クラスアップ
===ログイン===>第二の街セカッド
おはようこんにちこんばんは。
さあ、今日は昨日の続き、第三の街へと向かいます。
「よし、お前ら!気合入れていくぞ!!」
「「「おー!」」なのです。」
「クルルー!」「がお!」「ピュイ!」「キュイ!」「キュア!」
うむ、元気があって大変よろしい。
===移動中===>街道
「グルルルル「クールルー♪」グアア!!」
「よう、兄ちゃんたち「がお!!」へブシッ!!」
「おっと、ここから先は「ピュイー!!」アイタッ!!」
「キュイー!!」「ぎゃああドラゴンだー!!」
「馬鹿野朗!!あんな小さい奴に「キュアー!!」すいませんしたー!!」
===移動===>第三の街サードン
はい、到着しました。
途中、阿鼻叫喚だったが気にしてはいけない。ただアーテルたちが大活躍だっただけのことだ。
ちなみに出てきたのはカッパやオニビなどの新しいモンスターもいたがレベルは10~15程度、そしてモンスターよりも盗賊団のほうがでしゃばってきていた。正直な所、レベルはモンスターより上だが素材も魔石も落とさないのでぶっちゃけ邪魔だった。だからアーテルたちの蹂躙・・・もとい活躍は決して間違っていないのだ。
話は変わって第三の街ははっきり言ってしまうと城下町だった。街の奥には立派なお城が見える。江戸城かな?そう思わせるくらい壮大で立派なお城だった。お城があるってことは殿様もいるのかと思ったが詳細はまだ分からないらしい。会話の中にはそう言う話がちらほら出てくるらしいが、実際に会ったプレイヤーはおらず、当然、城の中に入ったプレイヤーもいないんだとか。
その内イベントが起こるだろう、というのがラングの談。何かを期待した眼で俺を見ている気がするが気のせいだろう。
それは置いといて、この街はこの国で一番大きな街であり、各ギルドが密集した場所でもあるらしい。そしてここからさらに南に向かった所に鉱山がある。そんな場所のせいか大変多くの人で賑わっている。プレイヤーも数多くいた。
「それじゃあ一旦解散だな。俺は各ギルドをまわって見る。」
「私は【弓士】に行ってみるわ。」
「それなら私は【槍士ギルド】ですね。」
俺、アテナ、アルマに関してはカンストしたクラスやスキルがあるため、次のクラスかスキルを取得できるかを確認しに行く必要があった。
「それならアーニャはこの街の食材を探してみるです!」
アーニャに関しては【盾士】になったばかりなのでギルドより食材を優先するらしい。
というわけで俺たちはそれぞれ行動を開始した。ちなみに【眷属】たちはそれぞれの主についていった。
なのでアーテルは俺の頭の上でまったりしている。・・・そこが定位置になってしまったのか?
===移動===>【剣士ギルド】
「いらっしゃいませ!こんにちは!本日はどのようなご用件でしょうか?」
どこのギルドの受付嬢も元気があって笑顔がまぶしいね。そして頭のアーテルを華麗にスルーするとは。
「新しいクラスとスキルを取得できるかどうか確認に来ました。」
「はい、それではアバターカードをお預かりしますね!・・・はい確認しました。
アルクさんは【剣士】のクラスレベルが最大になりましたので新たなクラス 【中級剣士】が選択可能になりました。
さらに【剣術】 のスキルレベルが最大ですので【大剣士】【双剣士】のクラスが選択可能になりました。
また、SPを消費して【剣術】スキルを【中級剣術】に進化可能になりました。」
おお、クラスが一気に増えた!
「さらにさらに、【大剣士】【双剣士】のクラスが解放されましたので【大剣術】【双剣術】の【技術巻物】を差し上げます。」
「あれ?クエストは良いんですか?」
たしか【剣術】の【技術巻物】はクエストをクリアして取得したはずだったけど。
「はい!クラスを解放した時点で資格は十分にあるという判断ですので。」
そう言うことなら貰っておこう。
「最後にもう一つ、アルクさんは【体術】のレベルも最大になりますので特殊クラス【剣闘士】のクラス解放試験を受ける事が出来ます。」
「【剣闘士】?」
「その名の通り剣と体術の両方を扱うクラスです。クエストはこのギルドの地下にある訓練所で当ギルドの職員との模擬戦になります。」
クラスクエスト【剣闘士解放試験】
指定人物から合格を貰う
クリア報酬:【剣闘術】
ふむ、ここまできて受けない理由はないよな。
「ではそのクエストを受けます。」
『クラスクエスト【剣闘士解放試験】を受注しました。』
「はい、では早速そちらの扉から地下へどうぞ。すぐに係の者が向かいますので。」
受付さんの指示に従い、地下へと降りる。【剣士ギルド】の職員なら強いだろうと期待を込めて。
地下の訓練場はまるっきり道場だった。土足で入っていいものかどうか悩んでいるとすぐ背後から声をかけられた。
「やあ、お待たせしてしまったかな?」
そこにいたのは20代後半くらいの爽やかな青年といった感じの人間だった。黒髪黒目の純日本人の顔立ち。身長は同じくらいで細身だが締まった体をしているのがわかる。
「遠慮しないで中へどうぞ。あ、靴は履いたままでいいからね?あとその頭の上の不思議な生き物は入り口の所に置いておいてね?」
どうやら土足OKらしい。神聖な道場じゃないのか、と思ったがゲームの中なので気にしない事にした。そもそも汚れる事無いしな。良い子はゲームと現実を混同しちゃだめだぞ。
「アーテル、ここで待っててくれ。」
「クルルー!」
行儀良くお座り?している。かしこかわいい。そして頑張って!と応援されたような気がする。俺はアーテルの頭を撫でてやると道場の中に入っていった。
「えーっとアルクくん、だったね?」
「はい、宜しくお願いします。」
柔らかな物腰ととぼけた口調だったが隙の無い身のこなしだ。これだけでも十分強いのがわかる。
「うん、よろしく。僕はヤマトタケル。ヤマトと呼んで欲しい。一応ここのギルドのギルドマスターをやってる。」
・・・
「今なんと?」
「ここのギルドマスターだよ?」
「それもですが、その前です。」
「僕の名前はヤマトタケル、ヤマトと呼んで欲しいな。」
ヤマト・・・ヤマトタケル!?
