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加護の効果と意味

神様たちは俺の右手に何か恨みでもあるのか? というくらい右手に色々いろいろしてくれた。


「仕方があるまい。我ら三柱の加護が一人に集中する事などまずないのだからな」


・・・つまり、本来なら一柱に一人ずつ、右手に加護が宿るはずだったと? 三柱の加護をいっぺんに貰えたのは喜ばしいんだが・・・結構熱くて冷たくて痛かったんだが?


とはいえ、せっかく加護を貰ったので【メニュー】を開き、【ステータス】を確認する。


【太陽神アマテラスの加護】

太陽神の加護により浄化の力が右手に宿る。

任意で発動可。

再発動時間:24時間


【月光神ツクヨミの加護】

月光神の加護により治癒の力が右手に宿る。

任意で発動可。

再発動時間:24時間


【戦闘神スサノオの加護】

戦闘神の加護により破壊の力が右手に宿る。

任意で発動可。

再発動時間:24時間


・・・確かに全部右手に宿ってるな。だが説明が抽象的でよく分からない。・・・つかなんで全部右手?


「私の加護は浄化の力よー。加護を発動してから右手で触れると効果があるわー。自分や仲間を触れば状態異常も一瞬で治っちゃうし、アンデッドやゴーストなんかに触れば一瞬で浄化しちゃうわよー。一回触っちゃうとまた使えるようになるまで時間がかかるけどねー」


・・・浄化か・・・【魔法】でも同じ事ができるがそれ以上に強力なんだろう。再発動時間っていうのは一回使った後に再度使えるようにための時間か。時間を見るに一日一回の限定的な力だな。


「私の加護は治癒の力ですね。触れた相手を回復させる事ができます。生命力だけではなく気力や魔力、霊力も回復させる事ができます。武器や防具も同様です。ただし、回復できる種類は一つのみ。例えば【人間】に使う場合、生命力、気力、魔力、霊力のうちどれか一つだけです」


・・・なんだと? この加護を使えばアイテムを使わなくてもBPやMP、LPも回復できるって事か。しかも装備品まで・・・これは便利。


「そして俺の加護は破壊の力。触れた物を破壊する力が得られる。相手の盾や鎧のような物理的な物は勿論、【結界】や【魔法】などといった本来触れることができない物にまで効果がある。ただし、生物には無効だ。・・・ああ、自分たちの武器や防具にもな」


これは・・・相手の装備破壊効果ってことか? それに【魔法】とかも破壊・・・無効に出来るってことか? 生物には・・・当たり前か。できたら悲惨な事になりそうだ。自分たちには効果がないのはありがたい。


どれも俺の予想以上に強力な力だな。唯一のネックは一日一回限定って所だが、さすがにそう何度も使えたらそれはそれで問題か・・・切り札的に使えって事だな。


「一つ注意点としては加護の力も絶対ではないという事です。具体的に言うと神々や神と同等の力を持つ者、そして神の加護を持つ相手には効果が相殺されてしまいます。・・・逆に言えば相手からの干渉をはね退けることができる、ということですが」


・・・なるほど。神様級の相手には効果がなくて、相手が【人間】であっても加護を持っていたら無効化されるのか。逆に相手の力も相殺するから、神の力への対抗手段でもあるってことだな。


「神の力には同じ神の力で対抗するのが定石だ。神々のなかには強力な呪いや怪しげな術を撒き散らす神もいるからな。加護を得ていて損はない」


・・・それって邪神や悪神の類では? そんなのまでいるんじゃ確かに加護は必要だな。・・・なんかRPGの勇者みたいだな。


「・・・なるほど、ありがとうございます」


・・・これでとりあえず加護を貰うという目的は達することができたな。・・・しかし、この分じゃあ他の連中も心配だな。あいつらも壮絶な戦いをしてるんだろうか。


「・・・さて、我らの加護を渡した所で・・・【勇天ストラッシュ】、【俊天アクセル】。話がある」


「・・・むう」


「・・・はーい」


なぜか【戦闘神スサノオ】が【勇天ストラッシュ】と【俊天アクセル】を連れて俺たちから離れていった。・・・あ、なんか【勇天ストラッシュ】と【俊天アクセル】を正座させてる。・・・何してんの?


