ペットを飼うときは責任を持って面倒を見ましょう
===移動中===>エリア0 フリーフィールド
「移動ってもギルドの建物以外はそのまんまフリーフィールドなんだよな。」
「もこもこさんに、ねこさんにいぬさん、うさぎさんにお猿さんにリスさん、ああ!ちっさいくまさんにパンダさんまで・・・ここは天国です!!」
落ち着いてくださいアルマさん。とは言えない俺。なぜなら、あっち行ったりこっち行ったり暴走しているアルマさんの耳には絶対届かないだろうからな。
アテナは最初のもこもこさんが気に入ったのかずっと抱きしめたままだが、アルマに関しては・・・片っ端から【眷属】にしていきそうな勢いだ。
まあ、気持ちはわからんでもない。実際のところ、サファリパークのように動物、もといモンスターが溢れかえっている。象にキリン、ライオンまで見える。Lv.0のせいなのか襲ってくる素振りも見せない。動物好きにはたまらない状況だろう。
「アルクさん!アルクさん!」
アルマさんが輝く笑顔で話しかけてきた。君、キャラ変わってない?
「駄目。」
「・・・まだ何も言ってませんよ。」
「何を言おうとしたかは知らんが、世話しきれないぐらいの動物、じゃなかったモンスターを連れ帰るのは駄目。」
「うう。」
図星らしい。
「ムツ○ロウ王国を作りたいなら止めはしないがせめて一匹か二匹くらいから始めてくれないか?面倒見切れないから手放すなんて許さんぞ。」
「・・・そうですね。この子たちも無理に連れ帰るよりここで暮らしていたほうが幸せですよね。」
そんな切なそうな顔されても。感情移入しすぎじゃないだろうか。
「ふぅ。会いたくなったら会いに来れるんだから、今は目的を果たそうぜ。」
「・・・はい!そうですよね!」
「・・・そこでもこもこさんで遊んでるアテナ、お前もだぞ。」
「・・・ハッ!わ、わかってるわよ!」
いや絶対わかって無かったよお前も。その手に持ってるもこもこさんは逃がすか卵にするかしなさい。
===移動中===>【眷属ギルド】
「はい、クエスト達成です。それではこちらが【テイム】の【技術巻物】になります。」
『【眷属クエスト 眷属ギルド入会試験】をクリアしました。』
【技術巻物】を使ってサクッとスキルを覚えておく。
「それでは説明の続きに移ります。【幻獣界】では各大陸及びその近海をエリア毎に区別しております。エリア0ではLv.0のモンスターが出現しますが、エリア1ではLv.10前後、エリア2ではLv.20前後、エリア3ではLv.30前後のモンスターが出現します。数値が高いほどより強力でレアなモンスターが出現します。」
それなら俺たちのレベルから考えるとエリア3辺りが妥当か?いやここはステップをふむ意味でもエリア1から行くべきか?
「もちろん、【眷属】目的だけでなく経験値やドロップ品目的に訪れる方も大勢いますよ。なにせ【幻獣界】にはあらゆる世界のモンスターが出現しますから!」
つまりレベリングや特定のモンスター目的なら【幻獣界】が最適、ってことかな。
「【眷属】の入手については以上ですね。頑張ってお気に入りのモンスターを探し出して【眷属】にしてみて下さい。続いて【眷属】の育成についてですね。」
【眷属】を手に入れてからの説明か。
「【眷属】にはクラスは存在しませんが、種族レベルとスキルレベルが存在します。これらはプレイヤーと同様に経験値の入手で上昇します。【眷属】を戦闘に参加させる場合、パーティ枠を一つ消費します。つまりプレイヤーが一人の場合、最大5体まで【眷属】を連れて戦闘する事ができます。」
ふむふむ、普通にプレイヤーと同じ扱いと考えていいだろうか。
「【育成士】クラスでは【眷属】の入手できる経験値が増加するほか、【眷属】をサポートするスキルや、【眷属】を自由に呼び出せる【眷属召喚】を取得できます。なので6体以上の【眷属】がいる場合は【眷属】を入れ替えながら戦闘を行う事も可能というわけですね。もちろんLPを消費するので何回でも、というわけではありませんが。」
いつでも呼び出せるのは便利だな。
「また、【眷属】はプレイヤーと同様に食事をさせることでバフ効果も与えることができ、好物の食べ物を与えると好感度も上昇し、より主人の役に立とうとしてくれますよ。」
