トーナメント詳細連絡
===ログイン===>【人間界】ヤオヨロズ神社
「おー、ホントに像ができてるな」
俺たち【アークガルド】のクランメンバーは【人間界】にある【ヤオヨロズ神社】に来ていた。理由は勿論、メンバーそれぞれが【加護】を貰った神様の確認である。当人はともかく、他のメンバーは話に聞いていただけなので一度確認しておこうというわけだ。・・・確認したからといってなにがあるというわけでもないのだが。
【ヤオヨロズ神社】はかなり広大だ。・・・というより明らかに前回来た時は無かったエリアが増えている。そして俺たちが目的とする神像は増えたエリアにあったのだが・・・皆バラバラに配置されているせいで、結構な距離を歩くはめになった。おそらくだが、神話体系ごとにエリアが分かれているのだろう。日本神話系はこのエリア、天使系はこのエリア、【幻獣界】がこのエリアといった具合だ。
「確かに他の神像よりも大きめですね」
アルマが言うとおり、俺たちの目当ての像は直ぐに見つかった。なんせ他の像より目立つから。神社の入口付近にあった像(良く見るとほとんど無名ののっぺらぼうだった)は台座を入れても2メートルあるかないかだったが、ここにある像は3メートルを軽く超えている。
俺が会った【太陽神アマテラス】【月光神ツクヨミ】【戦闘神スサノオ】の像もあった。等身大というかむしろ大きめに見えるし、木造なので色は付いていないが、格好や表情は当人・・・当柱? そのものだ。
ただ、不思議だったのは他の像・・・ククリからは【加護】を貰っていないから良いとして【天凱十二将】の三柱・・・【勇天ストラッシュ】【俊天アクセル】【全天エレメント】の像がなぜか無かった。三柱から貰ったのは【加護】ではなく【祝福】だったからだろうか?
各エリアをまわって【聖護神セラフィナ】【魔法神ウルザード】【地竜帝ドラント】【機械神ガルヴデウス】【武芸神ウィシャス】【精霊王レイハイム】の像も見つけることが出来た。【地竜帝ドラント】の像は当人・・・当竜? に比べるとかなり小さいらしいし、【機械神ガルヴデウス】は首しかない、かなりホラーな像だったが。
「容姿は確認できましたが、手がかりはなさそうですね」
アスターの言うとおり、像は見つけることが出来たがそれだけだ。各エリアの中心にポツンと像が置かれているだけで周囲には無いもない、ある意味寂しい場所だった。・・・おそらく、今後【加護】を持つ者が増えていったら、これらの場所にも神像ができていくのだろう。
俺としては【天凱十二将】の残り九将の名前や容姿でも分かればと思っていたのだが・・・無いのなら仕方が無いな。やはり地道に探していくしかないのか。
・・・もしくはククリの力を借りるとか? かなりヤバイらしいが。
そうそう、ククリだがいつの間にか【アークガルド】のクランホームに入り込んでいた。今日もアーテルたちとホームで遊んでいる。ちなみにメンバーと顔合わせしたときの様子がこんな感じ。
===回想===>アテナ
「キャー!! カワィィィ!!」
===回想===>アルマ
「・・・」ナデナデナデナデ
===回想===>アーニャ
「ほゎ~・・・かわいいのです」
===回想終了==>アルク
とまあ、こんな感じでうちの女性陣がノックアウトされてそれはもう可愛がられている。・・・他に疑問に思うことがあるような気がするのだが、俺の意見は無視されたorz
なお、ククリは三柱から手紙を持ってきていた。内容はこうだ。
【太陽神アマテラス】からは『ククリちゃんと遊んであげてね~♪』、【月光神ツクヨミ】からは『貴方のホーム内であればククリも安全なはずなので時間がある時にでも相手をしてあげてください』、【戦闘神スサノオ】からは『頑張れ(*゜▽゜)b』である。
・・・俺は【戦闘神スサノオ】と必ず雌雄を決することを心に誓った。
まあ、ククリは良い子だし、俺たちが出かけることになってもわがまま言わないし、まあ大丈夫だろう。なお、どうやって【神仏界】とクランホームを行き来しているのかは謎である。
・・・そういえばいつの間にか称号も増えていた。それがこちら。
【ククリのお友達】
おにーちゃんはククリのおともだちだよ!!
