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アルマの場合:魔法神の考え

===視点切り替え & 回想===>アルマ


「いやいや、中々面白かったよー」


「・・・そうですか」


「ピュイー・・・」


試練を終えてまた元の・・・本棚だらけの謎空間に戻ってきました。・・・それは良いのですが、なんだか見せ物にされたようで気分はあまりよくありません。試練なのだから仕方が無いのでしょうが・・・


それにクリアできたのは良いのですが正直、疲労困憊です。【魔法】の連発と【ポーション】による回復をひたすら繰り返してなんとか・・・あのまま続いていたら危なかったでしょう。【デーモン】1体1体も結構強かったですし。


「いやいや、君たちも中々強かったと思うよ? あの【デーモン】たちにはこっそり【強化魔法】をかけてたのに」


・・・そんな【魔法】までかけていたのですか・・・まったく気が付きませんでした。そしてこの神様は存外、意地が悪いように思います。私が見たことも聞いたこともない【魔法】を駆使しているのは素直に凄いとは思うのですが・・・


「僕は全ての【魔法】を使えるからね」


・・・さらっと凄いことをおっしゃっていますが・・・【魔法神】なら当然でしょうか。


「・・・それで【加護】を貰えるのでしょうか?」


「んんー? そうだねー・・・一つ聞いてもいいかい?」


【魔法神ウルザード】は考える素振りを見せながら私に質問してきます。


「何ですか?」


「君は今後、【魔法】を極める気でいるのかな? 君の仲間は【武術】を使ったり、【兵器】を使ったりしているけど・・・【魔法神】である僕は当然、【魔法】が一番だと思っているけど、君はどうかと思ってね」


・・・なるほど。【魔法神ウルザード】は私が【魔法】以外にも手を出さないか心配しているのですね。・・・いえ、正確には【魔法】の探求をやめてしまわないか、と。


確かに私は【魔法神ウルザード】のように【魔法】が一番強いとは思っていません。他よりも劣っているとは思いませんが・・・例えばアルクさんと【魔法】勝負をすれば勝つ自信はありますが、純粋に何でもありの勝負であるならば、勝てる見込みは低いと言わざるを得ません。


それは【魔法】云々の問題ではなく、本人のレベルと研鑽の差なのですが・・・強さを追い求めるために様々な事に挑戦すること、または強さのために一つの物事を極めんとすること、どちらがより高みに登れるのか、私には分かりません。ですが・・・


「・・・少なくとも中途半端に投げ出すつもりは無いですよ? 【魔法】職が一番自分に合っていると思っていますしね。それに私が所属しているクラン、【アークガルド】の中で私が一番貢献できる分野でもありますしね。何より・・・」


「何より?」


私は臆することなく答えます。


「・・・アルクさんは言いました。自分の楽しみを優先しろって。【アークガルド】は義務や責任を持って集まった集団ではなく、自分たちがやりたい事をやるために集まった集団だと。私は【魔法】を使うのが楽しい。楽しいうちは【魔法】を手放すつもりはありません」


私の言葉を聞き【魔法神ウルザード】・・・


「・・・アーッハッハッハッハ!!!」


盛大に笑い転げていました。・・・やはりむかつきますね、この神様。


「義務や責任ではなく楽しい、が優先か。なるほどね・・・良いだろう、君に【加護】をあげよう」


何がそんなにおかしいのか、【魔法神ウルザード】はククク、と笑いながら私に手を向けました。


すると、私の右手が光だし、手の甲になにやら浮かび上がってきました。


「これは・・・クラブ、ですか? トランプのスートの」


私の右手の甲には何故かトランプの絵柄の一つ、クラブが浮かび上がっていました。


【魔法神ウルザードの加護】

魔法神の加護により魔法の力を極大化できる。

任意で発動可。

再発動時間:24時間


【メニュー】を開いて説明を読んでみますが・・・極大化?


