【眷属】たち
===移動===>【アークガルド】クランホーム
我らが【ホーム】に戻ってきた。早速【眷属】をとも思ったがさすがに今日は(主に俺が)疲れに疲れたのでアーニャたちに部屋をあてがってから、続きはまた明日ということになった。
どうでもいいがアーニャが、念願のおうちなのです!と言った時は涙が出そうになった。冒険も【ホーム】の購入も計画的に。
===ログアウト===>お疲れ様でした
んで翌日。
===ログイン===>【アークガルド】クランホーム
はい、おはようこんにちこんばんは。いやー、日を跨いだはずなのに一瞬しか過ぎてない気がするな(笑)
まあ、それは置いといて他の連中はまだログインしていないみたいだ。
ん?メールが来てるな。ラングとガットからだ。イベントに参加し終わったから【ホーム】に招待してくれ、とのことらしい。ロゼさんとヴィオレも一緒に招待して欲しいとあるな。アテナたち(アーニャも含む)には【インフォガルド】と【アイゼンガルド】のメンバー(全員ではない)を招待することは了承してもらっているから構わないだろう。
4人に招待メールを送っておく。クランメンバー以外の招待客が他所の【クランホーム】に入る場合、クランメンバーの誰かが中にいないと入る事が出来ないらしい。一応、防犯のためという事らしいがこのゲームの中で果たして必要なのだろうか?まあ、いくら知り合いとはいえ知らないうちに家の中に入り込まれていたら気分が良くないからな。そう思うことにしよう。
今日は【ホーム】でやる事があるから誰かしらはいるだろう。さて誰か来るまで・・・おっとそういえば一昨日買ったホームオブジェクトを設置していなかった。自分の部屋だけで満足してしまっていたのだ。時間もあるし設置しておこう。
というわけで中庭に移動し噴水を設置。噴水といっても派手に水が広がるような物ではなく、円状に並べられたレンガでできた浅いプールと中央部分にてっ辺から水が流れる塔のような物がある形の物だ。
【メニュー】の【ホーム】の項目から設置を選択すると塔のてっ辺から静かに水が流れだし、レンガのプールの半分くらいまで水が溜まる。どうやらこれがこの噴水のデフォの状態のようだ。・・・この流れている水はどこから来てどこに消えていくのか謎だが気にしない事にする。だってここはゲームの世界だから!
ついでに買っておいたベンチをいくつか配置し、その内の一つ座って中庭を見る。中々風情が・・・いや、そんなでもないか。噴水以外何もない地面むき出しだからな。芝生とか観賞用の木とかも設置すべきか。まあ、そこらへんはセンスがある人に任せよう。・・・うちのクランにいるかどうかはわからんが。
「わあ!噴水なのです!!」
「キュイイ!」
「素敵ですね。」
「大きい物の設置は相談って言ってなかったっけ?」
どうやら女性陣たちが来たようだ。あれ?このクラン、男が俺しかいなくね?いやいやブランが・・・アイツ雄なのか?雌なのか?疑問に思ったが噴水プールに突っ込むブランが大変愛らしいのでどうでもよくなった。アテナの最後の疑問は無視する。
「やあ、中々良い【ホーム】だね。」
「うむ、来てやったぞい。」
「お招きありがとうございます。」
「おや?知らない顔がいるね?」
ラング、ガット、ロゼさん、ヴィオレもやってきた。・・・図ったようにみんな来たけど偶然だよな?俺だけはぶられてたわけじゃないよな?
なんて俺の心の葛藤を他所に皆思い思いに自己紹介を始めていた。俺?俺は皆知ってるから優雅にコーラを飲んでたよ?
「ドラゴンを【眷属】にした子を仲間にするなんてやるじゃないか。」
紹介が済んだのだろうラングが話しかけてくる。
「そうだろうそうだろう。是非あのドラゴンの情報を買ってやってくれ。」
「・・・なんでハンカチを目元に当ててるんだい?」
「いや、あの子、昨日まで家なき子で・・・。」
その言葉で察したのだろうラングは小声でわかった、とだけ呟いた。
当のアーニャはヴィオレにアバター装備の戦闘服を作ってもらう相談をしてる。いつの間にか【アークガルド】の制服みたいになってるな。
「おうそうだガット、大剣と鎧の損傷度が100%になってたんだ。修理するか新調するか悩んでるんだが・・・」
丁度挨拶を終えたガットが来たので昨日の魔龍ペガサス戦でボロボロになった大剣と鎧について相談する。
「なに?お主にやった装備はそれなりに頑丈な物だったはずじゃぞ?手入れはしっかりせんかい。」
ガットが若干怒り気味だ。まあ、自分が作った物を粗末に扱われたら怒るのは当然だけどな。
「馬鹿を言うな。ちゃんと戦いの前に【リペア】で修復はしてたさ。ただ昨日は強烈な奴に当たってな。たった一回の戦いでこうなっちまった。」
だから俺は悪くない、こともないか。
「なんじゃと・・・。お主一体何と戦ったんじゃい。」
「へぇ、それは僕も興味があるね。」
二人がせがむので昨日あったことを話してやった。
「レアモンエリアのさらに奥があるなんて新情報だねぇ。」
「ふむ、もうお主のレベルに装備が追いついてこなくなったか。とりあえず大剣と鎧を貸せ。とりあえずそっちはすぐに直してやる。」
同じ話を聞かせてやったのに何故か二人の感想が違った。とりあえずガットはさすが頼りになるぜ。装備の新調の相談は後にして今日のメインイベントを始めよう。
「さてそろそろ俺たちの【眷属】のお披露目といこうじゃないか。」
いつの間にかテーブルとイスを出して優雅に紅茶をすすっていた女性陣に話し掛ける。
「そうですね、誰からにします?」
「それじゃあ新参のアーニャからいきますです。」
「キュイー!!」
一番手はアーニャからか。丁度良い。【幻獣の卵】の孵化のやり方を見せてもらおう。あとブラン、何故君はロゼさんに抱かれているのかね?
