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アシュラの場合:竜の闘技

===視点切り替え & 回想===>アシュラ


試練クエスト【武芸神ウィシャスを倒せ!】

達成条件:【武芸神ウィシャス】を倒す

制限時間:無し


神様を倒せとは、すごい豪快なクエストっす。でもやるっすよ!


「ルドラは下がっていてくださいっす。まずはボクだけで戦ってみるっす!」


「まう!」


了解したと言わんばかりに元気良く挨拶してルドラは離れて行くっす。


「まずは自分の力を試すのかい? ・・・良いさね! かかってきな!!」


【武芸神ウィシャス】が指をクイクイ動かしながら挑発してくるっす。その挑発に乗ってやるっす!!


「でやっ!!」


ボクが放った右ストレートは・・・


パシッ!


【武芸神ウィシャス】に難なく逸らされたっす!!


「はっ! でぇい! やっ!!」


突きと蹴りを混ぜながら繰り出すも、やはりなんなく受け流されるっす!! だったら・・・


「【ラッシュパンチ】!!」


アニキも使っていたスキルを使わせてもらったっす! でも・・・


「甘いよ!!」


それでも変わらず受け流されたっす! スキルを使っているわけでもないのに! いとも簡単に・・・この時点で大きな力の差があることがわかったっす。


ボクは一端距離を取り、【武拳マルスクロス】を仕舞ったっす。


「おや、もう諦めたのかい?」


「まさかっす! こっからは全力で行かせてもらうっす!! 【魔闘技:拳火】!【魔闘技:脚風】!」


ボクの腕に炎のような赤いオーラが、足には緑のオーラが表れたっす。これで火と風の属性が付加されるっす。


「【竜正拳】!!」


今度は【竜闘技】による攻撃スキルっす。このスキルは【竜人】のボクが使えば強力になる反面、素手でないといけない制約があったっす。だから武器を仕舞って攻撃するっす。


「へぇ、【魔闘技】と【竜闘技】の合わせ技かい」


ボクの攻撃は・・・やはり逸らされたっす。でも火属性を纏っているせいで熱によるダメージがあるはずっす!!


「【竜星脚】!!」


ボクは大きく飛び上がり、蹴りを放つっす! これも避けられるっすが今度は風属性の効果でカマイタチのような風の刃が発生してダメージを与えたっす。


「・・・なるほどねぇ、受け流されても避けられてもダメージを与える技というわけかい。ただの猪突猛進じゃなかったんだね」


「ボクだって戦いの中で成長してるっす!!」


アニキと戦った時はこっちの攻撃が当たらなかったっす。腕の立つ相手だと中々攻撃が当てられないっす。そこでどうすればダメージを与えられるか色々試したっす。その結果、属性を付加した攻撃なら、例え防がれても属性ダメージを与えられる事に気がついたっす。


でもこれは前フリっす。ちくちくダメージを与えて隙ができたところででかいのを一発お見舞いしてやるっす!・・・と、思ってたんすが・・・


「・・・でも、まだまだ甘い! 【赤竜掌】!!」


「あぐっ!!」


【武芸神ウィシャス】が放ってきた()()掌打によって、ボクは吹き飛ばされたっす。


「攻撃に夢中になるあまり防御が疎かになってたねぇ」


「・・・うっ・・・」


痛いところを突かれたっす・・・確かに防御にまで意識がまわっていなかったっす。ガットさんが作ってくれた【武鎧マルスガイズ】がなかったら一発KOだったかもしれないっす。


・・・それにしてもっす。今の攻撃・・・いや、スキルは・・・


「お察しの通り【竜闘技】さね」


そう言いつつ【武芸神ウィシャス】は攻勢に出てきたっす!!


