試練クエスト
試練クエスト【天凱十二将 俊天アクセルを倒せ!】
達成条件:【俊天アクセル】の討伐
制限時間:無し
試練クエスト【天凱十二将 勇天ストラッシュを倒せ!】
達成条件:【勇天ストラッシュ】の討伐
制限時間:無し
試練クエスト【天凱十二将 全天エレメントを倒せ!】
達成条件:【全天エレメント】の討伐
制限時間:無し
「マスター!」
「クルー!」
「だう!」
「え?・・・おぅふ!?」
驚き、棒立ちしていた俺の目の前に美女・・・【俊天アクセル】が迫っていた。そして腹パン・・・を貰う寸前のところで腕でガードした。・・・危なかった。カイザーたちの声が無かったら直撃している所だった。
「・・・今の、良いの? 3対1じゃなかったの?」
「まあ、口出しくらい良いだろう。元々不利な戦いを強いているのだからな」
ククリと【戦闘神スサノオ】のそんな会話が聞こえてきたが今はそちらに構っている余裕は無い。
「・・・至近距離で即座に反応・・・さすがね」
「・・・お褒めに預かりどうも・・・できれば聞きたいことが山ほどあるんだが?」
「それはアタシたちを倒してからになさい!!」
今度は蹴りが来た。避け・・・るのは無理だ。速すぎる。腕でガードするのが精一杯だ。
・・・とりあえず落ち着いて考える。
まあ、考えるまでも無く俺が普段から多用しているスキル【勇天の一撃】【俊天の疾走】【全天の属性】に関係あるんだろう。名前そのまんまだし。
もしかしたらこれらのスキルの元々の持ち主、なのかも知れないな。・・・なんと言う事でしょう、俺は知らない間に神様のスキル(仮)を使っていたようだ。道理で強力なスキルのはずだ。俺にとっても切り札的なスキルだしな!
・・・と、現実逃避していても埒が明かないよな。
問題なのは目の前の三柱がその強力なスキルを使ってくる、ということだ。
今のところ俺に仕掛けてきているのは【俊天アクセル】だけだ。他の二人は様子見している。・・・いや、【全天エレメント】の方は分からないが、【勇天ストラッシュ】はおそらくこちらの隙を伺っているはずだ。なんせ【勇天の一撃】は一撃必殺のスキルであると同時に全BPを消費してしまう諸刃のスキルでもあるからな。
・・・それはつまり、油断したら俺でも一撃でやられる可能性があるってことなんだが。
「ホラホラホラ!! 考え込んでる余裕があるの!!」
ちぃ、【俊天アクセル】の攻撃が激しい。一発一発の威力は小さいが、攻撃スピードが速すぎる。避けきれない。・・・まずいな。ガードするにも限界がある。このままじゃ、ジリ貧だ。
「・・・【俊天の疾走】!!」
なので俺も加速する。
今度は【俊天アクセル】の攻撃を避けられた。スピードはほぼ互角か。
【俊天の疾走】はMPを消費し続ける代わりにスピードアップするスキルだ。先に【俊天の疾走】を発動したのがあちらである以上、先に力尽きるのもあちらのはず・・・なんて思ってしまうのは都合が良すぎるかな。
なにせ、さっきから【看破】で相手のレベルを確認しようにも、弾かれてしまうんだよな。・・・読めないとか???ならまだ分かるが、弾かれるってなんだよ。おかげで相手のレベルが分からないじゃないか。
相手のレベルがはっきりしない以上、相手の方がレベルもMPも上だと考えた方が妥当だろう。持久戦はこちらの方が不利だと考えた方が良い。
・・・ところで【試練クエスト】とやらが三つ表示されたんだが・・・【試練クエスト】って元々1対1で戦うものだったんじゃないのか? なんで俺は三ついっぺんなんだよ。嫌がらせか?・・・俺が三つとも取得しているからだろうか?
「ホラ、そこ!!」
「おわっと!!」
クソッ!、駄目だ!
いつもだったら余計な事を考えるぐらいの余裕があるのに、今回は相手も加速中のせいか、てんで余裕が無い。
・・・ここは速攻で決めるべきだな。
「【正拳突き】!!」
俺は【俊天アクセル】に向かって全力で拳を突き出す。
「おっと!」
当然、避けられる。それも予想済みだ。
今のうちに【豪剣アディオン】を抜き、構える。・・・素手の相手に使うのは気が引けるが・・・
「これで一気に決め・・・!?」
ようとした矢先、俺と【俊天アクセル】の間に割り込む影が。
「・・・攻撃の瞬間がもっとも隙が生じやすい事をお前も良く知っているはずだ」
加速中にも関わらず、静かに聞こえてくる声。割り込んできたのは・・・【勇天ストラッシュ】だった。当然、手に持った長剣を構えている。ってことは・・・まずい!
「【勇天の一撃】!!」
当然、そう来るよな。・・・直撃はやばい!!
「くっ・・・【勇天の一撃】!!」
俺も【豪剣アディオン】を振り、同じスキルで迎撃する。
ぶつかり合う剣と剣・・・結果は・・・
「どうわあああああ!!」
吹っ飛ばされた。俺が。
・・・完全に力負けしてますやん。
「がふ!!」
地面に叩きつけられる俺。同時に【俊天の疾走】も解ける。・・・まずい。今のでBPが空になった。MPも半分以上、消費してしまっている。大ピンチだ。
すぐさま起き上がり、警戒する俺であったが・・・
「ちょっと!! 今はアタシが勝負していた所でしょ!!」
「・・・今、割り込まなければ負けていた。それにこの戦いは3対1だったはずだ」
・・・なぜか【俊天アクセル】と【勇天ストラッシュ】が喧嘩していた。
え? もしかして仲が悪い? 同じ【天凱十二将】とやらじゃないの?
「・・・悪くはないけど良くもないよ。同じ【天凱十二将】とは言っても僕たちは同種ではないからね」
「・・・へぇ、そうなんだ」
・・・何時の間にか、【全天エレメント】がすぐ近くにいる。・・・冷や汗が止まらない俺である。
「そんなわけだからさっさと終わらせたいんだよね、僕。【全天の属性】」
スキルを唱えると同時に【全天エレメント】の右手が虹色に輝きだす。
「というわけで・・・さよなら」
【全天エレメント】はゆっくりとした動作で右手を俺に突き出す。・・・まずい!
「【マジックアーマー】! 全開!!」
咄嗟に【鎧】スキルで対魔法防御を固める、だが・・・
「・・・がはっ!!」
【全天エレメント】の右手が俺に触れた瞬間、また吹っ飛ばされた。パンチでもなくただ触られただけなのに・・・
「ちょっと! まだ話が終わってないんだけど!」
「・・・こんな所で言い合ってるのが悪い」
「・・・ふぅ、久しぶりに顔を合わせるとこれだ」
・・・今度は3柱で言い合ってる。・・・誰か吹っ飛ばされた俺のことも気にして?
「さっさとトドメ、刺す」
「待ちなさい! 戦うのは私よ!!」
「やめろ、お前達・・・」
・・・ゴメン、俺のことは気にしないでそのままそっちで続けてください。
俺は【ポーション】を取り出しながら一言。
「・・・きつすぎない?」
つい、そうもらしてしまった俺は悪くないと思う。
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