装備を新調するために
さて色々有意義な時間を過ごす事ができたと思うが最期に話す事がもう一つある。
「それで、だ。ガット。装備の新調の話だ。」
アーテルを腕に抱き、猫のように頭をなでながらガットに相談する。ヴィオレはアーニャに料理と引き換えに服を作ろうとか何とか言ってるが、そっちはそっちでやってくれ。
「うむ、随分と早いが、今の装備ではもう追いつかなくなったか。」
「ああ、っとその前に装備代、アテナとアルマの分も含めて150万Gのツケ、今返すぞ。」
ほとんどすっかり忘れていたが今の装備は全てゲームを始めたばかりの俺たちにツケでくれた物だったのだ。さすがにこれを返さずに新調もクソもないだろう。最初に聞いたときは大金だったが、これまでのクエストの達成金や
「おお!!そういえばそうじゃったのう!!わしもすっかり忘れとったわい!ガッハッハッハッ。」
お前も忘れてたのかよ。このまま踏み倒せばよかったか。いやそれは俺の中の正義の心(笑)が許さないな。
「んで、ぶっちゃけ聞くがどうすれば良い?」
「ぶっちゃけ過ぎじゃ!なんか方針とかないのかのう?」
方針か。・・・そんなの決まってるだろう。
「最強装備をくれ。」
「真面目に考えろ。」
やだなーガットさん。キャラが崩れてますよ。
「意外と真面目だぞ。中途半端な装備だとすぐに買い換える事になるし、出来るなら今手に入る一番が欲しいと思うのは当然だろ?レベルがカンストしてない今の俺じゃあ最強装備はさすがに言いすぎだけど、それに近いものじゃないとあっと言う間にアーテルに追い抜かれそうだしな。」
「クールルー?」
俺の腕の中で愛らしく鳴くアーテル。だが☆13の卵から孵化したアーテルの潜在能力は半端ないと思うんだ。主としては情けない所は見せたくないよね。うん。
「・・・ふむ、話は分かった。それなら本格的にオーダーメイドの依頼として引き受けよう。ついでにお嬢ちゃんたちも呼べ、まとめて面倒見てやるわい。」
「フッ、恩に着る。おーい、アテナ、アルマ、アーニャ!!ちょっと話がある!!」
「ヴィオレ!お主も加わってくれい!!」
と、女性陣(【眷属】付き)とおまけのラング、ロゼさんを加えて話しを進める。って結局全員じゃねぇか。
「・・・そうかい。それならまずアンタ達に作ってやった戦闘服をアバター装備じゃなく防具用の物として作り直してやろうかねぇ。防具としてなら効果も期待できるし、その上に鎧を着たらさらに効果を上乗せする事ができるよ!」
・・・え?そんな事ができるんだったら何で最初からやってくれなかったですかい?
「今のアンタ達なら素材をそろえる事もできるだろうし、必要ステータスも満たしているだろうしねぇ。」
あ、すいません。俺たちに気を使ってくれてたんですね。調子こいて本当にすいません。
「ふむ、次はワシじゃな。素材に関しては後でまとめて伝えるとしてまずは欲しい武器と防具を言うてみい。」
ということで順番に欲しい物を言っていく。まずはアーニャから。
「戦闘服はお揃いのものが欲しいです。防具は鎧だとアーニャには重いのでローブなんかが良いです。武器は盾が良いです。攻撃系がからっきしなのでせめて自分の身が守れるようにしたいのです。あ、ブランちゃんやノワールちゃんをサポートできる装備があったら、それが良いです。」
アーニャに関しては自身で戦うよりブランやノワールの援護のほうを優先するようだ。まあ、アーニャ自身そのようにステータスを振り分けていたみたいだから当然といえば当然の選択か。
「私は魔法系のクラスに絞ると決めたので、武器は魔法の杖を。一応護身として槍も考えていますが、そちらについては現状の物で大丈夫だとは思います。防具に関しては物理防御力が低いのでそれを補える軽鎧がいいですね。」
アルマは魔法使いを極めるようだ。ただ、魔法が効かない相手もいるみたいだから護身武器も考えておる模様。軽鎧については意外だったな。魔法使いらしくローブかなんかだと思ったけど理由を聞けば納得だ。
「私は遠距離メインにするから武器は弓で!サブとして近距離用の刀を考えてるわ!防具は私も軽鎧が良いわね。物理と魔法、同じぐらいの防御力が欲しいかしら。」
アテナは浄化や回復もできるが回復役に専念するのではなく、遠距離戦がメインの戦闘職にするようだ。新しい魔法も覚えたようだし、頼りになるね。
そして最後に俺だが・・・
「武器は大剣1本に、拳銃2丁、片手剣2本、槍1本、斧2つ、刀1本、盾1個、ナックル1組、防具は物理防御の鎧が1つ、魔法防御の鎧が1つ、両方備えた鎧が1つ、スピード重視の軽鎧が1つ。」
「「「「・・・」」」」
「真面目に考えろと言ったじゃろうが!」
失敬だな。言ってみろと言われたから言ったのに。
「落ち着けガット。俺は割りと本気だぞ。ただ全部そろえるのにどんだけの素材と値段がかかるか知りたかっただけさ。俺だっていきなり全部揃えられるなんて思ってない。本命は大剣と物理・魔法防御の鎧だよ。」
ふぅ、とため息を漏らすガット。いや、いくら俺でも一度に全部なんて言わないからね?