・・・これ、称号じゃないよな? 特に効果は無いらしいが ・・・俺は細かい事は気にしないことにした。
「じゃあ、確認も終わったし、後は各自、トーナメントに向けて行動開始ってことだな」
俺がメンバーを見渡すと全員が頷いた。アーニャ、アヴァン、アスターはトーナメントには参加しないのだが、できる限りのフォローはしてくれるとのこと。頼もしい。
今日になってトーナメントの詳細の連絡が来たので皆張り切っているのだ。
『バトルトーナメント開催要項
開催日時:XX月XX日~XX月YY日(連休三日間)
開催場所:【人間界】バトルトーナメント特設会場
開催形式:
バトルトーナメント参加希望者が数万人に達するため、以下のような形式とさせていただきます。
初日:参加者多数
予選第一回戦 10数人によるバトルロイヤル 勝者一名が第二回戦へ
予選第二回戦 10数人によるバトルロイヤル 勝者一名が第三回戦へ
予選第三回戦 10数人によるバトルロイヤル 勝者一名が本選へ
2日目:参加者128名
本選第一回戦 1対1の対戦形式 勝者が第二回戦へ
本選第二回戦 1対1の対戦形式 勝者が第三回戦へ
本選第三回戦 1対1の対戦形式 勝者が最終戦へ
最終日:参加者16名
最終第一回戦 1対1の対戦形式 勝者が準々決勝へ
最終準々決勝戦 1対1の対戦形式 勝者が準決勝へ
最終準決勝戦 1対1の対戦形式 勝者が決勝へ
最終決勝戦 1対1の対戦形式
備考:
・対戦時間は1時間、HPが0、もしくはギブアップを宣言すれば敗北
・規定時間内に決着がつかなかった場合、HPが多く残っていた方が勝者
・回復、支援アイテムの使用は禁止
・スキルによる回復、強化はOK、ただしHPが0になった後での蘇生は無効
・試合終了後、HP、BP、MP、LP及び状態異常は全回復
・使用制限のあるスキルについては試合後も制限は維持(例:1日1回しか使用できないスキルを使用した場合、試合終了後に使用可能にはならない)
・【眷属】の使用は可能、ただし【限定召喚】のみ
・【クランメカロイド】は【眷属】としても使用不可
*時間の都合上、三位決定戦は行いません
*トーナメント参加希望者は特設会場付近で待機していて下さい
*トーナメント参加希望者で当日の参加時間に問題などある方はお早めにお知らせ下さい。可能な限りの時間調整を行います。それでも参加不可能な場合は不戦敗となることをご了承下さい。
その他、疑問があれば運営のお問い合わせ下さい』
・・・予想はしていたが結構な規模になっているようだ。まあ、ゲームにログインしていたら誰でも参加できるからな。
「・・・優勝するには10回、勝ち続けないといけないわけね」
「初日はバトルロイヤル、2日目以降は1対1っすか。対策立てないといけないっすね」
そしてトーナメントではカイザーの出番が無いという悲報・・・【クランメカロイド】を入手したクランは少ない上に、【クランメカロイド】はクランメンバー全員に対する【眷属】って事になってるから、参加可能となったら誰が【眷属】として使うか揉めそうだし、仕方が無いのか。カイザーにはトーナメントに参加しないメンバーの【眷属】と一緒に応援していてもらおう。
「・・・なんにせよ、これで詳細も分かったしあとは鍛えるだけだな」
「そうね」
「はい」
「頑張るっす」
俺と共にトーナメントに参加するアテナ、アルマ、アシュラが答える。・・・トーナメントではライバルか・・・おっかないな。
「トーナメントに参加しないメンバーもフォローよろしく」
「はいなのです」
「まかせるのだ」
「もちろんです」
アーニャ、アヴァン、アスターもフォローにまわってくれている。頑張らないとな。
「よしっ! 各自、特訓開始だ!!」
「「「「「「おぉーー!!」」」」」」
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