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「あらー、おいしいわねー!」


「これを作った料理人は天才ですね」


「うむ、美味だ」


・・・現在俺たちは先ほど【太陽神アマテラス】と【月光神ツクヨミ】がお茶していたテーブルのデカい版を出してもらい、並べられた料理に舌鼓を打っていた。


無論、料理を出したのは俺。


そしてその料理を賞賛する【太陽神アマテラス】【月光神ツクヨミ】【戦闘神スサノオ】の三柱神である。・・・神様だからもっと舌が肥えているのかと思ったが、普通に人間と同じ感覚のようだ。


「玉子、おいしー!!」


「・・・このトロ美味いな」


「イカ、エビ、タコ・・・他にもいっぱいね!」


「・・・いくらとサーモンもおいしい・・・」


そして当然のように混じっているククリと今しがた激戦を繰り広げた【天凱十二将】のお三方である。・・・いや、別に良いんだけどね?


ちなみに今食ってるのはアーニャが握ってくれた寿司である。【武術界】の第二の街で買い込んだ魚介類や、【幻獣界】でモンスターを倒して手に入れた素材などを材料にしてアーニャが作ってくれたものだ。


・・・アーニャの奴・・・料理に関しては本当に何でもできるな。一応、【料理】スキルで覚えられるらしいが・・・俺も【料理】スキルを鍛えるべきだろうか?


「クルー♪」


「だう♪」


「・・・」モグモグ


無論アーテルたちも同席している。・・・うん、君達は普段からアーニャの料理を食ってんだからもう少し遠慮しなさい。・・・そんなウルウルした目で俺を見るなよ。今更取り上げたりしないから。


・・・なぜ俺が神々をもてなすようなことをしているのか? ・・・別に媚びへつらっているわけではない。まあ、先ほどのお供え物と同じだな。


「・・・で? 他の【天凱十二将】はどこにいるんだ?」


・・・もしくは情報料代わりとも言う。


「・・・全員が食したのを確認してから本題に入るとは・・・やはり油断も隙も無いな」モグモグ


食べた後だったら断わられにくいからな。・・・そしてそれがわかってなお食べ続けるアンタらもなかなか図太いと思うぞ?


「あらー? アルクちゃんは【天凱十二将】のみんなに会いたいのー?」モグモグ


・・・アルク・・・ちゃん? ちゃん付けされたのは初めてだ。・・・あと物食いながらしゃべるな。


「勿論ですよ。【天凱十二将】のスキルが強力なのは分かっていますからね。・・・まあ、クセも強いですけど。他にもどんなスキルがあるのかも興味ありますしね」


天より勝利を約束された者たち・・・【天凱十二将】のスキル。他にどんなものがあるのか気になる。しかし、【スキル獲得券(チケット)】で取得できたのは【勇天の一撃(アーク・ストラッシュ)】【俊天の疾走(アーク・アクセル)】【全天の属性(アーク・エレメント)】の三つだけだった。


他のそれらしいスキルは取得可能リストに表示されなかった。理由は分からんが・・・他の【天凱十二将】のスキルを取得しようと思ったら当人・・・当神? と戦って勝つしかない。


と、言うわけで他の【天凱十二将】の居場所を聞き出そうとしているわけだ。


「・・・どこにいるかと言われれば【高天原】にいますが・・・()()アナタでは会うことはできませんよ?」


・・・なんですと? 【高天原】っていうのはこの場所のことだよな。つまり、ここに他の【天凱十二将】もいるってことか。なのに何故会うことができないんだ?・・・いや、()()、俺・・・か。


