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アテナの場合:聖護神の加護

===視点切り替え & 回想===>アテナ


「【リバイブ】」


・・・【ドミニオン】によって倒された私とレオーネだったけど、【聖護神セラフィナ】によって死に戻る前に復活した。


・・・さっき、までの【回復魔法】もそうだったけど【聖護神セラフィナ】は【蘇生魔法】までもいとも簡単に使うわね。回復も復活も一瞬だったし。さすが神様。


「・・・ありがとうございます」


「・・・ガオォ・・・」


とはいえ、負けたのは素直に悔しい。しかもまだまだ先があったはず。・・・志半ばってこういうことを言うのね。


「フフフ、そこまで悔しがる事は無いでしょう? 正直、【ドミニオン】を2体も倒すとは思っていませんでした。残り1体も惜しい所まで行きましたし・・・末恐ろしいくらいですよ?」


・・・と言ってくれてはいるが、【ドミニオン】も十分に強かった。いいえ、その前の【ヴァーチャーズ】も【エクスシア】も・・・【アルケー】も・・・


というかあんな軍団をさらっと作り出せてしまう目の前の神様が一番恐ろしいのだけれど・・・


「さて、今の試練で貴方の実力は分かりました。【眷属】からも慕われているようですしね。・・・そういえば何故【神眼】を使わなかったのですか?」


「あっ!」


しまった・・・せっかく取得した【天使】の【種族スキル】・・・忘れてた。


「・・・ま、まあ、未熟ではありますが貴方の本気は伝わりました。諦めず戦い抜こうとする姿勢、【眷属】への気配り・・・私が認めるには十分です」


「じゃあ・・・!!」


「ええ、加護を授けましょう」


【聖護神セラフィナ】の言葉と共に私の右手が温かな光に包まれる。


『【聖護神セラフィナの加護】を手に入れました』


アナウンスと共に右手の甲に紋章のような物が浮かび上がる。・・・どうしてハートマークなのかしら?


・・・なんにせよ【メニュー】を開いて早速効果を見てみる。


【聖護神セラフィナの加護】

聖護神の加護により聖なる兵士を作りだすことができる。

任意で発動可。

再発動時間:24時間


・・・え? これってもしかして・・・私は【聖護神セラフィナ】を見る。


彼女は微笑みながら頷く。


「そう、貴方に渡した【加護】は今しがた貴方たちが戦った【エンジェル】を生み出す加護です。貴方の剣となり盾となり、貴方の望みを果たすのに役立つ力となるでしょう」


・・・凄い! 今しがた戦ったからこそ、その有用性が良く分かる! こんな力がもらえるなんて・・・


「注意点としては【エンジェル】は貴方の分身とも言える存在。貴方の生命力、気力、魔力、霊力を分け与えることで生まれる存在。分け与える力の量によって【エンジェル】の強さが変化します。大量に生み出すと一体一体の【エンジェル】は弱くなります。逆に強力な【エンジェル】一体を生み出すことも出来ますが、貴方自身の力量以上の【エンジェル】を生み出すことができません。何より本体であるあなた自身の力が下がってしまう事を忘れないで下さい」


・・・なるほどね。私のHP、BP、MP、LPを分け与えて生まれる兵士、か。使いこなせれば強力だとは思うけど、これは力の配分を間違えるとかえって不利になるわね。どういう配分でどれだけの【エンジェル】が生まれるのか練習が必要みたいね。・・・って、再発動時間が24時間ってことは一日一回しか使えないってことよね? つまり練習は一日一回だけ・・・結構シビアね。


・・・というか、今私達が戦った【エンジェル】たちって【聖護神セラフィナ】が作り出したのよね? あれだけの【エンジェル】たちを作りだして、更に私達の回復や蘇生までやって平然としてるなんて・・・文字通り格が違うってことかしら?


「扱いには十分気をつけてください。一度作りだした【エンジェル】たちは、もう戻す事ができません。不用意に【加護】を使えば不利になるだけです。・・・貴方には仲間や【眷属】だっているのだし、【加護】だけに頼ることはないのです」


・・・あまり調子に乗って【加護】に頼り切るなって事かしら。確かに状況によっては【エンジェル】を生み出すよりレオーネを【眷属召喚】したほうが頼りになるでしょうね。


「・・・ガオゥ・・・」


レオーネが不安そうに私を見つめる。・・・その【加護】があれば自分は要らない、と思ったのかしら?


「大丈夫よ。私はいつも貴方を頼りにしてるわ」


「ガオ♪」


私はレオーネの頭を撫でながらそう答える。これは本当の事だ。なにせ私の唯一の【眷属】だしね。


「さて・・・私からの試練は以上ですが、貴方が更なる力を求めるのならその道しるべを与えましょう」


「更なる力、ですか?」


まだ何かあるのかしら?


「ええ・・・【七大天使】を探しなさい」


「【七大天使】?」


【七大天使】ってリアルでも有名な天使達の事?


