表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
228/797

試練の塔

===移動===>【試練の塔】


【進化の神殿】を後にした俺たちは、今度は【試練の塔】の前までやって来た。


「いや~、でっかいっすねー・・・」


アシュラの言うとおり、塔は凄くでかかった。横幅だけで何十、何百メートル・・・もしかしたらキロまであるかもしれん。このゲームの中で見た建造物の中でもぶっちぎりででかい。【精霊界】の【世界樹】と良い勝負である。もっとも、【世界樹】と違ってこっちの塔はてっぺんがまるで見えないから高さではこっちの方が上みたいだ・・・一体何階建てなんだ?


「入口は・・・あれみたいだな。じゃあ、行くか」


巨大な塔にちょこんと開いてる穴みたいなのが多分入口だろう。・・・ちょこんと、とは言ったが、実際には何十メートルという巨大な穴だ。塔全体が馬鹿でかいせいで遠近感が狂うな。


まあ、それはともかく、早速中に入っていくと・・・


「やっ! 良く来たね。僕はゼルエル、この塔の管理人って所かな」


入口を抜けた広い空間、その手前に、やはり【天使】の案内役がいた。・・・しかし、これまでの【天使】と違って軽い感じだ。ラグエルさんとレリエルさんに比べて若い感じがする。口調もなんだか砕けてるし・・・


・・・ゼルエルって確か力と戦を司る天使だったか。・・・某有名アニメにも出てきてたな。姿は全然違うけど。


「ここは【試練の塔】。己の力を試す場所だよ」


まだ何も聞いていないのに勝手に説明し始めたぞ。


「この塔は100階まであって一階ごとに敵とバトルする事になるから。それを倒せば次の階へと行けるってわけだね! 出てくる敵の数と種類はその階によってバラバラだよ! 強いのが一体出てくる場合もあれば、そこそこのが百体くらい出てくる場合もあるから臨機応変に対応してね!」


口調は軽いが説明はしっかりしてるな。このまま黙って聞いておこうか。


「参加は何人でも可能だよ。一人で挑んでも良いし、パーティを組んでも良い。クランで挑んでも良いし、集められるだけ集めて挑戦しても良いよ! ただし、一度でも全滅するとゲームオーバー! その時点で1階に戻されて最初からやり直しだからね!」


げっ、マジか。人数制限が無いのは素直にありがたいが、全滅すると一階からやり直しか。つまり100階まで行くには、全勝していかないといけないのか・・・厳しいな。


「本気で100階まで行くんだったら人数を集めて挑戦するのも一つの手だね。ただし、戦い自体は全員参加になるから注意してね!」


人数を集めて参加するのなら当然戦いはローテーションを組む事になるんだろう。何人か選出し、残りは温存といった感じで。ただし、それはこっちの都合であって、敵さんは控えのメンバーだろうとお構いなしに攻撃してくるって事か。


「塔の中では経験値は入らないから、種族のレベルやスキルのレベルは上がったりしないからね。それに塔の中の敵はドロップ品を落としたりしないから注意してね!」


経験値が入らないのはさっき聞いたな。だがドロップ品も無いだと?


「気になる報酬に関しては1階まで戻ってきた時点で進呈するよ。報酬の内容は進んだ階数や敵との戦い方なんかで評価されるから、頑張れば頑張った分だけ豪華な報酬がもらえるよ!」


階数だけじゃなく敵との戦い方で評価、ね。見えない誰かが採点している感じか?


