ウルティム鉱山ダンジョン
===移動===>ウルティム鉱山
はい、というわけでやってまいりました、ウルティム鉱山です。
場所的には第三の街を南に20分ほど下った所と割と近い所にあった。それでも入り口に【転移装置】があったので忘れずに登録しておく。
「鉱山っていうか採掘場みたいね。」
「山が削られているのを見るのはちょっと心が痛みますね。」
「一応、ここの歴史を確認してみると採掘作業中にダンジョンが見つかって、それから山を削る採掘ではなくダンジョン内の採掘に切り替えたらしいな。」
つまりここはウルティム鉱山採掘場跡、前もって冒険者ギルドで確認しておいた情報だ。ここで採掘した物を納品するクエストもあったが今回は俺たち自身が必要なので受けてはいない。
「・・・穴が5、6個見えるのです!」
「ああ、それがダンジョンの入り口らしいな。どの穴でも良いから中に入るとそこがもうダンジョンらしい。あとは延々と地下へと潜っていくらしい。当然地下に行くほどモンスターは強く、ドロップが良いものが出る。」
中が繋がっているかどうかは定かではない。別々の入り口に入って合流できるかどうか試した連中もいるらしいが結局は出来なかったらしい。噂では正しい入り口から入らないとボスにたどり着けないとかなんとか。
「それでどうするアルク?せっかくだからバラけて入ってみる?」
「いや、今回は様子見を兼ねてるから全員一緒でいいだろ。そもそもダンジョンも採掘も初めてだしな。俺たちが集めようとしているウルタイト鉱石を4人全員で約150個、一回の探索で集めきれないだろうし今回はお試しで良いんじゃないか?」
全員が頷いたので適当に手前の穴に入っていった。
===移動===>ウルティム鉱山ダンジョン
中の様子はというと幅3、4メートルのトンネルが延々と続いていた。地面こそ平らだが側面や天井は岩がむき出しになっていて洞窟のような印象を受ける。幸いにも側面に松明がくべられているので暗くは無い。ただ・・・
「ひたすら道が続いてるな。先が見えない。」
いや、少し下り坂になっている。ひたすら地下に続いているというべきか。
「せまいのですー。これじゃあブランちゃんが【成体化】できないのですー。」
「キュイー。」
そうか。この狭さでは仕方ないが単独行動にしていたら危なかったかもしれん。もっともブランは今の姿のままでも結構強いが。
「・・・来ましたよ。」
そう言って槍を取り出すアルマ。どうやらアルマも魔法より槍をメインにするようだ。まあ、この狭い中で使える魔法は限られてくるよな。なんて思いつつ、側面の壁からボコボコ出てきたモンスターを見る。
「・・・ツチノコ?」
そこにいたのはずんぐりむっくりした、蛇のように手足が無く、それでいて胴が短いモンスターだった。【看破】発動っと。
【ツチノコ Lv.20】
暗い土の中で息を潜め、獲物が通ると現れるモンスター
やっぱりツチノコだった。それはともかくLv.20は【武術界】に来て一番レベルが高い。それに10匹近く出てきている。
「アーテル!」「クルル!!」
「レオーネ!」「がお!!」
「フィオレ!」「ピュイー!」
「ブランちゃん!ノワールちゃん!」「キュイ!!」「キュア!!」
ひとまずは【眷属】たちに任せる。さすがにワンパンとは行かなくなったが、かといって負けているわけでもなく、多少苦戦しているが問題なく倒せるだろう。・・・一匹ずつなら、だ。
残念ながらツチノコは10匹以上出てきており、今もまだ増え続けている。なので今度こそ俺たちも参戦することにした。
俺は右手に長剣、左手に刀を装備した。大剣を使うには狭すぎるし、銃は跳弾が怖い。なのでこの武器を選んだ。まあ、フレンドリーファイアが無いので気にしなくても良いといえば気にしなくても良いのだが・・・いややっぱ味方に刃や銃弾が向かうのは気になるよな。勿論、新しいスキルとスキルのレベリングも兼ねている。
「【ハイスピードスラッシュ】、【正眼突き】」
【中級剣術】と【刀術】を試してみる。ふむ。剣のほうは一撃だけど刀のほうはまだ生きてるな。スキルレベルの差かな。と考えつつもう一度突きを加えて倒す。