「まあ、ガットが焦るのも無理ないよアルク。そんなに集めてどうする気だい?」
何故か参加しているラングの奴が口出ししてきた。何でいるのか疑問だが後で素材の場所を聞かなければいけないので口には出さないでおく。
「どうするって言われてもな。使うに決まってるだろ?せっかく【武装換装】があるんだから状況に応じて切り替えられるようにな。目標は武芸百般。」
変身ヒーローみたい、とは思わなくも無い。
「言いたいことは分かるけど、贅沢すぎで欲張り過ぎ。」
その自覚はある。
「だからまずは最大限の要求をして、徐々にハードルを下げるという高等な交渉テクニックじゃないか。」
「なんだか詐欺師みたいですね。」
アルマさん、それを言っちゃあいけませんぜ。
「・・・ふむ、まあ、言いたい事は大体分かったわい。それでじゃ素材なんじゃが・・・。」
そう言うとガットは紙とペンを取り出してさらさらと何かを書き出していく。書き終わるとその紙とペンをヴィオレに渡し、さらに何かを書き足した後、その紙を俺たちに配った。
俺が貰った紙に書かれていたのは、
大剣・鎧の素材
・ミスリル鉱石 × 10
・ウルタイト鉱石 × 40
・マナタイト鉱石 × 40
・Lv30以上のモンスターの牙/爪 × 30
・Lv30以上のモンスターの魔石 × 30
戦闘服の素材
・グランドカイコの糸 × 20
・クラウドシープの羊毛 × 20
・グレートトレントの綿 × 20
それ以外の素材
・ミスリル鉱石 × 50
・ウルタイト鉱石 × 2000
・マナタイト鉱石 × 2000
・Lv30以上のモンスターの牙/爪 × 1500
・Lv30以上のモンスターの魔石 × 1500
ふむ、どうやら結構な数が必要なようだ。特に最後。そしてここできたよミスリル。ファンタジー定番の素材だな。他の3人の素材も見せてもらったがほぼ一緒だった。数は違うが。
「値段は一律100万Gじゃが素材を余分に持ってくれば値引きするぞい。」
割引もしてくれるそうだ。至れり尽くせりだな。
「ああ、それと悪いがアルクよ。銃に関しては今以上の物は造れんので素材には含めておらんぞ。」
「・・・なに?そうなのか?」
「うむ。元々銃に関しては【鍛冶】スキル以外にも【機工】というスキルが必要なんじゃ。現状ではほどほどの品質の拳銃しか造れないんじゃ。今以上の物が欲しければ【機甲界】へ行け。」
・・・ふむ、造れないのなら仕方が無い。それにしても・・・
「【機甲界】か。」
確か科学と機械が発展したSF世界だったな。確かに銃はこの世界に属した武器かもしれない。
「【機甲界】には銃以外にも様々な【兵器】があるからいろいろ探してみたらいいんじゃないかな。・・・それにとっておきもあるしね。」
ラングの奴が補足するが・・・とっておき?気にはなるがラングの奴は話す気はないみたいだ。行ってからのお楽しみ、か。
なので話を変えて素材の入手場所を聞いてみる。
「戦闘服の素材はすべてドロップ品だね。グランドカイコとグレートトレントは【幻獣界】のエリア3の森の奥、クラウドシープは草原にいるね。
ウルタイト鉱石は【武術界】の第3の街近くにある鉱山ダンジョンで【採掘】できる。マナタイト鉱石は【魔法界】の第3の街近くにある鉱山ダンジョンで同じく【採掘】。魔石と牙、爪は説明は要らないだろ?
問題はミスリル鉱石なんだよね。」
問題?まだ行った事が無い世界にあるとか?
「ミスリル鉱石があるのは・・・【人間界】にある海底神殿ダンジョンなんだ。」
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