表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
253/797

ゴーバックホーム

===移動===>【始まりの地】


「・・・ふぅー、戻ってきたみたいだな」


俺たちが出たのは、来た時と同じ【謁見の門】の前だった。【進化の神殿】や【試練の塔】も見える。


全員が出たところで開いていた【謁見の門】の扉が閉じる。


タラリラッタリー!!


そして鳴り響く謎の効果音。・・・やっぱりいらねぇだろ、この演出。


「お戻りになられましたか・・・よくご無事で」


と声の方を見るとそこにはラグエルさんが。・・・あんまり無事ではないんだが・・・いろんな意味で。


「ただいま戻りましたラグエルさん・・・他の連中は戻ってきましたか?」


やはり気になるのは他の連中の安否だ。


「えーっとすいません。私も常時ここにいるわけでは無いので、どなたが戻ってきているかは分かりません」


・・・そうか、この人・・・もとい【天使】は案内役でもあったな。他のプレイヤーとかの案内とかもあったのだろう。


「なにせ【謁見の門】をくぐられた方の七割が、門から出てきませんからねぇ」


・・・どういうことだ、それは。門から出てこれず閉じ込められるって事か?・・・あ、死に戻り? 神様の力で直接ホームに戻される? あー、良かった。・・・七割のプレイヤーが死に戻るのか。


【神仏界】・・・恐ろしい所よ。


「・・・コレカラドウシマスカ? マスター?」


【神仏界】の恐ろしさを再認識している俺にカイザーが尋ねてきた。


「・・・一旦、ホームに戻るか。他の奴らも先に出て来てたらホームに戻ってるはずだしな」


何せ【神仏界】には待ち合わせになるような場所(カフェ的な)がないからな。まさか道の真ん中でぼけーっと突っ立てるわけにも行かないし。


「クルー!」


「だう!」


「了解デス」


と言うわけで俺はアーテル、アウル、カイザーを引き連れて一旦戻る事にした。


「またのお越しをお待ちしています」


・・・できればしばらくは遠慮しておきたいかな。つーか、ラグエルさん。どっかの店員みたいだな。


===移動===>【アークガルド】クランホーム


やっと戻ってまいりました、我らがクランホーム!


・・・おかしい。数時間ぶりのはずなのに何故か一ヶ月ぶりくらいに感じる(メタ発言)。


「がおー!」「ピュイー!」「キュイ!」「キュア!」「キュウ!」


「あい!」「まう!」


「オカエリナサイマセ」


ちょっとした浦島太郎的な気分を味わっている俺たちを出迎えてくれたのはレオーネ、フィオレ、ブラン、ノワール、テール、ミコトちゃん、ルドラくん、そしてラグマリアだった。・・・みんな揃ってるじゃん。・・・どうやら戻ってきたのは俺たちが最後だったようだ。


「ただいま・・・他の奴らは?」


この場・・・庭にいたのは【眷属】たちだけだ。主たるアテナたちの姿が見えない。


「皆様ハ会議室デオ待チデス。・・・皆様、オ疲レノヨウデ・・・」


・・・ああ、そうだよな。俺も疲れた。


「そうか・・・じゃあ、俺たちも解散だ。アーテルたちも自由にして良い。俺は会議室に行くが」


「クルー♪」


「だう♪」


「了解デス」


アーテルとアウルはレオーネたちのところに走っていった。・・・あ、【フツノミタマ】をアウルに渡したままだった。・・・まあ、良いか。なんか自慢げにレオーネたちに見せてるし。


カイザーはラグマリアと話している。・・・なんか改造がどうこうとか、武装強化がどうこう聞こえてくるが・・・カイザーにも思うところがあるのだろう。


【眷属】たちの様子にほっこりしながらも俺は二階の会議室に足を運ぶ。


「おいーっす・・・うわぁ・・・」


そこにいたのはいかにもお疲れといった感じでテーブルに突っ伏したり、ぼけーっとしたりしているクランメンバーの姿だった。


「・・・あ、お帰り」


「お帰りなさい、アルクさん」


・・・大分お疲れのようだ。アテナもアルマも声に元気がない。


「おかえりなさいです、アルクさん」


「・・・」ブツブツブツブツ


いつも元気一杯なアーニャまで・・・そしてアヴァン、何をブツブツ言ってるんだ? 気味が悪いぞ?


