アスターの場合:精霊王の采配
アシュラの【加護】の印の形を書き忘れてました!
加筆しました。すいません。
===視点切り替え & 回想===>アスター
「ふぉっふぉっふぉ。よく来たのう」
声が聞こえてきて振り返ると、そこには例によって【精霊王レイハイム】のお爺さんが。・・・なんでいつも背後から声をかけるんだろう? ・・・そしてなんで気配もなにも感じないんだろう。そこにいるってわかった途端、力強い気配・・・【神気】を感じるのに。
「あい!」
ミコトもご機嫌で挨拶する・・・ミコトは元気だなぁ。僕と一緒に追い回されたはずなのになぁ。
「お嬢ちゃんは元気じゃのう・・・いろんな【精霊】が寄ってくるじゃろうに」
・・・え? どういうこと?・・・ミコトって【精霊】寄せ付け体質なの?
「まあ、それは置いておくとして」
いやいや、置いておかないで! 結構重要事項だと思うんですけど!?
「なんにせよ試練は合格じゃ。【精霊】を傷つけないようにしてくれたようじゃしの。ほれ」
【精霊王レイハイムの加護】
精霊王の加護により【精霊】の力を増幅させる。
任意で発動可。
再発動時間:24時間
あ、右手の甲に何か出てきた。これは・・・丸に横棒? ギリシャ語のΘ(シータ)みたいだ。これが【加護】か・・・
「その【加護】は【精霊】の力を増幅させる事が可能じゃ。ただし、頻繁に使えないから気を付けるんじゃぞ」
・・・確かに【メニュー】の説明を見る限り、一日一回限りみたいだ・・・頻繁には使えない・・・切り札的な力かな。
「にしてもよく無事に通り抜けてこれたのう・・・ここには【邪霊】はおらんがイタズラ好きな【精霊】が多いからのう・・・」
「・・・いやいや、イタズラ以前にこの山の環境の方が問題ですよ! 急に雨が降り出したり、断崖絶壁があったり、底なし沼が急に現れたり、マグマが流れてたり・・・【大精霊】みたいなのがうろうろしてたり!!」
どう考えても危険地帯ですよね? 普通にありえないですよね。普通に死にますよね?
「ふぉっふぉっふぉ。この【蓬莱山】は【精霊】の住処じゃからのう・・・環境に合わせた【精霊】がおるんじゃなく、【精霊】に合わせた環境が作られる特別な場所なのじゃよ」
環境が作られるって・・・意味不明だなぁ・・・【精霊】にとっては最高の住処なのかもしれないけど。
「特に【大精霊】クラスともなるとそこに存在するだけで多大な影響を与えてしまうからのう・・・無論【精霊界】にも【大精霊】はおるんじゃが・・・【ガティアス】の問題もあるからのう、特に力の強い【精霊】は【神仏界】へ避難することになっておるんじゃ」
・・・なるほど、避難場所でもあるのか。そして何気に【精霊界】のどこかには【大精霊】がいるっていう情報を貰ってしまった。
「そんなわけでこの【蓬莱山】におるのは特に力の強い【精霊】たちというわけじゃな。その【精霊】たちが自分たち好みに環境を作っておるからな。・・・人間には過酷じゃったかもしれないのう」
・・・この神様はそんな場所に平然と僕らを放り込んだんですね。死んだらどうするんですか?
「【生命の精霊】がおれば大丈夫じゃよ」
・・・さっきからこのお爺さん、妙にミコトを特別視してるような気がするけど・・・そんなに【生命の精霊】って特別なんだろうか?
「・・・とはいえ、お主もそのお嬢さんもまだまだ力不足じゃのう。というわけでさらに試練じゃ」
試練クエスト【四大精霊の力を継承せよ!!】
達成条件:【四大精霊】の力の継承
進捗:0/4
制限時間:無し
試練クエスト【三大仙人の力を継承せよ!!】
達成条件:【三大仙人】の力の継承
進捗:0/3
制限時間:無し
しれっと試練を追加してくるし・・・
「【四大精霊】に【三大仙人】・・・力の継承?」
【四大精霊】はなんとなくわかるけど・・・【三大仙人】? それに力の継承?
「ふむ、詳しくは当人たちを見つけて聞いてみるが良い。まずは世界のどこかにおる【四大精霊】と【三大仙人】を見つけてみるが良い」
「・・・それは分かりましたけど・・・なんで急に【仙人】が出てくるんですか?」
【精霊】はともかく【仙人】っていうのは初めて聞いた。【精霊界】でも聞いたことがないし、他の世界でも・・・
「・・・ふむ。【精霊】と【仙人】は深いかかわりがあるんじゃよ。元はと言えばこの【蓬莱山】も【仙人】が生み出したものじゃし・・・【世界樹】も・・・おっと、これはまだ言えんな」
・・・今、さらっと重要なことを言いかけましたよね。【蓬莱山】を【仙人】が生み出したっていうのもそうだけど・・・【世界樹】にも【仙人】が関わってる? ・・・戻ったらアルクさんにも伝えないといけないかな。
「まあ、それも【仙人】を見つけたら直接聞いてみるが良い。・・・関りが深いとはいえ、なんでも知っておるというわけではないからのう。答えは自らの足で探し、自分の目で見、自分の耳で聞くが良い」
・・・なんだか上手くはぐらかされたような気がする。・・・とはいえ、この件はこれ以上聞いても答えてくれないんだろうな。
それから少し話をした後、僕たちは【ホーム】に戻ることになった。
「ほい!」
お爺さんが指を鳴らすと扉が現れた。どうやらここから戻れるみたいだ。
「・・・じゃあ、頑張っての」
「・・・はい、それは分かってるんですが・・・」
「・・・分かっておるわい。何も言わんでよい」
【精霊王レイハイム】のお爺さんの周囲には・・・道中見かけた【精霊】たちが寄ってきていた。僕たちを見送りに来た・・・というわけじゃない。その証拠に僕たちを見てないし。
この【精霊】たちはアーニャさんの作った料理をお供え物代わりに【精霊王レイハイム】のお爺さんに渡した途端、集まってきたから。・・・多分、匂いに釣られて来たんだろう。すごいな、アーニャさんの料理。
「・・・それでは戻ります。ありがとうございました」
「あい!!」
「うむ」
戻るために扉をくぐる・・・前にもう一度振り返ると・・・そこには誰もいなかった。山頂にいたはずなのに山も何もなくなっていた。地面も最初いた場所の雲みたいなものに戻っている。
「・・・こういうのも化かされたっていうのかな」
夢幻のように消えた【蓬莱山】と【精霊】たちを背に扉を潜り抜けた。
===視点切り替え & 回想終了===>アルク
「・・・なるほど、【仙人】を見つけろって言われたのか」
しかも【世界樹】に関係している。もしかしたら立ち入り禁止になってる【世界樹】近辺にも入れるようになるかもしれないな。
「ええ。・・・問題はどこにいるのか、ですけどね。【四大精霊】もですけど」
・・・それを言っちゃあ、他の連中の試練の探し物はみんな在り処不明だけどな。・・・探し物一杯だな。
それにしても【三大仙人】っていうのは・・・ただの【仙人】じゃないんだよな? ・・・漫画ネタしかわからねぇ。
「力の継承っていうのも気になるっすね! アスターも強くなれるっすか!?」
それも気になるが・・・多分、お前の思ってる感じの力ではないと思うぞ、アシュラ。
「・・・さて、これで全員の報告は終わったな。まとめに入ろう」
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