「そう・・・正確には【神仏界】を除く6つの世界のどこかにある【七大天使の羽】を集めるのです。その羽を持って【神仏界】を訪れれば【七大天使】に会うことが出来るでしょう。・・・そして彼らに認められれば更なる力を得られるでしょう」


試練クエスト【七大天使の羽を探し出せ!!】

達成条件:【七大天使の羽】の発見

進捗:0/7

制限時間:無し


またアナウンスが・・・【七大天使の羽】?っていうキーアイテム・・・かしら? それを集めれば良いって事ね。・・・6つの世界のどこかっていうのが気になるけど。


「・・・その【七大天使】の名前を教えてもらってもよろしいでしょうか?」


一応の確認。もしかしたらリアルでの天使とゲームの中では違うかもしれないし。私の問いに【聖護神セラフィナ】は微笑みながら答えた。


「それを探すのも試練です」


・・・そうですか。


「・・・戦いを私は好みませんが、【ガティアス】の脅威から世界を守る為には闘う力も必要となります。・・・どうかその力で【ガティアス】の脅威から世界を守ってください」


・・・そういえば【ガティアス】は神様たちにとっても敵なんだっけ? ああ、だから犠牲を嫌いながらも、戦う力を欲する私を応援するのね。


「・・・さて、私からは以上でしょうか? 他に聞きたいことはありますか? なければ帰りの門を出しますけど」


「そうですね・・・せっかくですからもう少しお話を・・・あ、良かったら()()もどうぞ」


そう言って取り出したのはアーニャが作ったお菓子やジュース。アルクにお供え物だと言って持っていくよう言われた物だ。・・・神様相手に食べ物で釣るのはどうかと思ったけど・・・


「まあまあ! よいわねぇー! それじゃあお茶にしましょうかー!!」


・・・すごいテンションが上がってる。神様も美味しい物は好きらしい。


この後、地面に降りてどこからか取り出したテーブルとイスでお茶会になったんだけど・・・あんまり情報は聞き出せなかったわ。ほとんど雑談?


「良い? 人が本当に強くなれるのはレベルが上がった時でもスキルを覚えた時でもないわ。それは・・・」


「・・・それは?」


「愛よ!!!」


「・・・愛、ですか?」


「そう、どんな困難辛酸苦難苦行も愛さえあれば乗り越えられるわ!!」


と、こんな感じでひたすら愛の重要性を説かれた。そんなこと言われても・・・と思いつつ、【聖護神セラフィナ】の話をしばらく聞き続けた・・・あんまり有益な情報は無かったけど。


・・・【聖護神セラフィナの加護】がなんでハートマークなのかは良く分かったわ。


しばらく話をして、【聖護神セラフィナ】が満足した所で私とレオーネと一緒に【エデンの園】を後にした・・・【エンジェル】との戦いより疲れたわ。


===視点切り替え & 回想終了===>アルク


「駆け足で説明したけど、私の時はこんな感じだったわ」


「・・・愛って凄いんだな」


「・・・アルクさん、突っ込み所はそこではありません」


いやー、むしろそこしか突っ込む所が無いのでは? ・・・愛を説くとはさすが神様。


「んで? 【聖護神セラフィナの加護】を試してはみたのか?」


「ええ、これよ。【聖護神セラフィナの加護】よ、聖なる兵をここに」


と言ってアテナは実際に見せてくれた。アテナが右手を前に出すと、右手の甲にハートマークが浮かび、右手の先に光が集まっていく。


光が集まり、人の形となり、やがて光が弾けた。・・・そこにいたのは確かに武装した【天使】・・・いや、【エンジェル】だった。


「持ってる武器は生み出す時に選択できるみたい。防具や姿形は固定みたいね。より多くの力を割り振れば【アークエンジェル】になるんだけど・・・今の私じゃそれ以上は無理みたい」


・・・ふむ、確かに目の前の【エンジェル】はそれほど強そうには見えないな。【神気】は感じるけど極わずかだ。


「・・・所で、この【エンジェル】って男なのか? 女なのか?」


顔が覆われているから見た目からは判断しにくい。見た目は・・・ちょっと小柄の男性のようにもちょっと大柄の女性のようにも見える。体の特徴が中性的だからだ。男性のような筋肉質でもないし、女性のように胸があるわけでもない。ザ・平均、といった容姿だ。


「性別は無いみたいよ? あくまで一時的な存在だから、らしいけど」


アテナがもう一度【エンジェル】に右手を向けると、【エンジェル】は光となって消えていった。なるほどね。


「【七大天使】っていうのも興味深いが・・・その話は後にしようか。どうせ情報に関してはラングにも聞かないといけないだろうし・・・で、次は誰にする?」


アテナの話が終わったので次に報告する人を求める。


「では、私が」


次に手を挙げたのはアルマだった。


作者のやる気とテンションを上げる為に


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