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確認は大事

取得したスキルやらなんやらを確認しようと言うわけで庭で遊んでいたアーテルたちを誘って練習場までやって来た。


・・・なお、アーテルたちはかくれんぼをして遊んでいたので全員揃うまで多少時間がかかったのと、【迷彩装置】を使って隠れていたラグマリアは反則負けで失格となったことを付け加えておく。・・・その【迷彩装置】、俺にもくれ。


===移動===>【アークガルド】クランホーム練習場


「あまねく太陽の輝きよ、灼熱の赤き炎であらゆる物を焼き尽くせ!【太陽の劫火(コロナサンバースト)】!!!」


アテナが特大の劫火球を放った。相手は・・・アルマである。


「【魔法神ウルザードの加護】よ、魔の力を高めてください・・・【ファイアボール】!!」


そのアルマが放ったのは初級の【魔法】である【ファイアボール】だ。だたし・・・


「・・・でかいな」


【加護】の力によって極大化した【ファイアボール】である。本来、掌サイズの火の玉であるファイアボール】だが、アルマが放ったそれの大きさはアテナの【太陽の劫火(コロナサンバースト)】と同じくらいまでになっていた。


ぶつかり合う二つの火の玉・・・本来であれば勝負にすらならないぶつかりあいなのだが・・・結果は・・・


バゴゥ!!


激しい爆音と共に二つの火の玉は弾けとんだ。


「・・・互角だったみたいね」


「そのようですね」


アテナは苦い顔をしながら・・・アルマは余裕の顔を浮かべながらこの結果を見た。アテナからすれば必殺の一撃だがアルマからすれば消耗の少ない初級の【魔法】だからな。【加護】・・・恐るべし。


なお、今はPvPモードで練習のため、プレイヤー同士で戦闘可能だ。ダメージも与えられる。


本当なら各自で【加護】や【種族スキル】を確認するつもりだったのだが、相手がいないと分からなかったり、そもそも発動しなかったりしたため、対戦形式で確認することとなった。


「で、アルマはどんな感じだ?」


「負担も特にありませんし、便利な力ですね・・・一日一回なのが残念でなりません」


・・・あんな事を何度も出来たら無双ゲームになってしまうな。


「そうか。・・・じゃあ、次行ってみよう」


今度はアテナに代わり、今度は俺がアルマと相対する。


「行きます。罪深き汝よ、深く暗い闇の底で青き炎の裁きを受けよ!【地獄の業火(インフェルノフレイム)】!!!」


地面から青い炎が湧き上がり俺に襲い掛かる。


「【戦闘神スサノオの加護】よ! 魔の力を打ち砕け!!」


俺は【戦闘神スサノオの加護】を発動させながら地面の青い炎を右手で殴る。その瞬間・・・


バシュッ!!


青い炎が跡形も無く消えた。・・・何でも打ち消す右手を持った某ラノベの主人公みたいでちょっと楽しい。


「・・・なるほど、自信のある【魔法】が効かないと何気にショックですね」


今度はアルマが、先ほどのアテナのように苦い顔をしている。・・・さすが似たもの姉妹、もとい同一人物・・・しかめっ面も一緒だな。


「確かに便利な力だな・・・やはり常時使えない以上、いざって時の切り札だな」


自分の【加護】について確認しつつ、次の確認に入る。


続いての確認はアシュラ&ルドラinアークカイザーvsレオーネ、フィオレ、ブラン、ノワール、テール、ラグマリアの【眷属】軍団である。


「はいはいはーい! 戦力に偏りがあると思うっす!!」


【メカロイド】形態のカイザーの中から、物申すようにアシュラが文句を言ってくる。


「ガチバトルじゃなくて確認だから大丈夫だ・・・多分」


「今、多分って言ったっすか!?」


「問題アリマセン、マスターアシュラ。・・・オソラク」


「不安しかないっす!!」


うるさい奴は無視して【眷族】軍団にはさっそく力を見せてもらう。


レオーネは【獅子咆哮】・・・雄雄しく吼える。これで攻撃力がアップしたらしい。


フィオレは【火鳳炎凰】・・・全身に赤いオーラを纏う。火属性アップだ。


ブランは【聖竜の羽ばたき】・・・ブランが発した光が味方全員に降り注ぐ。これで皆、聖属性がついたらしい。


ノワールは【黒龍の呪い】・・・体が黒いオーラに包まれた。攻撃時にランダムで状態異常がかかるらしいが、どんなものかは攻撃してみないと分からないな。


テールは【地竜の恵み】・・・テールが吼えると味方全員に土色のオーラが付く。防御力アップだ。


ラグマリアは【マキナチャージ】・・・【兵器】のチャージ時間を短縮するらしい。これも実際に【兵器】を使ってみないと分からないな。


更に更に追加で・・・


「【ハーフリングの祝福】を使うのです! 更に【地竜帝ドラントの加護】でブランちゃんたちをパワーアップなのです!!」


「【機械神ガルヴデウスの加護】よ、ラグマリアのリミッターを解除するのだ!!」


アーニャが【加護】を使ってブラン、ノワール、テールの強化を、アヴァンが【加護】を使ってラグマリアの強化を行った。・・・おお、皆目に見えて強力なオーラを発してるな。


