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トーナメント前日

===ログイン===>【アークガルド】クランホーム


「ふぃ~・・・」


俺はクランホーム地下にある大浴場で一息ついていた。・・・一応言っとくが水着は着てるぞ? 18禁ゲームじゃないんだから。


・・・まあ、なんにせよ、この2週間ひたすら戦い詰めでレベリングを行っていたのだ。明日から始まるバトルトーナメントのためにな。


明日からの三日間は長丁場になることが予想されるので今日は休養期間。たっぷり英気を養って明日からのトーナメントに備えるつもりだ。


・・・昨日までの描写?


ほら、修行って地味で同じ事の繰り返しになるから・・・じゃあ、ちょっとだけ。


===回想===>【人間界】カジノエリア


「フフフ・・・これでどうです?」


対面しているNPCが出した手札は・・・スペードのストレートフラッシュだった。


「ここでそんな手札が・・・!?」


「このままではアルクさんが負けてしまいます!」


「まあ、落ち着けアテナ、アルマ。俺の手札をまだ見せていないだろう?」


慌てる二人を落ち着かせながら俺は自分の手札を見せる。


「フフフ、この局面で挽回など・・・な、なんだと!?」


「アルクさんの手は・・・まさか!?」


「ロイヤルストレートフラッシュ!?」


「・・・これで俺の勝ちだ」


「く、くそぉ・・・」


相手のNPCは肩を落として悔しがっていた。


===回想終了===>【アークガルド】クランホーム


・・・おっと違った。これは【人間界】のカジノでポーカー勝負をしたときの話だ。いやー、このときの勝ち金がかなり高額で資金稼ぎにはもってこいだった。


・・・違う、そうじゃなくて、修行の話だ。


===回想===>【人間界】とある心霊スポット


とある山奥にある既に廃村となった場所がある。


「な、中々雰囲気があるのだ・・・」


「こ、怖いのです・・・」


そこでは何人もの行方不明者がでているという曰くつきのスポットであった。


「大丈夫だって二人とも。これぐらいで・・・ん?」


「む!・・・い、井戸があるのだ!」


「あ、あれってもしかして、あの有名なやつなのです!?」


「ハハハ、まさか・・・あ、なんか出てきた」


「ひ、人が出てきたのだ!!」


「ひぃぃぃぃ! あ、あの人なのです! 白い服に長い髪で顔が見えないずぶ濡れの・・・」


「・・・さ○こ、だな」


「ゆ、幽霊など非科学的なのだ・・・ぎゃあああああ!!」


「変な体勢でおっかけてくるのですー!!」


===回想終了===>【アークガルド】クランホーム


あの時はゾンビやら、悪霊やらが出てきて大変だった。ゾンビのクセに異常に足が速かったり、物理攻撃の効かない悪霊どもは俺たちに取り憑こうとしたり・・・最終的にはブランのホーリーブレスで焼き払ったんだけどな。


・・・なんであんな場所に行ったんだっけ? たしかクエストの報酬がおいしいからだったか。


・・・これ、修行じゃないよな? えっと他には・・・


===回想===>【人間界】F1レース会場


レースも終盤、とんでもないスピードで駆け抜けていくマシンたちがしのぎを削っている。


『踏み込みの速度なら負けないっす!!』


『なんの! 今が駆け抜ける時!!』


アシュラとアスターの乗ったマシンが先頭でトップ争いを繰り広げている。


「・・・・ちくしょー、アスターまで俺が言いたかったセリフを取りやがって・・・俺も参加すれば良かったな」


結局、優勝はアシュラ、アスターは2位となった。


「・・・ただいまっす! アニキ!!」


「・・・負けてしまいました」


「ご苦労さん・・・お前らのおかげで大勝ちだよ。・・・で、どうだった? F1レース体験は」


「すごかったっす! 時を駆け抜ける思いっす!!」


「すごいGでしたね。何度もクラッシュするかと思いましたよ」


「・・・やっぱり楽しそうだな。次のレースでは俺も出てみるか」


===回想終了===>【アークガルド】クランホーム


あの時は優勝、準優勝の賞金と、結果予想がドンピシャでかなりの資金が手に入ったんだよなぁ。・・・次のレースに参加した俺は途中でクラッシュしてしまったが。


・・・ん? 遊びと金儲けの話ばかりだって?


そ、そんなことは無いよ? 資金は重要だし、息抜きも時には必要なんだよ。


・・・もっと修行っぽい話を・・・


===回想===>????


