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アヴァンの場合:機械神の子供たち

===視点切り替え & 回想===>アヴァン


「ラグマリア!!」


バリアが解除され、敗北したラグマリアの元に駆け寄る我なのだが・・・ラグマリアは損傷が酷く死に戻りの直前だったのだ。


「・・・申シ訳アリマセン、マスター」


申し訳なさそうに謝るラグマリアなのだが、謝るのは我の方なのだ。我の作る【兵器】が劣っていたからこんな事になったのだ。


「・・・申し訳ありません、やりすぎてしまいましたね」


そして、ラグマリアを倒したラグエリスなのだが、ラグマリアの直ぐ近くまでやってくると今度はまた別の箱を取り出したのだ。


「【フルリペアボックス】です。・・・()を不必要に傷つけるのは本意ではありませんので」


箱・・・【フルリペアボックス】とやらをラグマリアの傍に置くと・・・箱がパカッと開き、中から光の粒子のような物が現れたのだ。その光はラグマリアを包み込むと・・・ラグマリアがどんどん修復されていくのだ。・・・あの光はもしや・・・カイザーと同じナノマシンなのだ? ナノマシンを使ってラグマリアを修復しているのだ?


・・・攻撃用の【兵器】だけではなく回復用の【兵器】まであるとは・・・完敗なのだ。


あっという間に修復が完了し、元に姿に戻ったラグマリアなのだ。良かったのだ。しかし・・・


「・・・修復、感謝シマス。シカシ、妹トイウ発言ハドウイウコトナノデショウカ?」


ラグマリアもしっかり聞いていた様なのだ。確かにラグエリスはラグマリアの事を妹と呼んだのだ。


「・・・その話は少し待ってください」


と言ってラグエリスは【機械神ガルヴデウス】の元へ行ったのだ。そういえばこれは試練だったのだ。・・・クリア出来なかったのは仕方が無いのだ。もっと強力な【兵器】を使ってリベンジするのだ。


「・・・マスター、戻リ次第、戦力アップノ相談ヲサセテクダサイ」


・・・おお、ラグマリアも悔しかったようなのだ。いつも飄々としていて、文字通り機械的なのに珍しいのだ。


「・・・お待たせしました」


ラグマリアの心境の変化に驚いていたらラグエリスが戻ってきたのだ。


「【機械神ガルヴデウス】様からのお言葉です。・・・試練こそクリア出来なかったが素質は十分、センスもあり情熱もある、ということで【加護】をお授けになるそうです」


【機械神ガルヴデウスの加護】

機械神の加護により【ヴァルマキナ】の力を増幅させる。

任意で発動可。

再発動時間:24時間


・・・右手の甲にデフォルメされた両口スパナのような印が出て来たのだ。これが【加護】なのだ? しかし、試練をクリア出来なかったのに【加護】をもらっても良いのだ?


「試練はあくまで貴方を試すためのもの。貴方の作る【兵器】を見せてもらえれば良かったのです。それでも戦闘の形式にしたのは・・・貴方に上を目指す意思があるかどうかの確認のためです」


・・・なるほどなのだ。あえて圧倒的な【兵器】を見せつけてもなお、心が折れないか確かめるつもりだったのだ?・・・意外と意地が悪いのだ。というか機械らしくないのだ。


「その加護は【眷属】たる【ヴァルマキナ】の力を増幅させる・・・リミッターを一時解除するといったほうが適切でしょうか? そう何度も使えませんので注意してください」


・・・それは凄いのだ。しかし、随分限定的な【加護】なのだ。やはり【機械神ガルヴデウス】は・・・


「・・・既にお気づきかもしれませんが、私達【ヴァルマキナ】は【機械神ガルヴデウス】により製作された戦闘用アンドロイドです」


「・・・!?」


「・・・やはりなのだ・・・ラグエリスやラグマリアにとって【機械神ガルヴデウス】は母親とも呼べる存在なのだ。だからラグマリアを妹と言ったのだ・・・」


自分の【眷属】ながら出自不明なラグマリアの事がようやく分かったのだ。


・・・この際白状してしまうのだが、我はβテスターの特典としてラグマリアを入手して【眷属】にしただけなのだ。【ヴァルマキナ】の正式な入手法を知らず、情報もなかったのだ。


その【ヴァルマキナ】の生みの親である【機械神ガルヴデウス】を見ると・・・やはり目をチカチカさせているのだ。


「・・・母親という言い方は半分正解です。【ヴァルマキナ】は製作されて初回起動した人間をマスターとします。【機械神ガルヴデウス】様は【ヴァルマキナ】を製作こそされましたが起動はしていないのです。だからこそ貴方がラグマリアのマスターになることができたのです」


・・・生みの親ではあるが育ての親では無い、ということなのだ? なんだか動物の刷り込みみたいなのだ。しかし、なんでそんな面倒な事をしているのだ?