ヤマトタケルといえばあの・・・以下省略、気になる人は各自で調べよう・・・な人じゃないか!?
あ、第二の街で言ってた達人ってこの人!?
「うーん、僕の名前を聞いた冒険者は大抵そうやって驚くんだよね。何でだろう?」
それは貴方が伝説の人物だからです。貴方の話が後世に語り継がれているからです。
そう言ってやりたい。言ってやりたいが・・・ここはゲームの世界。名前がそうだからってすべてが同じとは限らない。きっと開発者が何らかの意図を持って作ったキャラに違いない。
「・・・いえ、似たような名前の有名人がいたので少し驚いただけです。」
「ふーん?そうなんだ?まあ、それはいいとして試験を始めよう。」
そう言うとヤマトさんは持っていた二本の竹刀のうち一本を俺に投げた。
「ルールは簡単、その竹刀で僕から一本取ったら合格。もし一本取れなくっても僕がOKを出せば合格だ。」
「一本取れなくてもいいんですか?」
「そうだね。強さ、という意味では試験を受ける時点で十分だからこの試験で見るのはスキル、【剣術】と【体術】がちゃんと身になっている事を確認するためのものなんだよ。さあ、いつでも来ていいよ?」
そういてヤマトさんはその場で正眼に構えたまま動かない。俺が動くのを待っているようだ。
「・・・始めの合図とかないんですか?」
「実戦にはそんな物は無いからね。あったとしても大して変わらないよ。」
口調は相変らず柔らかだが隙無く構えている。試しに【看破】を使ってみたが弾かれた。試験だからかなのか、相手のレベルが相当上なのか・・・多分後者だろうな。
長期戦は不利だな。それにこれは実戦だとも言っている。なら・・・
「・・・!?」
俺は竹刀を構えることなくツカツカツカとヤマトさんに歩み寄った。まるで友達を見つけて歩み寄っていくように。
あと3歩、2歩、1歩、・・・
「ッ!!」
ヤマトさんは油断することなく間合いに入った俺に切りかかってきた。大きく腕を振り下ろす一撃。例え竹刀だったとしても真っ二つになりそうな鋭い一撃。
「・・・【縮地】」
その一撃が俺の脳天に振り下ろされようとする刹那、一瞬だけ加速するスキル【縮地】で半歩だけ体ごと横に逸れる。しかしそれを予測していたのであろう、避けた先の俺を追いかけるように軌道修正した竹刀が俺の脳天に再び迫ってくる。しかしそれも俺の予測どおりだ。
「・・・【スピードスラッシュ】」
その竹刀を避けるように半歩後ろにずれる。【スピードスラッシュ】は本来スピード重視に剣を振る技だ。しかしその時、わずかながら体全体のスピードも向上する。つまり【縮地】ほどではないがさらに加速した状態になる事ができる。目の前のギリギリの所を振り下ろされる竹刀を見送ると自分の持っていた竹刀をそっと相手の喉元に突きつけた。
「・・・判定は?」
「・・・参った。合格だよ。」
こうして俺の試験は静かに、そして一瞬で決まった。
「クールルー♪」
興奮しているのか、アーテルが飛び掛ってきた。俺の顔に。前が見えないから退いてくれませんかね。
「いやーすごいね、君!殺気の消し方、静から動への瞬発力、正確無比な体運び、スキル使用の絶妙なタイミング、そして何より不動の精神力!!単純明快なカウンターだけに君の実力がよく分かった!!」
なんか良く分からんが褒めて下さっておる。アーテルを俺の頭に移動させつつ答える。
「ヤマトさんこそさすがですね。微塵も動揺も油断もしないなんて。」
「奇策を練ろうとする輩は結構いるよ?魔法を使ったりとかね。でもあんな分かりやすい手でやられるとは思わなかった!正々堂々と力技で裏をかくとはね!!」
そう、ヤマトさんは俺がやろうとしたことを読んだ上で乗ってきた。ヤマトさんは俺に避けきれないスピードでの一撃を。俺は隙ができたヤマトさんに一撃を。スキルの効果でギリギリ勝てただけだ。なんせヤマトさんはスキルを使っていないのだから。単純な実力では圧倒的に負けてるな。
「アルクくん、君は文句なしに合格だよ。」
『クラスクエスト【剣闘士解放試験】をクリアしました。』