「簡単に言えば、一度だけ君の使用する【魔法】をパワーアップさせる事が出来るってことだね。君も知ってのとおり同じ【魔法】でも使う者によって威力は異なるだろう? その加護はその威力を増大させる為のものだね。・・・君に分かりやすく言うなら・・・強化(バフ)効果の超強力版だね」


・・・つまり、一回だけの必殺技ですか。アルクさんのスキルに似ていますね。・・・しかし、自分で超強力とか言ってしまうんですね。


「気をつけないといけないのは威力は上がっても特性自体は変わらないって事だね。例えば君が【火魔法】を極大化して放っても、【火属性】がまったく効かない相手だったら、まったく無駄になる」


なるほど、それで強化(バフ)の強力版なのですね。使い方については考えないといけませんがこれはかなり強力な切り札になりますね。


「その【加護】があれば、君に言い渡す試練に・・・そして、君が知りたがっていた【禁忌魔法】について知る手助けになるだろう」


「え・・・?」


と、そこに再びアナウンスが。


試練クエスト【七大罪の悪魔を討伐せよ!!】

達成条件:【七大罪の悪魔】の討伐

進捗:0/7

制限時間:無し


「【七大罪の悪魔】・・・ですか」


つまり、7つの大罪を司る【悪魔】。


「そう、【デーモン】たちの親玉にして、【デーモン】たちとは一線を画す存在だよ。その存在は神々でさえも手を焼くほどだ」


・・・そんな相手を倒して来い、と?


「代わりと言っては何だけど【禁忌魔法】に関する情報を握っているのも彼らなんだよ」


・・・むぅ・・・【禁忌魔法】にそんな大物が関わっているなんて・・・私の予想以上に大事になってきました。・・・あれ? そういえば・・・


「そういえば、貴方は全ての【魔法】を使えるんですよね? 【禁忌魔法】は・・・」


「勿論使えるよ? 使ったことは無いけど」


・・・あっさり認めました。しかし、使えるのに使ったことがないとは・・・?


「それだけヤバイ【魔法】ってことさ。今後使うことがあるとしたら・・・【ガティアス】の大量発生による世界の危機、ぐらいじゃないかな?」


・・・それほど危険なのですか、【禁忌魔法】というのは・・・いえ、そんな【禁忌魔法】を使わざるを得ないほど【ガティアス】は危険ということでしょうか?


その後、いくつかお話をして【魔法神ウルザード】とはお別れしました。


肝心の【七大罪の悪魔】や【禁忌魔法】については自分で調べろの一点張りでしたが。


最後に【魔法神ウルザード】はこんな事を言っていました。


「人間の道具と同じで【魔法】も最初は単純なことしかできなかった。水をすくったり、火をつけたり、物を切ったり・・・狩りの武器にしたり、ね。それらは年月を経るうちにどんどん進化していった・・・。そう、【魔法】も進化していくんだよ」


だけど、と【魔法神ウルザード】は付け加えます。


「しかし、その一方で【魔法】というものがまったく存在しない世界もある。そしてそんな世界でも人間たちはちゃんと生きている。まあ、代わりの何か、が存在していて人間はそれらを文化、と呼ぶんだろうけど・・・そうなると【魔法】って言うのは一体なんなんだろうね?・・・そして【魔法】っていうのはどこまで進化するんだろうね?」


===視点切り替え & 回想終了===>アルク


「と、こんな感じでした」


「神様って別れ際に必ずなんか言わないといけないのか?」


しかも【魔法】のアイデンティティを問うような内容の発言。・・・哲学的な問題なのか?


「ちなみに、アテナと同じくお供え物?を渡しはしたのですが、本が汚れるから後で頂くよ、で終わりました」


ふむ、【魔法神ウルザード】は食い物で釣られなかったか・・・残念。


それにしても【七大罪の悪魔】か・・・【七大天使】がいるのなら、とは思ったがやはりいたか。・・・どこにいるのかは分からんけど、神々も手を焼くって・・・


「ああ、それと【禁忌魔法】を無闇やたらに聞きまわるのはやめた方が良いと言われましたね。何でも、場所によってはその名前を出しただけで処刑されてしまうんだとか」


マジかよ。どんだけ危険視されてんだ【禁忌魔法】。


「・・・話を聞く限り、【魔法】というものは【魔法神ウルザード】とやらが作りだしているというわけではないのだ?」


「そうみたいですね。【魔法神ウルザード】はあくまで管理をしている、と言う感じでした」


それでも全ての【魔法】を使えるって言うんだから、【魔法神】と呼ばれるだけのことはあるな。だが当の【魔法神】自身も【魔法】の行く末は分かっていないみたいだが。・・・全ては【魔法】を使う人間次第ってことかな・・・


「私からはこんな所ですね。【加護】についてはまだ試していないのでまた今度報告します」


「ありがとう、アルマ。じゃあ、次は・・・」


「ハイなのです! こんどはアーニャが発表するのです!!」


今度はアーニャか。・・・なんだかアーニャが元気一杯に手を挙げると微笑ましく見えるのは何故だろうか?


作者のやる気とテンションを上げる為に


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