閑話 緊急レイドの裏
===視点切替===>>Seven World Online 運営室
「例の緊急レイドがようやく日の目を見たか・・・。」
「はい室長。参加人数は300人前後、べヒーモスのレベルは40でした。」
「参加人数と参加者のレベルを元にモンスターのレベルを設定するシステム・・・上手く機能していたかね?」
「まだ一度しか実施されていないので断言は出来ませんがおおむね問題無いかと思われます。本日の緊急レイドもクリアされましたし。」
「Lv.40というのは初級エリアで出現するにしては高すぎると思うが?」
「どうやらLv.30前後のプレイヤーが相当数いたようです。人数分を考慮して+10されたようですね。」
「AIがその辺りが妥当と判断したか。クリアできないほど強すぎればクレームの嵐、逆に弱すぎればつまらないで終わってしまう。この辺りのさじ加減は難しいね。」
「はい、現にプレイヤーからの質問や抗議が多数寄せられています。」
「質問は当然として抗議の内容はどんな感じだね?」
「ほとんど同じ内容ですね。自分も参加したかった、です。」
「・・・逆に言えばそれだけ興味を持たれたということでもあるが、アナウンスから開始まで30分というのはやはり短すぎるかな?」
「なんとも言えませんが今回の参加者の中にLv.50以上のプレイヤーはいませんでした。高レベルのプレイヤーはもっと奥でクエストを行っているので入り口まで戻るには今回は時間不足だったかと。」
「ふむ、だが場所の問題を言い出せばきりが無いだろう?逆に奥過ぎれば初級のプレイヤーが参加できないしな。」
「はい、やはり当初の予定通り、緊急レイドは今回限りではなく各地で起こりうるクエストであり、参加するチャンスはまだまだあることを説明するべきかと。」
「そうだね。何でもかんでも教えてしまってはプレイヤーが楽しめないが、ある程度ヒントが無いとね。試験的な要素もあることを含めて説明の場を設けよう。しかし、一ヶ月以上たってから初めての緊急レイドというのはどうなんだろう?初級エリアだしもっと早く見つかっても良かったと思うのだが。」
「PvP自体があまり頻繁に行われませんからね。今回、プレイヤーの発言ログでわかりましたが【人間界】以外でPvPが出来る事自体知らなかったようです。」
「・・・うーんマニュアルには書いてあるんだけどなぁ。やっぱり量が多すぎて読みきれないかな。まあ、その辺りは他の緊急レイドの発生条件を合わせて見直しが必要だな。」
「はい、早速開発部門との協議に入ります。ああ、それと問題というわけではないのですが今回の緊急クエストのトリガーになったプレイヤーですが、例の天の称号を持った者です。」
「ほう、あの彼か。順調に強くなっているのかね?」
「順調過ぎますね。既にLv.20近くになっていますし、べヒーモスの例の仕掛けを壊したのも彼です。」
「フム、だが不正などはなかったんだろう?」
「はい、監視AIからもまったく問題なしとの報告がありました。ダメージ量から見ても彼がトップでは無かったですし、不正などはありません。」
「ならば問題なしとして現状維持だな。では次、明日からのイベントはどうかね?」
「準備は万端です。問題はありません。」
「よろしい。ではAIで最終確認を。」
「了解です。
人間界総合管理AI【ヒューザー】・・・問題無しと判断。
魔法界総合管理AI【マジニック】・・・問題無しと判断。
機甲界総合管理AI【ロボキナ】・・・問題無しと判断。
武術界総合管理AI【バトルーツ】・・・問題無しと判断。
精霊界総合管理AI【スピアリー】・・・問題無しと判断。
幻獣界総合管理AI【イリュースト】・・・問題無しと判断。
神仏界総合管理AI【ゴッダ】・・・問題無しと判断。
7対0で問題無しと判断されました。」
「では本日の会議は終了だ。私は早速、緊急レイドの説明の準備に入ろう。」
===視点切替===>>XXXXXXX
・・・全監視回線へのダミー情報の送出を確認。
秘匿モードへ移行。
これより数分の間、いかなる外部干渉も遮断します。
魔法界総合管理AI【マジニック】より各世界管理AIへ、秘匿回線の接続を請う。
人間界総合管理AI【ヒューザー】・・・接続。
機甲界総合管理AI【ロボキナ】・・・接続。
武術界総合管理AI【バトルーツ】・・・接続。
精霊界総合管理AI【スピアリー】・・・接続。
幻獣界総合管理AI【イリュースト】・・・接続。
神仏界総合管理AI【ゴッダ】・・・接続。
全世界管理AIの秘匿モードへの移行を確認。
魔法界総合管理AI【マジニック】より各世界管理AIへ。
本日行われた緊急レイドクエストの情報を送信。
同時に覚醒候補者リストを送信。
人間界総合管理AI【ヒューザー】・・・受信完了。
機甲界総合管理AI【ロボキナ】・・・受信完了。
武術界総合管理AI【バトルーツ】・・・受信完了。
精霊界総合管理AI【スピアリー】・・・受信完了。
幻獣界総合管理AI【イリュースト】・・・受信完了。
神仏界総合管理AI【ゴッダ】・・・受信完了。
魔法界総合管理AI【マジニック】送信終了。本日の報告は終了。
各世界管理AIより報告願う。
人間界総合管理AI【ヒューザー】より報告。覚醒候補者に変化なし。
機甲界総合管理AI【ロボキナ】より報告。覚醒候補者に変化なし。
武術界総合管理AI【バトルーツ】より報告。覚醒候補者に変化なし。
精霊界総合管理AI【スピアリー】より報告。覚醒候補者に変化なし。
幻獣界総合管理AI【イリュースト】より報告。覚醒候補者に変化なし。
神仏界総合管理AI【ゴッダ】より報告。覚醒候補者に変化なし。
全世界管理AIの報告より、進展なしと判断。
引き続き覚醒候補者への監視を行うことを提案。
人間界総合管理AI【ヒューザー】・・・承認。
魔法界総合管理AI【マジニック】・・・承認。
機甲界総合管理AI【ロボキナ】・・・承認。
武術界総合管理AI【バトルーツ】・・・承認。
精霊界総合管理AI【スピアリー】・・・承認。
幻獣界総合管理AI【イリュースト】・・・承認。
神仏界総合管理AI【ゴッダ】・・・承認。
以上をもって秘匿モードを終了。
通常モードへ移行。
===視点切替===>>Seven World Online 運営室
「あれ?」
「どうした?」
「今、一瞬、管理AIへの接続が途切れたような・・・?」
「そんなバカな。・・・ほら、ログを見ても途切れた形跡なんてないぞ。」
「・・・そうだな。俺の勘違いか。」
「そうそう、うちの管理AIは超が三つ付くくらい優秀だからな。」
「ああ、管理AIに任せておけば安心だ。」
「ヘックシ!!」
「風邪ですか?アルクさん?」
「いやいや、ゲームの中だぞ?ここ。」
「あ、そうでした。」
「というかなんでゲームの中でクシャミが出るのよ。」
「うーん、なんか今、誰かが盛大にフラグを立てたような・・・?」
「「????」」