「勿論【ガティアス】対策です。【機械神ガルヴデウス】様は自分が【ガティアス】に取り憑かれた時のことを想定し、自分を破壊しうる存在として製作されたのが・・・【ヴァルマキナ】です」


・・・さらっととんでもない事を言ってくれるのだ。ラグエリスもアンドロイドだからなのか淡々と・・・機械的に説明しているのだ。・・・それでは生みの親を殺す為に生み出されたと言っているようなものなのだ。・・・なんだか悲しいのだ。


「私は【ヴァルマキナ】第一号なので【機械神ガルヴデウス】様をマスターとしていますが・・・私の妹である他の【ヴァルマキナ】たちは、私や【機械神ガルヴデウス】様に関する情報はメモリーにも残っていないはずです。その理由は・・・お察しの通りです」


・・・いざ、戦闘になった時、躊躇しないためなのだ? しかし・・・


「・・・ならば何故、そのことを我に・・・いや、ラグマリアに話すのだ?」


「状況が変わったためです。【機械神ガルヴデウス】様は対【ガティアス】対策も行っていましたが、それだけが役割ではありません。他にも神としてやるべき事があるのです。しかし、ご覧の通り、過去の戦闘による損壊の為、支障が出ています。そこで、貴方がたの助けが必要だと判断されたのです」


そういえば最初に会ったときに頼みたい事があると言っていたのだ。と、そこにアナウンスが入ったのだ。


試練クエスト【機械神のパーツを収集せよ!!】

達成条件:世界に散らばった機械神の7つのパーツの入手

進捗:0/7

制限時間:無し


・・・むぅ、これはつまり・・・


「・・・つまり【機械神ガルヴデウス】の修理を手伝えと言う事なのだ?」


「有体に言えばそうなります」


・・・ふむ。ラグマリアの生みの親でもあるし事情が事情なのだ。・・・将来的に戦う可能性があるのがネックなのだが、必ずしもそうなるとは限らないのだ。


「勿論タダとは言いません。パーツを集めてきて頂けたら【機械神ガルヴデウス】様が設計された【最終兵器の設計図】を・・・」


「引き受けたのだ!!」


・・・ハッ! 思わず引き受けてしまったのだ。だがしかし【最終兵器の設計図】には興味ありありなのだ!!


「ありがとうございます。ではこれを・・・」


ラグエリスが渡してきたのは・・・モノクル? なのだ?


【機械神の解析モノクル ☆13】

機械神のパーツを判定、解析できるモノクル。

その他【兵器】のパーツの鑑定もできる。


・・・ふむ、これで【機械神】のパーツを見つけろと言う事なのだ? ・・・その他の部分も気になるのだ。後で確認してみるのだ。


あ、【機械神ガルヴデウス】も目をチカチカさせているのだ。ありがとうと言っているのだ?


「・・・【機械神ガルヴデウス】様から、貴方が製作された【兵器】についてお話したいそうです」


「?」


・・・そこから始まったのが我の【兵器】に対するアドバイス・・・もとい駄目出しだったのだ。


確かに言っていることは的確で、ラグエリスの持っていた【兵器】と比べられたらぐぅの音も出ないのだが・・・初心者が作った作品をベテランにボコボコに批評されたような気分なのだ。


そんな感じで、微妙にイライラしつつ我らはその場を後にしたのだ。


・・・最後にラグマリアが【機械神ガルヴデウス】にお辞儀をしていたのが印象的だったのだ。


・・・【機械神ガルヴデウス】の方は相変らず目をチカチカさせているだけだったのだが。


・・・いや、違うのだ。あの目の光り方は・・・規則的に・・・もしやモールス信号なのだ?


だとするのならラグマリアへのメッセージは・・・K・I・O・T・U・K・E・T・E?・・・KIOTUKETE・・・気をつけて、なのだ。


・・・意外と娘思いの神様だったのだ?


===視点切り替え & 回想終了===>アルク


「色々衝撃の事実だな」


「ラグマリアさんの出生が分かったのは良かったのですが・・・正直、複雑ですね」


やはりどの神様も【ガティアス】を警戒しているのか。


「アヴァンがβテスターだったのも意外だったけどね」


「黙っていたのは悪かったのだ。・・・ただ、実際の所、βの時と今のゲームの状況はかなり異なっているのだ。正直、βテスターだったからと言って役に立つ情報は無いのだ」


・・・まあ、αテスターだったアテナやアルマだってそうなんだし、別にβテスターだったからって、だからどうした、って感じだな。・・・特典があったのは素直に羨ましいが。


しかし・・・【最終兵器の設計図】か・・・【禁忌魔法】といい、俺たちヤバイ集団にはならないだろうか?


「【機械神の解析モノクル】は今、試している途中なのだ。・・・我からはこんな所なのだ」


アヴァンからの報告は以上のようだ。・・・アヴァンが微妙に不機嫌だったのは駄目出しのせいでもあったみたいだな。まあ、本人は触れて欲しくないみたいだし、そっとしておくか。


じゃあ、次は・・・


「はいはいはい! 次はボクが報告するっす!!」


アシュラか・・・元気が良いのは良いことなんだが・・・ちゃんと報告できるんだろうな?


作者のやる気とテンションを上げる為に


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