「・・・【勇天ストラッシュ】と【俊天アクセル】はルールを破ったから・・・」


俺の疑問に答えてくれたのは【全天エレメント】だ。・・・ルールを破った? どういうこと? ・・・あと、お前は口の周りを拭け。


「【勇天ストラッシュ】の使った【帝釈天の勇撃アークガイゼル・ストラッシュ】と【俊天アクセル】が使った【韋駄天の俊走アークヘブン・アクセル】は本当なら()()()の戦いまで使っちゃいけないスキルだったから・・・」


2回目の戦い?・・・あ、もしかして・・・


「もしかして【天凱十二将】とは何度も戦えるのか? 1回目の戦いで勝てばスキルが取得できて、2回目のときは別に何かあるとか?」


「・・・鋭いね。そう、2回目の時は僕らのスキルを使ってくる前提での戦いになるから、それを見越して更に強いスキルを使うことが許されるんだ。それでも勝てた時に今度は僕らからの祝福を得る事ができる・・・まあ、君の場合、最初から僕らのスキルを使えた上、【帝釈天の勇撃アークガイゼル・ストラッシュ】と【韋駄天の俊走アークヘブン・アクセル】も既に取得済みだったから、【勇天ストラッシュ】と【俊天アクセル】も調子に乗ったんだと思う」


・・・1回目はスキル、2回目は祝福か・・・なるほど。・・・加護じゃなくて祝福なんだな。理由は良く分からんが・・・え? 結局、イレギュラーな俺のせい?


「君のせいじゃないよ。君は結局、最後まで僕らのスキルを使わなかったし。・・・君が予想以上に強かったんで悪乗りしだした【勇天ストラッシュ】と【俊天アクセル】が悪い」


悪乗りて。単に負けないように全力で戦った結果だろ? 責めるようなものなのか?・・・いや、確かに俺はスキルの効果を知っていたから対処できたが、初見だったら負けてたかもしれんけど・・・


「だから、今の戦いで祝福を与えるかどうか話し合ってるんじゃない? ・・・絶対こうなると思ったんだよね。みんな戦いに夢中になるタイプだし・・・」


・・・もしかしてコイツ、そのあたりを見越してワザと負けたんじゃないだろうな? 少年みたいな外見のクセして妙に大人びてクールだ。


・・・あ、戻ってきた。


「すまぬ、アルク。話し合ったのだが、やはりお前は本気の【勇天ストラッシュ】と【俊天アクセル】を倒したのだ。で、ある以上・・・」


「我々からも祝福を渡そう」


「負けちゃった以上、しょうがないわね!」


・・・結局祝福とやらをくれる事で決着したらしい。それは良いんだが・・・また、俺の右手になにかするんじゃないだろうな。


『【勇天ストラッシュの祝福】を手に入れました』


『【俊天アクセルの祝福】を手に入れました』


俺が身構えて右手を隠していると普通にメッセージが出てきた。・・・右手関係なかったのね。


早速確認。


【勇天ストラッシュの祝福】

勇天のスキルを使用後、BPの自然回復率増加


【俊天アクセルの祝福】

俊天のスキルを使用後、MPの自然回復率増加


・・・なるほど。消費の激しいスキルを使った後のフォローの為の祝福か。こっちは任意発動ではなく自動で発動するものらしいな。それに再発動に制限も無いみたいだ。


この辺りが加護と祝福の違いかな。


しかし、こうなると・・・


俺は【全天エレメント】を見る。


じー、っと。


「・・・」


じーーっと。


「・・・むぅ」


じじーーーっと。


「・・・ハァ」


【全天エレメント】は呆れたようにため息を吐く。


「スサノオ様、僕の祝福も渡して良いですか?」


・・・あれ? 俺は再戦希望だったんだが・・・祝福くれるの? ルールどうした?


「む・・・なぜだ?」


【戦闘神スサノオ】が当然の疑問を口にする。


「・・・彼の力は十分にわかったし。僕一人じゃとても勝てそうにないし。【全天の属性(アーク・エレメント)】の進化系のスキルはまだ覚えてないみたいだけど資格は十分だし」


「ふむ・・・まあ、良かろう」


・・・良いんだ。さっきの説教は一体・・・


「先ほどの説教は神らしからぬ戦いをしたからだ。ただでさえ3対1であったにもかかわらず、戦いの本質を忘れるなど言語道断」


・・・ああ、そういえばこの神様は戦いに対するフェア精神に溢れてるんだった。まあ、くれるんなら貰おう。


『【全天エレメントの祝福】を手に入れました』


【全天エレメントの祝福】

全天のスキルを使用後、MPの自然回復率増加


「・・・疲れる事はしたくない」ボソッ


・・・【全天エレメント】がなにやらぼそっと呟いたが・・・聞こえないフリをした。


作者のやる気とテンションを上げる為に


是非、評価をポチっとお願いします。


m(_ _)m

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[一言] "3柱"の加護を…"右手"に… トライフォースかな?
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