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アーニャの場合:地竜帝の褒美

===視点切り替え & 回想===>アーニャ


「・・・ふぅー・・・あまりの衝撃に思わず燃え尽きてしまったわ」


「あ、復活したのです」


なんで燃え尽きたのかも、どうして復活できたのかも謎なのですが、元に戻って良かったのです。


「我は大変満足した。美味であった」


どうやら【地竜帝ドラント】さんの胃袋を掴む事が出来たようなのです。でも・・・


「食べ終わったらご馳走様でしたって言うのです」


「そうなのか? 人間とは不思議な儀式を行うのだな。ならば我も倣おう。ご馳走様でした」


別に儀式では無いと思うのですが、いただきますとご馳走さまは大事なのです。


「キュイー・・・」


「キュアー・・・」


「キュウー・・・」


あっとブランちゃんたちもお腹空いちゃったのです?


「あー、我に構わず好きにせい」


【地竜帝ドラント】さんのお許しが出たので早速料理を出すのです。メニューはさっき【地竜帝ドラント】さんに出した料理の残りなのです。きっと美味しいのです!


「キュイー♪」


「キュアー♪」


「キュウー♪」


皆おいしそうに食べているのです。良かったのです。


「・・・そやつらの分もとって置いたのか、ちゃっかりしておるな。まあ良い。少し話がある」


話なのです?


「無論、お前に渡す【加護】の話だ。・・・その前に問おう。お前は今後、何を目指す?」


なんだか急に将来の相談が始まったのです。でもアーニャの答えは決まっているのです。


「アーニャの目的はかっこかわいいドラゴンちゃんを集める事なのです! そしてアーニャの作った料理で皆を笑顔にすることなのです!!」


アーニャは堂々と言い切ります。アルクさんも自分の主張は胸を張って堂々と言い切るべきだと言っていたのです!


「・・・ぶれることなく、純粋に真っ直ぐに、か。・・・なるほど、その真っ白な心がドラゴンをひきつけるのかもしれん。よかろう、【加護】を授けよう」


【地竜帝ドラントの加護】

地竜帝の加護により竜の力を増幅させる。

任意で発動可。

再発動時間:24時間


アーニャの右手の甲に何か浮かんできたのです・・・これは・・・三つのお山・・・なのです?・・・あ、これ王冠のマークなのです!


「それが我の加護だ。お前の【眷属】のドラゴンの力を増幅することが出来る。ただし、一回につき一体だけだがな」


おおー! ブランちゃんたちをパワーアップさせる事が出来るのです!? すごい【加護】なのです!!


「ただこれだけだとお前向けというより、お前の【眷属】向けへの力となってしまうからな、もう一つこれもやろう」


【地竜帝ドラント】さんが言うと地面の一部が盛り上がりました。・・・いえ、めくれ上がったのです?・・・あ、取れちゃいました。


「これは? なのです」


「無論、我の鱗だ」


【地竜帝ドラントの鱗 ☆13】

強大な力を持つ地竜帝ドラントの鱗。

素材として使えば絶大な効果を発揮する反面、加工が非常に困難。


なんだか凄い物なのです。今まで見たことがないレアな物なのです。


「こ、こんな凄い物、貰っちゃって良いのです?」


「無論だ。好きに使うが良い。・・・あ、だがお前にくれてやったものである以上、他の者への譲渡や売却は禁止だ。その鱗を使って作った物も含めて、だ。もし破れば【加護】を取り消す事もあると思え」


・・・ふみゅー、残念なのです。きっと凄い武器を作れるのにアルクさんたちに使ってもらうことが出来ないみたいなのです。でもそうなるとアーニャも戦いは得意では無いので宝の持ち腐れになってしまうのです。


「・・・別に武器にする必要はなかろう。防具でも良いし・・・調理器具とやらでも良いのでは無いか?」


なるほどなのです! ドラゴンの鱗で作った調理器具なんて、とっても凄そうなのです。・・・ふにゃ? もしかしてその調理器具を持ってまた【料理】を作りに来いと言っているのです?


