロ出ているのだろうか。F1カー並みである。乗ったこと無いけど。
しかし不思議な事に、こんな超速で動いているのに普通に息ができるし、風もほとんど感じない。実際にこんなスピードで動いている乗り物に素で乗り込んだら顔面が大変な事になるはずだが、乗り心地は至極快適・・・というにはスピードが出すぎなのだが、問題自体は何も無い。
よーく俺の体を見るとうっすらとだが膜のような結界が俺の体を包んでいる。どうやら乗っている俺に影響を及ぼさないようにアーテルが結界を張ってくれているらしい。どこまで優秀なんだアーテル。この様子では振り落とされる心配も無いだろう。・・・多分だけど。
そうなると周りの景色を見るくらいの余裕も出てくる。遥か下に街が見える。フハハハ、人がゴ○のようだ!!
「・・・アーテル、ちょっと止まってくれ。」
「クルルッ!」
了解、っと言わんばかりに急停止するアーテル。その割りに衝撃は無いが。そしてホバリング?も可能とは。普通空を飛ぶ時は、飛び続けないといけないはずなんだが、空中で静止も出来るのはさすがにゲームの世界だからか。
「・・・いい眺めだな、アーテル。」
「クルル♪」
頭を撫でてやると嬉しそうに鳴くアーテル。その背から見る【魔法界】の景色はとてもゲームの、作り物とは思えない、本物の世界の景色だった。眩しい太陽、青い空、白い雲、緑に覆われた大地、地平線まで広がる海。幻想的ながらも本物としか思えない景色だった。
せっかくなのでスクショをパシャリ。
「・・・戻ろうか、アーテル。」
「クルル!」
そう返事をしたアーテルに連れられて、アテナたちの元まで戻った。なお、例の超スピードで地面に着地したため、地面にクレーターができてしまったことを付け加えておく。アーテル自身は涼しい顔をしているし俺にも影響は無い。せいぜいアテナたちが悲鳴を上げた程度だ。特に問題は無い。
「問題あるでしょ!!」
怒られてしまった。着地に関してはもうちょっと練習しような、アーテル。見ると皆もそれぞれ【眷属】に乗っかっていた。移動の確認を行っていたらしい。・・・俺たちほど極端ではなかったみたいだが。
「・・・なんだか恐ろしい物を見てしまった気がするんだがね、ガット。」
「うむ、あれだけの機動力があれば探索も容易に進むじゃろうのう。これはワシらも真剣に検討せねばならんのう。」
俺が撮ったスクショを見て唸る二人だがテストはまだ終わっていない。
「後は戦闘力だが・・・丁度いいところにモンスターが来た。」
見るとエレメントモンスター軍団が近づいてきていた。数はおよそ30、属性はバラバラだ。
「よし!じゃあ昨日のように【眷属】みんなで一斉攻撃だ!!」
「ええ!」「わかりました!」「はいなのです!」
「クルル!」「ガオ!」「ピュイ!」「キュイ!」「キュア!」
【眷属】たちが横並びになった所で一斉に攻撃を開始する。
「アーテル、【レーザーブレス】だ!」「クールルー!!」
「レオーネ!【サンダーブレス】!」「ガオオオ!!」
「フィオレ!【ファイヤーブレス】!」「ピュイイイ!!」
「ブランちゃん、【ホーリーブレス】!ノワールちゃん、【ダークブレス】!なのです!」
「キュイイイイ!!」「キュアアアア!!」
迫りくるモンスター軍団を駆逐する五つの閃光。それらが敵に到達した時、まばゆい閃光と共に敵を跡形もなく消し飛ばした。
・・・昨日の3倍は威力があるかな。