・・・食事でバフ効果があるのも知らなかったんだが。ま、まあ世話はしっかり見ろってことだよね。
「【育成士】については以上ですね。続いて【眷属】の特殊な運用をする【召喚士】についてご説明いたします。」
うん、そろそろ覚えきれなくなってきたぞ。【眷属】って大変だな。
「【召喚士】は【眷属】を完全戦闘運用するクラスですね。パーティ枠を消費せず【眷属】を召喚する【特殊召喚】のスキルを取得できます。【特殊召喚】で召喚された【眷属】は時間制限付きでプレイヤーに協力してくれますが、時間が来ると強制送還されてしまいます。経験値も取得できません。プレイヤー6人でパーティを組んでいるときも召喚できますので一時的に力を貸して欲しい場合は便利ですよ。」
こっちは完全に召喚獣扱いか。共闘とはまた違った戦い方ってことだな。
「【召喚士】クラスは召喚時間の延長や消費LPの軽減、【特殊召喚】時の攻撃力アップなどのスキルを取得できます。【育成士】か【召喚士】か、あるいは他のクラスをメインにするのかはプレイヤーの皆さんが研究してみてください。説明は以上になります。」
ふう、ようやく終わりか。でも知っておくべきことが多々あったな。最終的には5体の【眷属】をそろえて最強ソロチームなんて面白いかもしれない。
なんにせよ方針は大体決まったな。
まずは【幻獣の卵】の入手。入手までクラスは今のままでいいだろう。戦闘で弱らせる必要があるらしいからな。どうせなら強力な【眷族】を手に入れたいところだ。
【眷属】を手に入れたら、【育成士】クラスでレベリングかな。【眷属召喚】と【特殊召喚】は早いうちに取得しておきたい所だ。色んな所で役立ちそうだし。
「よし、早速動きたいと思うんですが、エリア1以降にはどうやって行くんですか?」
「それなら私の【眷属】にお願いして、各エリアの【転移装置】まで連れて行って貰えますよ。・・・有料ですけどね。それ以外だと自力で空を飛んでいくか海を渡るかしかありません。」
選択肢ないじゃん。
「なお、あなた方の種族レベルがLv.40未満なのでエリア4以降の移動は許可できませんのでご了承ください。」
レベル制限もあるのか。まあ、あんまりレベルの高い所に行くのは自殺行為だからいいけど。
「それではエリア1、2、3の【転移装置】までの移動をお願いできますか。」
「はい、3人分合わせて18万Gになります。」
・・・一人6万G 。結構な値段するね。こんなもんなのか?
「はい、 18万G。」
俺が二人の分まで払っておく。男らしく。
「ちょっとアルク!」「私達も払いますよ?」
やれやれ野暮な二人だ。
「じゃあ、今度お願いするよ。」
フッとドヤ顔を決める。・・・ドン引きされたが後悔はしない。
「はい、確かに受け取りました。それでは皆さん、一旦外に出てもらえますか?」
言われるがままに外に出る俺たち。
「【眷属召喚】!来なさいコロッサス!!」
受付のお姉さんが叫ぶと同時に魔法陣が現れ、そこから巨大な鳥が現れる。
「「「おお~!!」」」
なんか前にも似たような事があった気がするが気にしない。どうやらこの鳥に乗って空の旅になるようだ。・・・落ちたらどうなるんだろう。
「それでは皆さん、この子が各エリアの【転移装置】まで運んでくれます。三つのエリアを周って【転移装置】を繋いだら、この子は送還されますんで後はご随意に。」
「「「わかりました!」」」
巨大な鳥の背に乗り込み出発する。さあどんなモンスターがいるか楽しみだな。
・・・
「ねえアルク。」
「なんだ?」
「少し気になったんだけど、あのギルド、あの受付のお姉さんしかいなかったじゃない?もしかして【幻獣界】にいる人型のNPCってあの人しかいないんじゃあ・・・」
・・・
「・・・いやあ、まさか。あの人たった一人でこの世界にとどまってるなんて。」
「そ、そうよね。考えすぎよね。」
「動物たちがいるから寂しくはないと思いますよ?」
・・・違うアルマ、そうじゃない。あと動物じゃなくてモンスターな。
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