ウニャー!
===移動中===>エリア1 【転移装置】
「【転移装置】接続完了、と。これでいつでも来れるな。」
===移動中===>エリア2 【転移装置】
「ここでも完了、っと。」
===移動中===>エリア3 【転移装置】
「ほい、終了。ご苦労さん、えーと、コロッサス?」
巨大鳥は大きく叫び声を上げると光の中に消えていった。
「さて、これでエリア1、2、3に来れるようになったけどどうする?エリア1から順に回ってみましょうか?」
「早く行きましょう!!」
二人とも待ちきれないようだ。特にアルマ。
「うーん、俺はエリア3から回ってみるよ。元々戦闘ができる【眷族】が欲しかったし、どうせなら強くてレアな【眷属】が欲しいからな。もっとも気に入る奴がいなかったら別のエリアに行くけど。」
「それもそうね。私としても火力を補ってくれる【眷族】が欲しいし、私もそうするわ。」
「私もです。私は強さもそうですが機動力がある【眷属】が欲しいですね。」
良かった。二人ともちゃんと考えてたのね。てっきりかわいい奴ばっかりを集めるのかと思ったよ。
「よし、じゃあ「ウニャーーー!!」・・・なんだ?」
悲鳴?のほうを見ると何かが土煙を上げながら近づいてきた。
「んんー?・・・大変!!小さい女の子がモンスターに追いかけられているわ!」
よく見ると確かに小さい女の子が何かを抱えながらデッカイ犀のモンスターに追いかけられていた。
「助けましょう!!」
「リョーカイ。」
一応あの子もプレイヤーみたいだから倒されても死に戻るだけなんだが、明らかに困ってるみたいだしな。俺たちは一斉に武器を取り出し、犀のモンスターに向かっていった。
・・・
「うう、助かったのですぅ。」
「キュイー。」
・・・キュイー?よく見ると女の子が抱えていたのは・・・
「ドラゴン?」
そう爬虫類を思わせる鱗に、鋭い爪の付いた手足に、恐竜のような頭。大分デフォルメされているような気がするがそこにいたのは、50センチほどの小型だが真っ白のドラゴンだった。
「あ!失礼したです。アーニャはアーニャと言いますです。この子はブランちゃんです。」
「キュイ!」
よろしく!とでも言うかのように声と右手を上げるミニドラゴン。もといブラン、だっけ?
「私はアテナよ。」「アルマです。」
「俺はアルクだ。君はハーフリング・・・か?」
「そうなのです。」
その女の子は中学生、小学生でも通用するかのように背が低く、幼い印象を受ける。ピンク色の髪の毛と愛らしい笑顔が余計に子供っぽく見える。・・・その喋り方が地なのかロールプレイの一環なのかは定かではない。
それにしてもハーフリングか。ファンタジー系の話には良く出てくるけど、背が低い事とドワーフのように人間に近い種族という事ぐらいしか知らないな。体格的に戦闘には不向きだってことで戦闘メインのプレイヤーからは人気がないとは聞いた事があったけど。このエリアにいるってことは少なくとも種族レベルは俺たちとそう変わらないって事だよな。
「あの宜しかったらHPポーションを譲って欲しいのです。勿論、料金はお支払いするのです。」
おっと、よく見ると二人とも(正確には一人と一匹)はあちこち怪我をしていた。どうやら回復アイテムが尽きたから【転移装置】まで逃げてきたらしい。・・・アレ?もしかして俺たちが助けるまでも無かった?むしろ邪魔を・・・いやいやそんな事はないだろう。お礼も言われたし。
それはそれとして持っていたポーションを二つあげることにした。料金は受け取らない。別にやましいことがあるわけではなく単に安物しか持っていなかったからだ。
「ありがとうございますです。さあ、ブランちゃん。」
「キュイィイ。」
・・・へぇ。自分より先に(多分)眷属を回復させてあげるとは・・・主の鑑ですな。それはそうと気になっている事があるんだが。
「なあ、一つ聞きたいんだが、そのドラゴンってこのエリアで出現するモンスターなのか?あ、答えられない情報なら無理には聞かないけど。」
もしかしたら【インフォガルド】あたりで買い取った情報かもしれないからな。もしそうなら俺も後で買いに行くけど。先に聞きに行けばよかったんじゃないかって?先に聞いてたら楽しみが減るだろ?
