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アヴァンの場合:機械工房

===視点切り替え & 回想===>アヴァン


「・・・ラグマリアよ、目の前のこれはなんだと思うのだ?」


「・・・ドウ見テモ、扉デス」


【謁見の門】を抜けた我々であったのだが、目の前にあったのは・・・扉なのだ。しかも普通の扉ではないのだ。見るからに格納庫のような電動式の扉なのだ。


まず現状の確認なのだ。我々が今いる場所は建物の中のようなのだ。左右の壁や床にはパイプやダクトのような物がむき出しになっており、後方にはひたすら通路が延びているのだ。


どうやらここはどこかの施設・・・雰囲気からして研究所のようなのだ。そして目の前の扉なのだが・・・扉の横には0から9の数字が書かれた電卓のような装置が付いているのだ。おそらくパスワードを入力して扉を開く為の認証装置なのだ。


おまけに扉には貼り紙が貼ってあるのだ。


『お決まりのセリフを入力してください』


・・・これしか書かれていないのだ。手抜きが過ぎるのだ。第一、セリフを入力と書いてあるのに入力できるのが数字だけとはどういうことなのだ?


お決まりのセリフ・・・扉を開く時のお決まりのセリフなのだ? いくつかあるような気がするのだ・・・だが入力は数字なのだ・・・文字を数字に変換する方法もいくつか・・・こうなると考えられる答えはいくつもあるのだ・・・まあ、一度試してみるのだ。


「8、9、18、1、11、5、7、15、13、1・・・」


ピンポーン!!


・・・まさかの一発正解なのだ・・・セキュリティ低すぎるのだ。


「マスター? ナゼ入力パスワードガワカッタノデス?」


「・・・単純なのだ。お決まりのセリフを数字に直しただけなのだ。最初は日本語の五十音で数字を当てはめると思ったのだが、それだと数字が分からない箇所があったのだ。なのでローマ字に直し、アルファベット順に数字を入れていったのだ。それが正解だったのだ」


「・・・ナルホド・・・ソレデ、オ決マリノセリフトハ?」


「・・・ひらけごま、なのだ」


五十音の場合、ご、の濁点つきの文字の数字が分からなかったのだ。なのでHIRAKEGOMAで入力したらビンゴだったのだ。・・・当たっても嬉しくないくらい単純なのだ。


「何はともあれ、扉は開いたのだ。行くのだ、ラグマリア」


「了解デス」


我はラグマリアと共に扉の中へと入っていったのだ。


「・・・おうわ!? なのだ」


「・・・!?」


入ってすぐ驚いてしまった我と、我を庇う様に前に立つラグマリア。


それもそのはずなのだ。目の前にあったのは・・・でっかいロボットの首から上だったのだ。


ロボット・・・というよりはアンドロイドの首なのだ。つまり、肌は鉄のような金属なのだが、顔の作りは人間そのもの・・・ぶっちゃけ、巨人の生首が置かれているように見えるのだ。


その巨大アンドロイドの首が目を見開いて我々をガン見しているのだ。ホラーなのだ、恐怖なのだ。不気味の谷現象とはこういうことを言うのだ。


「はいはいはい、落ち着いてくださいねー!」


と、そこに第三者の声が聞こえてきたのだ。目の前の巨大アンドロイド・・・の首ではないのだ。でっかい口が動いていないのだ。


すると、巨大アンドロイドの首の後ろから現れた者がいたのだ。


その姿を見て驚いたのだ。それは女性型のアンドロイド・・・銀色の軽鎧のような装備、銀色の髪、そして何より見覚えのあるあの顔は・・・!?


「・・・何者なのだ?」


「私はラグエリス。そちらのラグマリアと同じ【ヴァルマキナ】です」


・・・ラグマリア以外で初めて見る【ヴァルマキナ】なのだ。しかもラグマリアの事を知っているようなのだ。


「そして、この生首みたいな物が貴方がたを呼んだ【機械神ガルヴデウス】様です。・・・今はわけあって修理中のため、自力で話すことも出来ませんが」


・・・様付けする割りに生首扱いはどういうことなのだ?・・・確かに良く見ると部屋の奥に巨大な機械の体や手足・・・の残骸のような物が見えるのだ。もしかしてあれが【機械神ガルヴデウス】とやらの体のパーツなのだ?・・・見事に五体バラバラなのだ。


・・・所で【機械神ガルヴデウス】とやらが目をチカチカ光らせているのだ。・・・挨拶のつもりなのだ?