「はいはいはーい! やっぱり理不尽だと思うっす! アニキ!!」


「まう!!」


今度はルドラまで一緒になって抗議してくる。


「お前もやれば良いだろう。てか、やれ」


何の為にお前とルドラをアークカイザーに乗せてると思ってんだ。


「むう・・・こうなったらやけくそっす! ルドラ!【精霊憑依(レイ・ポゼッション)】っす!!ついでに【武闘演舞】発動っす!!」


「まう!!」


アシュラがルドラと一体化した・・・らしい。外からじゃ分からんな。アークカイザーが発するオーラが増した?くらいか?


「さらに【竜闘気】と【武芸神ウィシャスの加護】の発動っす!! さらにさらに! アークカイザー! 【オーバーリミット】っす!!」


「了解・・・エネルギー上昇・・・リミットオーバー!!」


おお、アークカイザーが赤く発光していく・・・トラ○ザムか?


「よし、双方、準備できたみたいだな・・・はじめ!!」


特に合図はいらないのだが、何となくノリで開始の合図を叫ぶ。同時に両雄が激突した。


===時間経過===>10分後


「死屍累々ですね」


アスターの言うとおり、練習場には戦い終わってへばっているヤツラの姿がそこらしかに。


ぶつかり合った両雄はまったくの互角・・・ではなかった。


最初はアシュラ&ルドラinアークカイザーが押していた。特にアークカイザーがやばかった。【オーバーリミット】の効果か凄まじい力を発揮していた。・・・直ぐに終わったけど。具体的に言うと3分くらい。ウル○ラマンか。


カイザーに聞くところ、現状は3分が限界らしい。しかも、3分過ぎたら強制冷却のために【ヒューマロイド】形態に戻される上、一時的に能力が下がるんだとか。しかも3分というのは万全の状態で3分なので、ダメージを負った状態ではさらに短くなるんだとか。・・・俺の試練のときに使わなくて正解だったか。


残りの時間は【眷属】軍団が優勢だった。やはり【加護】で強化されたブラン、ノワール、テール、ラグマリアが強かった。


・・・まあ、強さで言ったらアシュラ&ルドラのペアが一番だったが。【加護】と【種族スキル】の重ねがけの上、【精霊憑依(レイ・ポゼッション)】発動中だからな。まさに量と質の戦いだった。強いていうならアシュラが複数相手になれていなくて徐々に追い込まれていた所か。


全員の【加護】と【種族スキル】が切れたところで終了となった。途端にへたり込む奴続出である。便利な力があっても疲れる奴は疲れるらしい。


「後はアスター、お前達だな」


「はい。行くよ、ミコト。【精霊王レイハイムの加護】よ、【精霊】の力を高めよ。【ヒールレイン】」


「あーいー!!」


・・・【加護】の影響か、テンションが上がったミコトちゃんが掌を頭上にかざすと光が溢れる。その光は雨のように辺り一帯に降り注ぎ、皆を回復して行く。


「ガオ!」「ピュイ!」「キュイ!」「キュア!」「キュウ!」


「・・・システムオールグリーン」


「・・・助カリマシタ」


どうやら【眷属】たちは回復できたようだ。一発で全回復って凄いな。なお、PvPモードは解除しているのでカイザーたちも味方判定になっている。


「うう~、目が回るっす~」


「まう~・・・」


一方で回復したはずなのにふらついているヤツラが二人。どうやらノワールの攻撃で【眩暈】の状態異常をくらったようだ。


・・・丁度良い。俺はアシュラの肩に手を置き、


「【太陽神アマテラスの加護】よ。この者の浄化を」


【加護】を発動し、状態異常を解く。


「あっつ!!・・・あれ? ・・・直ったっす!!」


・・・直ったのは良かったが・・・熱かったのか?


「ミコト、【生命の祝福】」


「あい!」


「・・・まうー!!」


一方のルドラくんの方はミコトちゃんが治癒していた。・・・あっちは熱くなかったみたいだ。なぜ?


これで一通りの確認が終わった。他の【種族スキル】についてはこの場では確認できないので、また今度と言う事になった。


・・・おっと、最後にもう一つ。アーテルの【種族スキル】、【魔龍覚醒】なんだが・・・


「クルッ!!」プイッ


本人が使うことを断固拒否しているので確認は諦めた。・・・やはりヤバイスキルなんだろうか?


作者のやる気とテンションを上げる為に


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m(_ _)m

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