「・・・あー、質問を変えます。【天凱十二将】に会う正規のルートを教えて貰えますか?」


こういう場合はきっと正規ルートがあって、その手順通りに進めば・・・なのだろう。ゲームのお約束的に。


「・・・それは縁を結ぶことだ」


「・・・縁?」


俺は縁結びの神様だというククリを見る。・・・当のククリはさっきから玉子ばっかり食ってるが。他のネタも食べなさい。


「ええ、基本的に私たち神は何かしらの縁があるものにしか干渉することができません。その縁が強く堅く結びついているほど力を貸す事も出来るのですが・・・まったく繋がりが無ければなにもできないのです」


「神っていうのはー、()()、ではあるかもしれないけど()()、ではないのよー。いくら神でも縁もゆかりもない相手にどうこうすることはできないのよー」


・・・全能ではない、か。そういえば神々にはそれぞれ領分があるっていう話だったな。人間からすれば何でもできるように見える神様だって、全てのことが出来るわけじゃないってことか。


・・・あれ? でも・・・


「・・・既に俺は【天凱十二将】の内、三柱に会っていて、そのスキルも取得していますよね。その縁では駄目なんですか?」


同じ【天凱十二将】に遭遇しているのなら多少なりとも縁はあるのではないだろうか?・・・友達の友達、くらいのうっすい縁かも知れないが。


「・・・我らが・・・繋がりが薄いのだ」


「同じ【天凱十二将】とは言ってもお互いのことあんまり詳しく知らないしね」


「・・・ぶっちゃけ、【高天原】のどこで何をしてるのかも知らない」


俺の疑問に答えてくれたのは当の【勇天ストラッシュ】【俊天アクセル】【全天エレメント】たちだった。・・・だが、一つ聞きたい。それで良いのか、と。


・・・なんだか聞けば聞くほど【天凱十二将】について疑問が出てくる。・・・だっておかしくないか? 同じ【天凱十二将】という集団・・・集団という言い方が正しいのか分からないが・・・の中にいてお互いの事を詳しく知らないなんて。


・・・いや、【勇天ストラッシュ】たちの言い方から察するに詳しく知らない、というより、まったく知らない、という感じだった。まるで『クラスが一緒だから名前は知ってるけど話したことはほとんど無いクラスメイト』という位の微妙な距離感に思える。


では【天凱十二将】とは何だ? 集団という意味で考えれば、その中で己の役割を全うし、目的となる方向へ向かっていくはずなんだが、どうも【勇天ストラッシュ】たちには、そんな役割や目的となるなにか、があるように思えない。


こういってはなんだが、【天凱十二将】という枠組みが必要なのか疑問に思えるな。


「仕方が無いわー。だって【天凱十二将】は元々、【天凱神アーク】の・・・わぷっ!!」


「アマテラス・・・その名はこの場で口にしてはいけません」


・・・【太陽神アマテラス】の口を【月光神ツクヨミ】が塞いでいるが・・・ばっちり聞こえちゃったんですが? そしてまた新しい神様の名前が出てきちゃったよ・・・【天凱神アーク】? 名前からして【天凱十二将】の関係者・・・もしくは創設者、か?


「話が逸れたな。世界各地に【天凱十二将】の痕跡が何らかの形で残っている。それはただの名前かもしれんし、何らかの物かもしれん。要はその者に繋がる縁を見つけるのだ。その上で【謁見の門】をくぐると良い。そうすれば目的の者に会えるだろう」


・・・急に【戦闘神スサノオ】が懇切丁寧に説明し始めたぞ。確かに俺が知りたかった情報ではあるんだが・・・わざとらしく話を逸らそうとしているな。だが、この様子からして無理に聞き出そうとしても無駄だろうな。下手をしたら不興を買って加護の取り消しとか言い出しかねない。


・・・仕方ない。【天凱神アーク】と【天凱十二将】については別口で調べるしかないか。


・・・って今、世界各地と言ったか?


「・・・その世界各地っていうのは・・・?」


「【人間界】【武術界】【魔法界】【機甲界】【幻獣界】【精霊界】の6つの事だな」


・・・おいおい、捜索範囲広すぎないか?


作者のやる気とテンションを上げる為に


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