マークツー
ズドオオオン!!
「クルーッ!?」
「だう!?」
おおう、地面が揺れる揺れる。
「震源地確認・・・基地外部デス」
「巨大ナエネルギーヲ検知、敵ト思ワレマス」
ラグマリアとカイザーが直ぐに原因を察知して教えてくれた。・・・便利な奴らだ。
「・・・またなんか降ってきたか?」
確か前回は基地から脱出するとき大勢の司令官ロボが空から降ってきていた。てっきり【クランメカロイド】のチュートリアル的なクエストだと思っていたが・・・
「ここに何度か来たことがある我も初めてなのだ・・・レアボスかもしれないのだ」
ダンジョンやフィールドで出現するボスは極稀にレアボスになっている時がある。大抵の場合は上位の種族や種類の敵に変わっているらしいが・・・
「なぜよりにもよって俺が来てるときに・・・?」
「トラブルの神様に愛されているのだ?」
ちょっとトラブルの神様と真剣に話し合いたい俺を余所にアヴァンは【ビートル君】を使って外の様子を確認している。
「どうやら1体だけのようなのだ・・・だが、これは・・・」
「・・・例えるならフルアーマー、いやヘビーウェポンといった所か?」
外の映像を俺も見せてもらったがそこにいたのは一回り大きくなった司令官ロボ・・・元々、ガン○ンクのような形状をしていたが、背中には翼が付き、体の各所に大砲やらチェーンソーやらトゲトゲやらが取り付けられている。
「ふむ、やはり初めて見るタイプなのだ」
「そうか・・・どっちにせよコイツを倒さないと外に出られそうもないな。カイザー、【メカロイド】形態にはまだなれるか?」
「残リ形態時間、10分程トナリマス」
10分か・・・少し短いが何とかなるだろう。
「・・・よし、行くか。今回は全員でアークカイザーに乗り込む」
「クルッ!」
「だう!」
「わかったのだ」
「了解デス」
===移動===>【マーズ前線基地】外部
「・・・思ったよりもでかいな」
俺たちは早速【メカロイド】形態となったアークカイザーに乗り込み、司令官ロボ改と対峙する。
【ビッグコマンダードロイドMk-II Lv.55】
マーズ前線基地の総合指令官にして最強戦力の強化型
マークツーがでちゃったよ。マークツーが。
「興味深いのだ。アルクよ、さっさと倒してパーツを手に入れるのだ」
「ハイハイ、アークカイザー、空中戦を仕掛けるぞ」
「了解、【クラウドドライブ】展開」
アークカイザーが空へと飛翔すると司令官ロボ改も後を追うように空を飛んできた。やはり飛行タイプに改造されているようだ。だが・・・
「・・・遅いな」
「おそらく全身の武器が重過ぎるのだ・・・あ、撃ってきたのだ」
追いつけないと判断したのか、距離がある状態でもお構いなしにミサイルやらビームやらを撃ちまくってくる。
「【グランディスガトリングガン】・・・斉射」
ビームを華麗に避け、ミサイルをガトリングで打ち落とす。数は多いが、距離があるおかげで避ける隙も打ち落とす暇もある。
「重武装が仇になったな・・・【グランディスマグナム】バスターモード・・・発射!!」
さらに【グランディスマグナム】で本体に極太ビームをお見舞いする・・・が・・・
「・・・むぅ、効いてはいるのだ・・・だが、ダメージは少ないのだ。どうやら装甲も厚いようなのだ」
・・・マークツーは伊達じゃなかったか。時間も限られてるし、接近戦で一気に仕留めるか。
「だう! だーう!!」
と、そこにアウルに服を引っ張られる。興奮してどうした? おもちゃ?の剣まで振り回して。
「・・・ああ、お前もやりたいのか? アウル」
「だう!!」
・・・そんな満面の笑みで元気良く返事をされると無碍にはできないな。
「・・・やれやれ、わかったよ」
「・・・アルク、どうするのだ?」
まあ、見てろ。アウルも成長、もといレベルアップしてるんだからな。
俺はアウルに代わってスキルを唱える。
「【オービットソード】」