他のみんなも思い思いに敵を倒している。唯一攻撃力の低いアーニャだが、ブランがノワールも含めて上手く援護している。さすが【眷属】たちのお兄さん。
アーテルたちもレベルが上がり始めたし、レベリングは順調と言えるだろう。後の問題は・・・
「あ!見てください!!」
モンスターを一掃すると少し進んだ先で壁の一部が淡く光っていた。
【採掘ポイント】だ。
あの部分を採掘道具で一突きすると採掘したアイテムが手に入る。・・・現実の採掘はもっと手間と時間がかかる物だが、ここではゲームの中なので許容して欲しい。
ちなみに採取なども【採取ポイント】に生えている植物をスコップなどで丁寧に取れば手に入る。手でむしりとっても良いらしいがその場合量が少なくなったり品質が落ちたりする。
そして今回の採掘で使うのがこれだ。
【鉄のツルハシ ☆5】
特性:STR+10 属性:無 消耗度:0%
鉄でできたツルハシ、耐久力に優れている
【アイゼンガルド】製のツルハシである。攻撃力こそ無いがちょっとやそっとでは壊れないガット自慢の一品である。
とりあえず俺が試しに一突き。
『石ころ×3を取得しました。』
取得したアイテムは自動的に【収納箱】に送られるって石ころかよ!はずれじゃねえか!
「どうだった?」
「・・・アテナも試してみろ。」
幸い、【採掘ポイント】は光ったままだ。促されるままアテナもツルハシを一突き、そしてがっかりした顔になる。・・・石ころだったな。
続いてアルマ、アーニャも同じように採掘するがやはり石ころだった。
「これは場所が悪いのか?それとも俺たちの運が悪いのか?あるいは物欲センサーに反応しているのか?」
「全部じゃないでしょうか。」
おい、悲しいこと言うなよアルマ。
「もっと奥に進んでみるです!きっと奥まで行けばザックザクなのです!!」
お宝探しに来たんじゃないんだぞアーニャ、言いたいことは分かるけど。
「そうだな、先に進むか。モンスターがドロップする可能性もあるしな。」
そうして俺たちは道中、モンスターを倒し、採掘を続けながら奥へと進んでいった。
進んでいった。
進んでいった。
進んでいった。
「長えよ!!」
かれこれ一時間近く歩き続けている。ひたすら一本道を。勿論、道中でモンスターが出たり【採掘ポイント】があったりしたわけだがそれ以外は何の変化も無く延々と一本道が続いている。
「ちょっとー、まさか永久ループにはまったんじゃないでしょうね。」
「もう何キロも歩いてますがひたすら一本道なんてありえるんでしょうか?」
あるいはこの道はそういうはずれの道だったのかもしれん。かといって今更戻ってやり直すのはだるすぎるぞ。
「あ、見てくださいなのです!とうとう見つけたのです!!」
めげずに【採掘ポイント】で採掘を行っていたアーニャが叫んだ。俺たちも慌ててそれを確認する。
【ウルタイト鉱石 ☆7】
大地の気が凝縮し変質した鉱石
そこには確かに銀色に光る鉄を含んだ鉱石があった。
「おー、ようやく出るようになったか!」
俺、アテナ、アルマも試してみたが1個ずつ採掘できた時点でポイントが消えた。
「出たのは良いがこんだけ時間がかかって一個ずつとは・・・」
「もっと奥まで行けばもっと出るようになるんじゃない?」
「でも、これ以上進むと戻るのが大変になりませんか?」
確かにその通り。しかし今回は秘策がある。
「そうなると思って【帰還石】を買っておいた。ダンジョン脱出用のアイテムだな。多少値は張ったがこれがある限りは深く潜っても大丈夫だ。」
「おお!準備が良いのです!」
そうだろそうだろ。
「ただし、何らかのイベントが発生したら使用出来なくなる場合もある。何時までもダンジョンに篭っているわけにはいかないから、あと一時間ぐらい粘ってから帰還しよう。」
こういうのはメリハリが大事。夢中になりすぎて徹夜したりすると明日に支障が出まくるからな(実体験)。
「分かったわ。」「はい。」「了解なのです。」
物分りがよくてよろしい。
「クルル!」「がお!」「ピュイ!」「キュイ!」「キュア!」
元気があってよろしい。・・・分かって返事してるんだよな?