「・・・クッ、これが【魔龍覚醒】なのか・・・」


「クルァァアアアアア!!!!」


「アーテル・・・」



「・・・じゃあお前が!?」


「そう、我こそが【天凱十二将】の一角!! その名も・・・」



「よっし、とうとうアウルの【種族スキル】を取得できるようになったな!!」


「だう!!」


「どれどれ・・・こ、これは!?」


「だう?」


「・・・フフフ、これはかなり使えそうだな。アウル、早速試してみるぞ!!」


「だう!!」


===回想終了===>【アークガルド】クランホーム


こんな感じで俺もちゃんと修行してたぞ。


成果? ・・・それはトーナメントをお楽しみに。


「・・・一人で何ブツブツ言ってるの?」


「お疲れ様です、アルクさん」


おっと、回想していたらアテナとアルマが入ってきた。・・・相変らず素晴らしいメロンですな。水着着てるのが惜し・・・いえ、なんでもないです。


「明日からトーナメントね」


「準備は出来ていますか?」


湯船に浸かりながら近づいてくる二人。・・・正面から来られると目のやり場に困るな。


「もちのロンよ。レベルはカンストまで行ったし、スキルも装備も万全だ」


「・・・ボスモンスターを狩りまくったからねぇ」


「ボスモンスターって狩りまくれるんですねぇ」


二人は遠い目をしている。なんせ【インフォガルド】で大枚はたいてボス情報を買いまくり、片っ端から挑戦していったからな。ソロで行けそうな奴は一人で行ったが、無理そうな場合は手の空いてるメンバーと一緒に行ったからな。


おかげでトーナメントに参加しないはずのアーニャ、アヴァン、アスターまでレベル、カンストしちゃったし。・・・連れまわしてゴメンね。


「あ、アルクさんたちなのです!」


「・・・なんだ、結局皆そろったのだ?」


「お疲れ様っす、アニキ! 姉御達も!!」


「・・・お邪魔じゃありません?」


感慨と謝罪にふけっていると他のメンバーもやって来た。・・・当たり前だがみんな水着だ。それとアスター、変な勘ぐりはよせ。下手したら殺されるだろ? ・・・俺が。・・・誰に? 誰にだろう。


「おう、お前ら。お疲れ。・・・そういえばアーテルたちはどうした?」


「皆、ホームの庭に作った遊び場に夢中ですよ」


トーナメント期間中、アーテルたち【眷属】組は基本的にホームで待機してもらう事になる。少なくともトーナメントに参加する俺、アテナ、アルマ、アシュラの【眷属】は【限定召喚】で呼び出す可能性があるからだ。


トーナメントに参加しないアーニャ、アヴァン、アスターたちの【眷属】及びカイザーは会場に連れて行っても良いのだが、本人たちの希望でホームに残るそうだ。きっと戦闘に参加するアーテルたちの激励及び戦闘後のケアのためだろう。俺たちとしてもありがたいのでお願いする事にした。


ただし、トーナメント期間中ずっとホームに缶詰なのはかわいそうと思い、ホームの庭に遊び場を用意しておいた。砂場、滑り台、シーソーにジャングルジムなどなど・・・もうほとんど公園である。・・・遊び場という意味ではホームにはボーリング場やゲームセンターなんかもあるが、それはそれ。今日まで頑張ってくれたアーテルたちへのご褒美でもある。


「お前ら、準備は万端か?」


「当然」


「勿論です」


「頑張るっす!!」


同じクランのメンバーであるアテナ、アルマ、アシュラもトーナメントの間はライバルである。敵、ではなくライバル、である。これ重要。


「アーニャも応援するのです!!」


「我の作った【兵器】も忘れるでないのだ」


「ミコトたちへのフォローも大丈夫です」


この日のために、アスターの畑から大量に収穫を行い、アーニャに料理してもらった。俺たちの分は勿論のこと、アーテルたちホーム居残り組の分も大量に。アーニャたちも会場に来て応援してくれるそうだが、場合によってはホームに戻ってアーテルたちを見ておくそうだ。宜しく頼む。


「準備は上々、後は明日を待つのみ、か。まあ、気負わず気合入れて行こうぜ」


「どっちなのよ」


「言いたいことは分かるんですけどね」


声を出して笑い合う俺たち。


こうして、とうとうバトルトーナメント当日を迎える事になる。


===ログアウト===>お疲れ様でした


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― 新着の感想 ―
[一言] カットしたらあかんとこじゃん、天凱十二将・魔龍覚醒、このふたつに関しては。 割と楽しみにしてた事柄だっただけに残念。
[一言] 変な体制でおっかけてくる…… ほういせんめつじんとかかな
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