すると俺・・・アークカイザーの周囲に巨大サイズの光の剣が現れる。それは1本、2本と数を増していき、最終的には20本近くまで数を増やした。そして・・・
「だう!!」
アウルの掛け声と共に光の剣たちが一斉に司令官ロボ改に襲い掛かる。
【オービットソード】は無数の光の剣を作り出し、自在にコントロールしながら敵を斬り、または突くスキルである。今は20本だがスキルレベルが上がるに連れて数が増していく恐るべきスキルである。
「だーう♪ だーう♪」
アウルが楽しそうに持っている剣を振り回している。実は20本の光の剣を操っているのは俺ではなくアウルなのだ。・・・20本の光の剣に斬りつけられる司令官ロボ改が哀れである。
しかし、これはこれでダメージはあるようだが、倒すまでは行かないようだ。スキルの効果が切れたのか、1本、また1本と光の剣が消えていく。そして最後の1本が消えてもなお、司令官ロボ改は健在である。
「う~~・・・だう!!」
アウルはとてもとても不満そうだ。そして何かをねだる様に俺を見てくる。
「んんー?・・・もう一回か?」
「だう!」
やれやれ、仕方が無いな。
「クルッ!!」
おっとアーテル・・・お前もか。
「・・・わかったよ・・・皆で行くか!」
「クルッ!」
「だう!」
「・・・やれやれなのだ。アルクも存外甘いのだ」
「・・・マスターハ、オ子様ノ心ヲ理解シテイルハズデハ?」
「誰がお子様なのだ!?」
・・・なにやら外野がうるさいが、無視して集中する。
「【オービットソード】」
アークカイザーの周囲に20本の光の剣が浮かび上がる。
「おまけで【結晶の短剣】」
さらに【結晶魔法】で作り出した無数の結晶の短剣が浮かび上がる。
「行けっ!!」
「だう!!」
無数の光の剣と結晶の短剣が司令官ロボ改に襲い掛かる。
「さらに!【シャイニングフェザーインパクト】!!」
さらにさらにアークカイザーの背面に光の翼が生え、無数の羽の弾丸を司令官ロボ改に浴びせる。
「・・・容赦ないのだ」
「コレハ逃ゲ場モアリマセンネ」
その通り、これは無数の光の剣と弾丸と、結晶の短剣で一気に敵を殲滅する、俺とアーテルとアウルの必殺コンボなのだ!!
対する司令官ロボもミサイルやらビームで迎撃しようとするが多勢に無勢。その攻撃は俺たちに届く事はなく、逆に光の剣で無数に切り刻まれ、結晶の短剣で串刺しにされ、光の弾丸で全身に穴が空いていく。
そんな攻撃をしばらく続けていると・・・
「・・・さすがに奴も満身創痍なのだ」
絶え間なく攻撃を続けた結果、司令官ロボ改はボロボロだ。しかし、それでも戦意があるのか、今だ空を飛んでいるし、こちらを見据えて放さない。
「しぶとい野郎だ。・・・だが、これでトドメだ。【グランディスバスターキャノン】スタンバイ!」
アークカイザーサイズの巨大飛行バイク【グランディスチェイサー】を呼び出し、大砲形態へと変形させていく。
「・・・エネルギーチャージ完了。発射準備OKデス」
ラグマリアの声を合図に発射体勢に入る。
「【グランディスバスターキャノン】・・・発射!!」
極大の閃光が司令官ロボ改を包み込み、その姿を跡形もなく消滅させた。
「ふぅー・・・やったか」
「クルーッ♪」
「だうー♪」
そうかそうか、お前達も嬉しいか。
「お疲れなのだ、アルク・・・おお! 中々レアなドロップ品なのだ!! これは良い【兵器】が作れるのだ!!」
・・・敵は消滅したのにドロップ品は何故かしっかり【収納箱】に収納されているというゲームならではの不思議だな。
「セッカク新登場シタノニ良イ所ナシデシタネ、司令官ロボ改」
・・・ラグマリアよ。司令官ロボ改は敵だからね?
まあ、なんにせよ、パーツが手に入ってホクホクだね。
アーニャたちからも今日は終了の連絡があったし、こっちもこれで終了!
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