「【黄竜脚】!!」


今度は蹴り・・・しかも黄色い・・・いや、黄色いオーラを纏った蹴りっす。その蹴りをボクは両腕をクロスさせてガードしたっす。でも・・・


「ぐあっ!!」


ビリビリきたっす。・・・これは雷属性の攻撃っすか!? 【竜闘技】には単独で属性攻撃する方法があったんすか? いや、それよりもっす・・・


「・・・なんで【竜闘技】を・・・」


「知りたいかい? なら教えてやるさね」


そう言って【武芸神ウィシャス】は頭を傾けながら、髪を掻き分けて見せたっす。・・・髪に埋もれて見えなかったっすが・・・そこにあったのはボクのそれより大分小さいっすが・・・それは確かにドラゴンの・・・【竜人】の角だったっす。


「その角は・・・貴方は・・・もしかしてっす」


「お察しの通りさね。・・・正確には元【竜人】、今は【武芸神】さね」


元【竜人】・・・人間から神様になったって感じっすか? 経緯は良く分からないっすが・・・なるほど、それで【竜闘技】が使えるっすね。それもボクよりも段違いにすごいっす。


「・・・【竜人】の角はそのまま力の強さと言われてるさね」


・・・? なにやら急に【武芸神ウィシャス】が話し始めたっす。


「見ての通り、アタイの角はかなり小さい。つまり、【竜人】たちの中ではかなりの弱小の部類に入るってことさね」


・・・そんなバカなっす。この短い時間の手合わせでも【武芸神ウィシャス】が相当強い事がわかったっす。なのにこの神様が弱い部類に入るんすか!?


「だからこそ、アタイは武術を学び、腕を磨き続けたのさ。本来、【竜人】は他の種族を凌駕する圧倒的なパワーとスピードで敵を倒す種族・・・武術なんて不要と言われていたのさ。・・・アタイは長い年月をかけて努力し、己を鍛え上げ、遂には【竜人】たちの中で一番の強さになり、武芸の神様なんて呼ばれるようになったのさ」


・・・おおー・・・つまり、この神様は努力に努力を重ねて頂点を勝ち取った本物の実力者って事っすか!?


「そして何を隠そう、【竜闘技】はアタイが作り出した技さね」


更に衝撃の事実っす!!


「だからアンタに聞きたいのさ。・・・アンタ、【竜闘技】を極める気はあるのかい?」


【武芸神ウィシャス】は試すような目でボクを見てくるっす。ボクは迷いなく答えるっす!


「勿論っす! 【竜闘技】を極めれば【武芸神ウィシャス】様と同じくらい強くなれるんすよね! なら迷う事は無いっす!!」


「・・・フッ、その迷いの無い目、ますます気に入った!! だが来るんならアンタの本気を、全力を見せてみな!!」


「全力・・・わかったっす・・・ルドラ! 【精霊憑依(レイ・ポゼッション)】っす!!」


「まう!!」


ボクは後ろに控えていたルドラを呼んで一体化するっす。これで短い間っすが、【体術】系スキルや【格闘】系スキルの消費BPが0になるっす。


ルドラの力も借りて全力で食らいついてやるっす。


「行くっすよ!!」


「来な!!」


===視点切り替え & 回想終了===>アルク


「・・・なんだ、この熱血展開は・・・」


「・・・アシュラですからねぇ・・・」


なぜかその一言で納得できてしまう不思議。


「【武芸神ウィシャス】様は本当に凄かったっす。スキルが強力なだけじゃなく、技のキレも体捌きも半端じゃなかったっす」


・・・ああ、様付けするほど、意気投合しちゃったのね。本物の達人の弟子になっちゃった感じ?


「本当はもっともっと【武芸神ウィシャス】様と戦っていたかったっすが・・・残念ながら、今のボクじゃあ力不足だったっす。もっとレベルを上げてリベンジするっす」


「・・・おい、まだ話の途中だぞ」


コイツ、話が終わる前にネタバレしやがった。試練クエストはクリア出来なかったのか?


「ハッ! そうでしたっす。続きを話すっす」


作者のやる気とテンションを上げる為に


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