「消耗品の持ち込みは可能だけど、補充するすべは無いから、いっぱい用意しておいた方が良いよ?」


消耗品は・・・まあ、そうだろうな。どう見てもこの中に店があるように見えないし。


「もし途中で止めたくなったら、ギブアーップ!! って叫べば1階まで戻れるよ。勿論、その場合も最初からやり直しだけどね!」


・・・ギブアップできるのは良いが、何故叫ばなきゃならん?・・・恥ずかしいじゃないか。


「そしてここからが重要でメタな注意事項になります!」


・・・自分でメタって言っちゃったぞ、おい。


「その階の敵を倒すと、その階は休憩場になります! 次の階に行くまで何時間休んでいても良いし、なんならログアウトも出来ます! ただし、次回ログインはその階からのスタートになるのでご注意です!」


・・・確かにメタな発言だ。しかし、ログアウトできるのはありがたいな。何十時間もぶっ続けでこの塔の攻略をしなくても良いわけだ。まあ、次回ログインが強制で続きからになるみたいだから、ホームとかには戻れないんだろう。あくまでプレイヤー向けのリアル事情での休憩タイムか。


「それともう一つ! 報酬で手に入れた武器や防具、アイテムなんかは転売、破棄は出来ないよ! 同じパーティ内や同じクラン内なら使いまわしは出来るけど、それ以外のプレイヤーに譲渡する事もできないからね!」


要するに自分たちが手に入れた物は自分たちしか使う事は出来ないってことか。転売できないんじゃ、資金目的でこの塔に挑戦する意味は無いってことになる。・・・そこまで徹底するほど魅力的なのか、ここの報酬は。


「ざっと説明はこんな感じだね! 何か質問はあるかい?」


皆を見渡すが全員首を振る。疑問に思う点は大体説明してくれたからな・・・勝手に。しかし、誰も疑問が無いのなら俺が質問しよう。


「じゃあ・・・はい」


「はい、君!・・・何かな?」


「100階まで到達した場合はどうなるんですか?」


「おっと! その説明をしていなかったね。勿論、超豪華な報酬を上げるよ! それに称号も手に入るし、目指す価値があることは保障するよ!」


・・・多分ネタバレになるからなんだろうけどイマイチ具体性に欠けるんだよなぁ。報酬の内容が分かっていれば挑戦するモチベーションも上がるんだが・・・


「・・・ちなみに出てくる敵のレベルなんかは教えて貰えるんですか?」


「それは実際に挑戦してみてからのお楽しみ! と言いたい所だけど一階の敵のレベルだけ教えてあげるよ! Lv.50だね!」


・・・なんだ。Lv.50だったら普通に【ヤマタノオロチ】とか【禍白虎】の方がレベルが高いじゃないか。


「ちなみにスペシャル大サービスで言うと、一階上がる毎に敵のレベルも上がっていくからね!」


それはまあ、そうだろうな。・・・ん? 仮に一階上がる毎にレベルが1上がるとすると、50階まで行くと敵のレベルは・・・100になるってことか? 100階まで行くとLv.150・・・


「さ、皆、お暇しようか」


「「「「「「は~い!!」」」」」」


全員揃って、踵を返して戻ろうとする俺たち


「ちょっと待ってー!!!」


・・・なのだが、俺の腰に捕まって引きとめようとするゼルエル。・・・あ、呼び捨てにしちゃった。まあ、良いや。


「なんで!? ここまで来たんだから挑戦しようよ!!」


「やかましい! どう考えたって途中でレベル不足になんだろうが! Lv.100超えの相手なんかできるか!!」


今の俺たちじゃあ、レベル的に20階まで行けるかどうかすらも怪しい。


「なら1階! 1階だけでも試してみて! ほら、君たちのレベルなら十分でしょ!!」


・・・確かにLv.50なら余裕だとは思うが・・・


俺は皆の顔を見る。・・・皆仕方ないな、って顔してるな。


「・・・わかったわかった。じゃあ1階だけな」


「本当に! 良かった~!! 説明だけで終わっちゃうかと思ったよ・・・」


俺たちは説明だけで終わらせるつもりだったんだが・・・


・・・ん? 待てよ?


「・・・ちなみに1階で戦う敵って?」


「ボクだよ?」


・・・アンタかい!?


作者のやる気とテンションを上げる為に


是非、評価をポチっとお願いします。


m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