「【機械神ガルヴデウス】様のヴは、ブ、ではなくヴ、なので気をつけて欲しいそうです」


・・・今のはただの呼び方の注意だったようなのだ。どうやらラグエリスという【ヴァルマキナ】は【機械神ガルヴデウス】と意思疎通できるようなのだ。


・・・しかし、今の呼び方の注意、どこかで聞いたような気がするのだ?


「ちなみにここは【機甲要塞マキナポリス】の修理工房です」


「【機甲要塞マキナポリス】?」


物凄く気になるワードなのだ。


「はい。詳細はまだ説明できませんが・・・【機械神ガルヴデウス】の住まう城だとお思い下さい」


・・・むう・・・詳しく聞くことは出来ないようなのだ・・・残念なのだ。・・・いや、まだと言っているのだから聞く機会はあるかも知れないのだ。


現状を整理すると、我らは【機械神ガルヴデウス】の城?である【機甲要塞マキナポリス】とやらに招待されたようなのだ。しかし、当の【機械神ガルヴデウス】とやらが何らかの原因で損壊し、修復中だから代わりにラグエリスが説明する、ということらしいのだ。


「・・・その【機械神】・・・様は何故修復中なのだ?」


とりあえず現状で一番気になることを聞くのだ。


「世界の敵たる【ガティアス】との戦闘による名誉の損壊です」


・・・【ガティアス】・・・なるほどなのだ。どうやら【ガティアス】が神々にとっても脅威というのは本当のようなのだ。・・・しかし、神をここまで追い込むとは相当強力な【ガティアス】のようなのだ。


「正確に言えば【ガティアス】に取り憑かれた【クランメカロイド】との戦闘によるものですが・・・」


・・・【ガティアス】に取り付かれた【クランメカロイド】・・・なのだ?・・・それはもしやアークカイザーの・・・ここは黙っておく事にするのだ。


・・・それにしても・・・このラグエリスとやらはラグマリアと同じ【ヴァルマキナ】らしいのだが随分と様子・・・否、性能が違うようなのだ。スペック以上に、どうもラグエリスの振る舞いや喋り方はより人間に近いのだ。ラグマリアは未だにカタコトな喋り方なのに、ラグエリスは流暢に感情の起伏を持った話し方をするのだ。


・・・レベルの違いなのだ? 装備の違い? それとも実は【ヴァルマキナ】の上位種族なのだ? もしくは・・・主の違い、なのだ?


「・・・色々考えているようですが、まずは貴方を呼んだ本題・・・試練のお話をしましょうか・・・貴方には頼みたい事もありますので・・・」


「頼み、なのだ?」


神が我に頼みごとをするのだ? 興味深いのだ。


・・・ところで、どうでも良いのだがさっきから【機械神ガルヴデウス】とやらの目がチカチカ光っていてうっとおしいのだ。


===視点切り替え & 回想終了===>アルク


「ほぉー、本命の神様だけじゃなく、ラグマリア以外の【ヴァルマキナ】にも遭遇したのか」


何気にラグマリア以外の【ヴァルマキナ】には会った事がないからな。情報も見つからないみたいだし結構謎な存在だったりするんだよな、ラグマリアって。


まあ、他にも【天龍馬】のアーテルや【剣鎧の精霊】のアウルのような謎な存在の奴もいるけど・・・あれ? 俺たちって結構謎な集団?


「うむ。そう言う意味でも収穫はあったのだ。・・・アークカイザーが本当に関係あるのかどうかは分からなかったのだ」


・・・本当に【機械神ガルヴデウス】をバラバラにしたのは【ガティアス】に取り憑かれたカイザーだったのか? 怖くて確認できない。カイザー自身もメモリが吹っ飛んでるから覚えてないだろうし。


「・・・問題は試練の方なのだ」


アヴァンが苦虫を噛んだような顔をしている。一体、どんな試練を受けたんだ?


「うむ、それをこれから話すのだ」


作者のやる気とテンションを上げる為に


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