俺の疑問を他所にアーニャは【幻獣の卵】をテーブルの上に置く。ラングの奴が、これがドラゴンの卵!?と珍しく興奮していたが放っておく。
みんなの視線が集まる中、アーニャが卵にペタッと両手をくっつけると魔力と霊力を流し始めた。ある程度流し終えた所で卵が光だし、同時にヒビが入る。それでも魔力と霊力を流し続けると光が増し、ヒビ割れが大きくなる。そして・・・
「キュアー!!」
光と卵が弾け、産まれた。大きさはブランと同じ50センチほどだが、黒く蛇のように長い体に細い手足の付いたドラゴンがそこにいた。・・・しかしブランを見ても思ったがデフォルメされたヌイグルミのような可愛らしさがあるな。【成体化】すれば昨日見た魔龍みたいになるんだろうか?
「やったのです!成功したのです!貴方の名前はノワールちゃんなのです!!」
「キュア!!」
元気良く声を上げる黒いミニドラゴン、もといノワール。所で今ふと思ったのだがブランとの相性はどうなのだろうか?白と黒で属性が反対のようだし仲良くやっていけるのだろうか?
「キュイ!」
「キュア?」
「キュイキュイ!」
「キュアア♪」
・・・ノワールがブランの顔に自分の顔を寄せてすりすりしている。話している内容はまったくわからんが仲良くやっていけそうだ。あと女性陣、キャーキャーうるさい。アテナやアルマはともかくロゼさんやヴィオレまで、良いですね、アタイも欲しくなってきた、とか言い出してる始末。
「じゃあ、次はお「私!次は私がやるわ!!」・・・どうぞ。」
ぬう、恐るべき気迫のアテナ。思わず譲ってしまった。・・・そんなに早く自分の【眷属】が見たいのか。
アテナがアーニャと同じようにテーブルの上に卵を置き、魔力と霊力を流し込んでいく。ラングの奴が、これが金獅子の・・・とか何とか言っていたが無視だ。
そして産まれたのが、
「がーお。」
ライオンっぽい叫び声なのだがなんとも幼い声の子ライオンがそこにいた。大きさはやはり50センチほどの猫のような見てくれだが黄金の毛並みと立派?なタテガミをしてた。そしてこの子もヌイグルミのように愛らしい。
「きゃー!かわいい!」
「がお?」
「貴方の名前はレオーネよ!宜しくね!」
「がおー♪」
アテナにギューっと抱かれている子ライオン、もといレオーネが嬉しそうに鳴いた。こっちも問題なしだな。ちょっとアテナのテンションが高いが。
「それじゃあ今度こそお「・・・」・・・いえ何でもありません。」
俺はアルマさんの無言の視線に屈した。
「それでは次は私がいきますね。」
そう言って何事も無かったかのようにテーブルに卵を置き、魔力と霊力を流し込むアルマ。ラングの奴が、これが不死鳥の以下略。
そして産まれたのが、
「ピピー!」
雛鳥のような声を上げたのはやはり50センチほどのオレンジの体毛をした鳥だった。前2種と違ってこのサイズだと小鳥ではなく大きめの鳥サイズだがやはりヌイグルミのような愛らしさで圧迫感は無い。
「フフフ、かわいい。貴方の名前はフィオレ、です。」
「ピピー♪」
魔族なのに聖母のような微笑みで頭をなでるアルマと、それを喜んで受け入れる鳥、もといフィオレ。こちらの関係も良好のようだ。
あと昨日から思っていたがアルマは動物全般が好きだけど、アテナはその中でも可愛いものが好きらしいな。それぞれでテンションの上がり方が、ね。微笑ましいというべきか、うざ・・・いえ何でもありません。
よし、今度こそ俺の番だ。




