集結
【緊急レイドクエスト べヒーモスを撃破せよ!】
勝利条件:べヒーモスの撃破
参加制限:なし、何人、何パーティでも可
備考:このクエストにおけるペナルティは発生しません
開始まで29:10:34
俺は【メニュー】からラングにメール、ではいつ返信が返ってくるか判らないので直接コールした。いわゆる電話だ。幸いにもコールはすぐに繋がった。
『アルクかい?悪いんだけど急ぎで無ければ後にしてくれないかい?今、僕達のクランは大騒ぎでね。』
「それは今アナウンスがあった緊急レイドクエストとやらのせいか?」
『君も聞いていたか。そうだよ。何せゲームが始まって以来、初めて確認されたクエストの形式だからね。いつ、どこで、誰が起こしたクエストなのか確認やら質問やらがうちのクランに来ててんてこまいだよ。』
「あー、やっぱり初めて確認されたクエストなのか・・・。」
『そうだよ。だから・・・やっぱり?アルク、君は今どこにいるんだい?』
「べヒーモス湖にいるな。」
『・・・このクエストを起こしたのって・・・』
「すまん、俺たちだ。しかもトリガーの俺たちは強制参加だと。」
『・・・』
「ラング?」
『い ま か ら 行 く か ら そ こ で 待 っ て ろ。』
・・・コールが切られた。なんか怖い感じだったんだがなんなんだろうね。わけが判らないよ。
===集結中===>湖エリア 改め べヒーモス湖
「ふむふむ。じゃあ普通のレイドクエストは最大6パーティで受けるものなんだな?」
俺はベルバアルにレイドクエストについて詳しく聞いていた。ちなみにレイドクエストというのは複数のパーティで挑む多人数クエストの事だ。俺が聞いていたのはこのゲームでの詳細だ。
「そうですね。つまり最大でも36人までになります。それにレイドクエストを受ける場合、特定の場所に門があってそこを通るとクエスト開始になるはずなんですが、こんな急に、しかも参加制限なしだなんて聞いたことがありません。」
人数制限なしってのが怖いな。急すぎて時間もあんまり無いだろうから参加できる奴は限られるとは思うがそれでもレイドクエストとなればそれなりに集まりそうな気がする。・・・千人とか集まったらどうなるんだろ?
「アルク!」
おっとラングの奴が来たようだ。ロゼさんもいる。他にも知らない人たちがちらほら。多分【インフォガルド】のパーティメンバーなんだろう。武装もしてるし参加する気満々だな。
「まったく君は・・・。今度は何をやらかしたんだい?」
質問よりまずは自己紹介をして欲しい。知らない人たちの。
「実はかくかくしかじかなんだ。」
「かくかくしかじか、では判りませんよ。」
あ、ロゼさんがあきれた顔をしてる。
「ふむ、つまりこの湖でPvPをやるのがトリガーだったのか・・・」
何故か理解したラング。相変らずからかいがいの無い奴。
「ええぇ!?なんでわかるんですか!?」
「簡単だよロゼ。彼らと一緒にいるのはクラン【ディアボロス】のメンバーだ。魔王軍クエストは僕らも調べた事があっただろう?冒険者である【アークガルド】のメンバーと一緒にいる理由はPvPぐらいしか考えられないさ。」
「まあ、正解ではあるんだが、PvPだったら俺たち以外にもやってる奴がいると思うんだがなぁ?何でこのタイミングで緊急クエストがおきるのかがわからん。」
「フム、察するにこの場所、つまりべヒーモス湖が条件の一つだろうが、少し弱いな。あるいは時間帯?PvPはどんな条件で行ったんだい?」
「3対3で30分制限。あとは特に。あ、結果は相打ちだった。」
「・・・【ディアボロス】相手に相打ちなのも驚嘆だけど、それは置いといてなるほどね。これが終わったら色々試す必要がありそうだ。」
「・・・金になりそうな情報ってことか?」
「そりゃあね。実際の内容しだいだけど、レイドクエストは貴重な素材やアイテムが手に入るから、クリアできるプレイヤーからすればまたとないチャンスなんだよ。周回するプレイヤーがほとんどだね。」
ふむ、つまりラングたちが参加するのも、情報だけが目的ではないってことか。あ、なんか続々と人が集まりだした。もう既に30人近く集まってないか?