「お疲れ様っす・・・アニキ・・・」


「ハハハ・・・お疲れ様です」


アシュラまで元気がないとは・・・アスターは何故そんな燃え尽きたみたいになってんだ?


うーむ、俺もそうだったが皆もそれぞれの神様の所に行って大変な目に合ってきたようだな。いつもだったら一区切りした段階で祝杯宴会へと突入していたんだが・・・みんなもう、そんな元気ないみたいだな。


「・・・みんなお疲れ。いつもならここで報告会なり宴会なりに突入してるんだろうが・・・そんな余力もないみたいだな。・・・最後に戻って来て言うのもなんだが・・・皆無事だったみたいだし・・・今日は解散しようか」


「「「「「「・・・異議なし」」」」」」


返事にも覇気がない・・・一体お前達の身に何があったんだ。


順次ログアウトしていくメンバーたち。


俺はどうしようか・・・あ、一応ラングたちにメール送っとくか。えーっと『我ら無事帰還せり。疲労困憊につき詳細は後日にて候』っと。送信。


・・・なんで昔風なのかって? 特に意味は無いよ?


あとは・・・アーテルたちに差し入れするか。【眷属】の皆もサポート頑張ってくれたんだろうし。


・・・にしても【神仏界】・・・独特な世界だったな。


神聖で荘厳な世界に思えるのはあの【神気】ってやつのせいだろう。


この【神気】ってやつが未だに謎なんだよなぁ。ゲーム的な話ではなくリアルな話として。


どうも【神気】を持つキャラを前にするとなんというか・・・畏怖というか畏敬というか・・・そういった類のものを感じてしまう。


相手はゲームキャラだと分かっているのに、まるで()()()()()()()()()()()()()()()()()錯覚してしまう。


錯覚・・・そう錯覚のはずだ。本物の神様を目の前にしたときの感覚なんで再現できるはずがない。


では【ヤタガラス】や三柱神たちを前にしたときのあの感覚は何だ、と聞かれれば分からない、としか答えられないが。


・・・もし、このゲームがプレイヤーに対して畏怖とか畏敬とかの感情まで()()()()()ことさえ出来るのなら・・・


・・・いや、さすがに考えすぎか。


もし、そんなことが可能だとしたら、その内プレイヤーの意思や感情までコントロールされる事態になりかねない。いくらなんでも・・・なぁ?


・・・興味深いが、今の俺がいくら悩んでも分からんものは分からんな。本当に知ろうと思ったら、ゲームの会社に就職するか、ゲームにハッキングでもしない限りわからんだろうし・・・


「ほーら、みんな。お菓子の差し入れだ。いつもの宴会はまた明日な」


「クルー♪」「だう♪」


フハハハ! やはりお菓子は子供たちには大人気だな!!


我先にとお菓子を頬張る【眷属】たちの姿には大変癒されます。


・・・うん、この癒し空間を失いたくは無いし、余計な詮索はしないようにしよう。


きっとアーテルたちの反応や今日あった神様達の反応があまりにも自然すぎてリアルと混同してしまったんだろう。だからそんな戸惑いを起こしてしまったんだ・・・多分。


なんにせよ、今日はここまでだな。


・・・本当に長い一日だった。


===ログアウト===>お疲れ様でした

作者のやる気とテンションを上げる為に


是非、評価をポチっとお願いします。


m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] この世界は現実だったって感じか? それで、ガティアスの関係であった色々な世界の内一つが、地球?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