「この子ですか?この子はマーケットで買い取った【幻獣の卵】から産まれた子なのです。なのでこの子の種族がどこに生息しているのかはわからないのです・・・。」
どうやら偶然手に入れたドラゴンだったようだ。運が良いな。俺もマーケットをチェックすべきか。
「キュイイ?」
ミニドラゴンのブランが可愛らしく首を傾げている。うむ、ヌイグルミのような可愛らしさを残しつつ生き物のリアルな感じを融合させた見事な生物だ。アルマが先ほどからヤバイ目で凝視している。クオリティ高いなこのゲーム。
「マーケットで見たときは種族が???だったので何が産まれるかわからなかったですが、ドラゴンが産まれたので驚きだったです!」
「キュウイ!」
えっへん!という感じだろうか。ブラン君が胸を張っている。ように見える。というかそんな怪しい卵を買って孵化させたことに驚きなんだが。・・・相当に運がいいな、この子。
「そうだったのか。おっと、引き止めて悪かったな。俺たちは先に進むけど君達はどうする?」
「アーニャたちは一旦戻るのです。アイテムが底を尽いてしまったので無理はできないのです。」
ああ、やっぱりな。それは仕方が無い。俺たちだって他人事じゃないよな。気をつけないと。・・・欲を言えばあのブランってドラゴンがどのくらい強いのか見てみたかったが、それはさすがに図々しいか。
「わかった、それじゃあな。」「バイバーイ!」「気をつけてね。」
「はい、なのです。今度会ったら改めてお礼をするのです。それでは、なのです。」
「キュイイ!!」
二人は【転移装置】の中へと消えていった。
「さて、俺たちも【眷属】探しを始めるわけだが、上空から見た限りこの大陸ってとんでもない広さだったよな。」
「ええ、ここからでもわかるわ。目の前には深い森、右手にはどこまでも続く草原。」
「左手には岩山が続いてますね。裏手の海の中にもモンスターがいると思います。」
さらに言えば上空からは湖や雪山まで見る事ができた。多分色んな環境が詰め込まれてるんだろう。この広大な大陸に。これでも数あるエリアの一つって言うんだから笑えない。
「となると、」「ここは、」「手分けしたほうがよさそうですね。」
というわけであっさりばっさりざっくり適当に方針を決めた俺たちは、
「私は草原のほうに行くわ。」「それでは私は岩山のほうに行きますね。」
「じゃあ、俺は森だな。」
三方に分かれて捜索を始めた。
===移動中===>エリア3 ドライフォレスト
「熱烈な歓迎だな。」
森に入って暫く進むとデッカイ虫やら猿やら猪やらのモンスターに襲われていた。【鉄の長剣】と【鉄の拳銃】で倒していたが、レベル帯が30前後ということもあって中々に手ごわかった。
レベルはどんどん上がっていくのだが、探索という意味では失敗だったかも知れない。実際問題、一時間近く森の中を進んでいるが、距離的に言えば数キロ程度しか進んでいないだろう。もっとレベルが低ければサクサク進めたんだろうが今更嘆いても仕方が無い。苦労の末に手に入れた【眷属】の方がきっと頼りになるに違いない!という思いを胸に先へ進む。
さらに一時間ほど(苦労して)進んだ所で森が開けた場所に出た。湖、いや池か。それほど大きくない水場だったがせっかくなので少し休む事にした。・・・池の中からザリガニらしきモンスターがワシャワシャ出てきたので撃退に苦労した。
何とかすべて撃退し、静寂を取り戻した所で一息ついた。買っておいた(キンキンに冷えた)コーラを飲みながら一服する。
ふー、モンスターが徘徊する危険な森とはいえ大自然に囲まれてゆったり過ごすのも悪くは無い。目の前の池も飲み水に出来るんじゃないかっていうくらい綺麗に透き通ってるし。不自然?良いんだよ。ここはゲームの中なんだから!
ま、まあとにかく偶にはこうして一人でまったり過ごすのも悪くない。モンスターはいるけど。
「あー!!見つけたです!!」
「キュイー!!」
・・・どうやらモンスター以外もいたようだ。
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