「おお、ここにいたかアルク!ラングもおったか。」
「ガットか・・・ヴィオレさんも・・・【アイゼンガルド】も来たのか。」
見るとガットやヴィオレさん以外にも数人知らない人たちがいる。あの人たちが【アイゼンガルド】の残りのメンバーか。
「ラングから連絡をもらってのう。」
「ハッハッハ、レイドクエストは素材が手に入るチャンスだからね。遠出は出来ないけど近場でなら極力参加するようにしてるのさ。レベル上げにもなるからね。」
ヴィオレが豪快に俺の背中をバシバシ叩きながら答える。正直痛いからやめて欲しい。
「そうなのか。あ、こちらは【ディアボロス】のベルバアルさんね。」
何となく4つのクランが集まったので紹介してみる。
「んん?ソヤツのことは知っておるぞ。ソヤツのもっとる剣と鎧はワシが作ったものじゃい。」
お前かよガット。道理で丈夫なはずだ。
「どうもお久しぶりです、ラングさん。アルクさん、ラングさんやガットさんたちともお知り合いだったんですね。」
「ああ、まあちょっとした縁でな。」
実際にはリアルでの知り合いなんだが、リアルでの事は極力口にしないのがマナーだ。
「そういうことだね。それより【ディアボロス】のリーダーがこんな初級クラスのエリアにいるほうが驚きなんだけどね?」
「クエストですよ。まあ、この場所にしたのはクランメンバーに勧誘できそうな人がいないかなぁっと思ったのもありますけど。」
ああ、そうなんだ。道理で格上な人たちが俺たちみたいな初心者に絡んでくるわけだ。
「無理矢理な勧誘はご法度だよ?」
「そんなことはしていませんよ!?あくまで自分の意思で入ってもらっています。」
・・・自分の意思で魔王軍やその関係のクランに入りたいって人がそうそういるかなぁ?まあ、世の中、正義の味方より悪役の方が好きな人も一杯いるけど。
「それはそうとアルク。レイドクエストは初めてなんじゃろ?大丈夫なのか?」
「・・・トリガーになったプレイヤーは強制参加なんだと。」
やめろガット。同情的な視線を俺に向けるな。肩にポンッと手を置くな。
「レイドクエストで強制参加も初めて聞いたね。通常のクエストで強制バトルなら聞いたことがあったけど。」
「そうですね。それにクエストにレベル表示がないのもはじめて見ました。通常のレイドクエストなら推奨レベルが表示されるはずなんですが・・・。」
どうやら緊急レイドクエストとやらは今までとは大分勝手が違うらしい。
「人の心配もいいんだがなガット、それにラング。お前らもちゃんと戦えるんだろうな?生産系に情報屋さんよ。まあ、俺よりレベルが高いのはわかってるが。」
「とんでもレベルで無ければ大丈夫だよ。ここは【魔法界】でも入り口のほう、つまり初級クラスのエリアだから、そんな極端に強いモンスターが出てくるとは思えないからね。」
「・・・封印されていたモンスターがそんなに弱いか?普通、強すぎて封印しか出来なかった、っていうのがお約束だと思うのだが。」
「・・・確かに、言われてみればそうだね。・・・早まったかな?」
「大丈夫じゃろう。死んでも負けてもペナルティがないんじゃ。挑めるだけ挑んでもみるのも良かろうて。」
「・・・そうだね。」
『緊急レイドクエスト開始10分前になりました。クエストに参加される方はべヒーモス湖にて【メニュー】から参加申請を行ってください。』
「おっと、もうそんな時間かそれでは準備をしておこう。メンバーの紹介はまた後でね。」
「うむ。ワシもそうしよう。また後でな。アルク。」
「僕もメンバーと打ち合わせしますね。では。」
そういってみんなばらけてしまった。・・・一応【メニュー】を開いたら既に参加になってたぜい、チクショーめ。
「大丈夫かしら。」「私たちのレベルでは不安ですね。」
いつの間にかアテナとアルマがそばに来ていた。どうも女性陣は女性陣で話していたらしい。
「大丈夫だろ。仮にクエスト失敗したとしても誰か一人のせいになるわけじゃないし。それに高難易度のクエストになると何度も失敗を繰り返してクリアするのが普通だしな。」
「まあ、そうよね。クリアはあくまで目標だからね。」
「失うものがないなら大丈夫ですよね!」
いや、それは違うんじゃないかな、アルマ。
おまけ 某掲示板より抜粋
421:名無し
た、大変だ!お前ら!
422:名無し
なに?どうした?
423:名無し
緊急レイドクエストが発生した!!
しかも30分後だ!!
424:名無し
なんだよ緊急レイドクエストって?
425:名無し
今ログインしたがマジだ。
しかも参加制限がない!何人でも参加できるって!
426:名無し
マジかよ!
そんなレイドクエストもあったのか!?
427:名無し
インフォガルドにも確認したが今回が初らしい。
リーダー自ら参加するってよ!!
428:名無し
マジか。
初クエストなら当然か。
しかし人数制限ないならとんでもない数が集まんじゃねぇの?
429:名無し
現地より実況中 (゜Д゜)>
現場では既に50人以上のプレイヤーが集まっております!
430:名無し
本当であります(笑)
種族がバラバラなのは勿論、眷属連れやロボットみたいなヤツまでいて
現場は混沌としております(笑)
431:名無し
制限が無いとココまで混沌とするのか。
というか見たことないキャラばっか(笑)
432:名無し
よし!俺も行くぞ!
433:名無し
俺もだ!(^0^)/
434:名無し
俺も・・・
435:名無し
どうぞどうぞ (。っ・ω・´)っ
436:名無し
俺、今会社 (╥﹏╥)