とりあえず、この鱗は大事に持ち帰ってアルクさんたちに相談するのです。


「・・・さて、お前の目的がドラゴンに起因するのなら丁度良い試練を与えよう」


【地竜帝ドラント】さんがそう言うとまたメッセージが出てきたのです。


試練クエスト【七大竜王と謁見せよ!!】

達成条件:【七大竜王】との謁見

進捗:0/7

制限時間:無し


「・・・【七大竜王】なのです? それって【白竜王】さんや【黒竜王】さんのことなのです?」


「ほう、知っていたか・・・いや、お前なら知っていてしかるべき、か」


【地竜帝ドラント】さんがブランちゃんとノワールちゃんを見ているのです。やっぱり関係あるみたいなのです。


「そう、【白竜王】や【黒竜王】を含む全ての【竜王】と会え。もしお前が奴らに気に入られれば・・・力を借りられるかもしれんぞ」


・・・アーニャは戦いが好きでは無いので力を借りる必要は無いかもしれないのです。でもブランちゃんたちを【竜王】さんたちに会わせるのは決定事項なのです。だから言われるまでもなく【竜王】さん達に会いに行くつもりなのです。


「・・・ふむ、まあ【竜王】たちと会うのはそれなりに苦労するであろう。【眷属】たちを鍛えておくが良い。さあ、もう用は済んだであろう? 帰り道を用意しよう」


【地竜帝ドラント】さんが言うと今度は門が地面から生えてきたのです。これが帰り道のようなのです。


「わかったのです。ブランちゃん、ノワールちゃん、テールちゃん、お暇するのです」


「キュイ!」


「キュア!」


「キュウ!」


みんなを促して門へ向かうのです。


「・・・最後に耳よりな情報をもう一つ」


・・・【地竜帝ドラント】さんはまた何か言い出したのです。サービス精神旺盛なのです。


「【幻獣界】には【宝獣】と呼ばれる【美食幻獣】よりも更に特殊なモンスターが存在する」


「・・・【宝獣】・・・なのです?」


ごくり、と知らず知らずのうちに喉を鳴らしてしまったのです。


「うむ。神々ですら容易に手を出せぬほど強力なモンスター・・・しかし、その味は・・・天上の神々をも骨抜きにするという・・・」


・・・そ、そんな凄いモンスターがいるのです!?


「お前には強き仲間がいるのであろう? 力を蓄え挑戦してみるが良い」


・・・そしてその料理を【地竜帝ドラント】さんに持って来いと言っているのです? 【地竜帝ドラント】さんも食べたいのです? さっきわが生涯に悔いなしとか言ってたのにです。


でもこれは凄い情報なのです! きっとみんな喜ぶのです!!


アーニャたちは意気揚々と門を潜り抜けたのです。


===視点切り替え & 回想終了===>アルク


「良し!これから【幻獣界】に行くぞ!!」


そして【宝獣】とやらをこの手に!!


「それはさっきやったのだ、アルク」


「気持ちはわかるんですけどね・・・」


「ボクも行くっすよ! アニキ!!」


・・・クッ! 俺の気持ちを共感してくれるのはアシュラだけなのか!?


「だから気持ちは分かるって言ってるでしょ?」


「多分、今の私達が行って見つけても返り討ちですよ。だから力を蓄えて、と言われたんだと思いますよ?」


・・・む? 確かに神々ですら容易に手を出せないと言ってるからな。今の俺たちでは厳しいか。


「・・・仕方が無い。大人しく【美食幻獣】とやらを探す所からはじめようか。それにしてもアーニャ、随分、良い物を貰ったみたいだな」


【加護】もそうだが、ドラゴンの鱗・・・素材としては最高ランクだな。ガットの奴が血の涙を流しながら欲しがりそうだ。・・・俺もだけど。まあ、アーニャが貰ったものだから取り上げる事なんて出来ないけどな。


「すっごい話題転換なのです。・・・確かに凄いのです。でも【加護】はともかく鱗の方はどうすれば良いのか、分からないのです」


・・・少なくとも俺たちの中に調理器具に加工できるようなメンバーはいないからな。素直に【アイゼンガルド】に依頼するしかないのだが・・・まあ、ガットやヴィオレなら持ち逃げの心配は無いだろう。問題は調理器具なんて作れるかどうか、だが・・・頼むだけ頼むべきだろう。


「まあ、それは後でガットやヴィオレに相談しよう。俺たちが良く知ってる一番の生産職人だしな」


「わかったのです」


さて、アーニャの話は終わったみたいだ。次は・・・


「我なのだ」


アヴァンが名乗りを上げた。・・・それは良いのだが、微妙に不機嫌そうだな? 一体何があったんだ?

作者のやる気とテンションを上げる為に


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