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リラックスタイム

「さあ、さっそく種蒔きするっすよー!!」


畑を耕し終え、肥料をまいた所でアシュラが叫ぶが・・・


「「待てや」」


「おうぷ!!」


大量の種を持って走りだそうとするアシュラを襟首を持って止める俺とアスター。・・・首が絞まってしまったようだが気にしてはいけない。


「けほっけほっ! な、何をするんすかアスター! アニキも!!」


「それはこちらのセリフだっつーの」


「アシュラ、君、なにか忘れてない?」


「・・・?」


・・・こいつ・・・マジで忘れてやがる。


「はあ、アシュラ。まずは種をミコトに吸収してもらわないと【種子創造】で新しく種を作れないだろう?そうなると今ある分を使い切っちゃったら、またどこかで調達しなおさないといけなくなるよ?」


緊急クエストで出てきた野菜や果物の【邪霊】は、フィールドでは見つかっていない種類が多いらしい。今でも多くのプレイヤーが【精霊界】の各所を探し回っている。つまり、緊急クエストが常設になるまでは、再度の入手の目途が立っていないっていうことだ。


「・・・ハッ! そうだったっす!! うっかりしてたっす!! ・・・あれ? ということはっすよ? ミコトちゃんに種をたくさん作ってもらって売り出せば大儲けっすか!?」


「あい?」


ふむ、そういえば種の状態でもそれなりに高値で売れてたな。作物ほどではないが・・・しかしアスターは首を振る。


「残念ながらミコトが作った種は、僕の作った畑でしか育たないみたいなんだ。正確にはミコトとのスキル【生命の息吹】を使った畑でないとね。作物まで育ったものであれば売り出すことはできるけど・・・」


なるほど、そううまい話はないってことか。それでもミコトちゃんの能力は俺たちには十分すぎるくらい十分な力だけどな。


「そういうわけだから、種をミコトちゃんに渡せ」


「わかったっす!・・・ミコトちゃん、お願いするっす!!」


「あい!!」


元気よくアシュラから種を受け取るミコトちゃん。・・・あ、いくつか種落としちゃった。ミコトちゃんのちっこい手には乗り切らなかったようだ。落とした種はアスターが拾っている。


「・・・それじゃあ頼むよミコト。【種子吸収】」


「あいー!」


手に持った種が光りだし、次々にミコトちゃんの体に吸い込まれていく。すべての種が吸い込まれると・・・


「【種子創造】」


「あーいー!!」


今度はミコトちゃんの手のひらが光りだし、そこに次々と種が出来上がっていく。


「・・・これで、とりあえず俺たちは作物の種には事欠かないわけだな」


「ええ、そういう意味では他のプレイヤーよりも優遇されているように思いますが・・・」


まあ、そこはそういうミコトちゃんの力だからな。・・・【生命の精霊】の情報が知れ渡ったらみんな目の色変えて探し出そうとするだろうな。


それはともかく、種を全員に配り、各自植えていく。今回は畑を十字に区切り、1区画をイチゴやメロン、スイカなどの草になる種類を植え、もう1区画はリンゴ、カキ、ミカンなど木になる種類を植える。残りの2区画は野菜・・・キュウリやキャベツ、ハクサイなどを植えていく。


・・・種類もバラバラで、季節もガン無視だな。・・・ゲームの中ってことで納得してくれ。


全員がかりで一つ一つ丁寧に植えていく。・・・これも時間かかるな。


・・・20分後。


「これで最後っと。・・・あとは仕上げだな。アスター頼む」


「はい。ミコト、【精霊憑依(レイ・ポゼッション)】」


「あい!」


二人が光りだし、一体化していく。


「【生命の息吹】」


ミコトちゃんと一体化したアスターが畑全体に緑色の光を振りかける。


【生命の息吹】は畑に生命力を分け与えて種の成長を活性化させるスキルだ。これでもう美味しい作物ができるのは間違いなし! あとは水やりをしながら収穫を待つばかりとなる。


「ふぅ~・・・終わりました」


「あい!」


分離したアスターとミコトちゃんが戻ってくる。お疲れさん。


「ふぅ、結構な重労働だったわね」


「きっと収穫した作物を食べるときは格別でしょうね」


うむ、苦労して育てた作物の味はまた格別だろうな。


「腕が鳴るのです!!」


「これでさらに料理が美味くなるのは間違いないのだ」


アーニャもアヴァンも作物が楽しみなようだ。無論俺もだが。


「さて・・・戻るか。・・・そうだな、ほどほどに疲れたし、クランホーム地下の大浴場でひとっ風呂と行こうか」


「「「「「「賛成!!」」」」」」


うむ、風呂は日本人の心だからな。農業で汗をかいたのなら風呂で流すのが日本人だろう。・・・ゲームの中なので汗はかかないが。


===移動===>【アークガルド】クランホーム 地下大浴場


「ふぃーいい湯だなぁ・・・」


「おっさんくさいわよ、アルク・・・」


ほっとけ。


ちなみに今俺をおっさん扱いしてくれた失礼な奴はアテナである。


なぜ湯に浸かってるのにアテナがいるのか?


それはここの大浴場が混!浴!だからなのである。


ここでセクシーシーンを期待したそこのあなた! 残念! ここの大浴場は水着着用です。まあ、これはこれで・・・


「どこを見てるのですか? アルクさん?」


アルマの凍てつく視線が胸に刺さった! アルクに100のダメージ! しかし! 目に映るパラダイス効果で10000回復した!


「湯は良いんですが・・・なんとも落ち着かないですね・・・」


「ちょっと恥ずかしいっす・・・」


そして大浴場初体験、かつ水着初体験のアスターとアシュラ。・・・アスターは細身だが中々筋肉質だ。アシュラは・・・彼女も中々筋肉質だ。・・・胸も中々・・・


「あいたッ!!」


・・・おい、誰だ? 今俺の頭をどついたのは・・・俺の真後ろにはアテナとアルマがいた。・・・どちらが犯人だ? もしくは両方か?


「今のはアルクさんが悪いのです・・・」


「いやいや、俺はちゃんとアーニャのスク水姿も注目して・・・アイタッ!!」


スネを蹴られた。・・・今のは両足だったから犯人は二人だな。


「マスター、オ背中ヲオ流シシマス」


「よせ! 自分でやるのだ!! 離すのだ!!」


向こうではアヴァンがラグマリアに捕まっているが・・・あっちはほっとこう。


・・・カイザー? なぜ俺を見る? お前も背中流したいのか? ・・・だが男の背中を流すロボットの図・・・シュールだからやめておこうぜ?


「クルー♪」「がお♪」「ピュイ♪」「キュイ♪」「キュア♪」「キュウ♪」


アーテルたちは湯に浸かってのんびりしている。適温に施された湯に浸かるのは気持ちが良いようだ。


そして・・・


「あーいー!!」


「まうー!!」


「だーうー!!」


ミコトちゃん、ルドラくん、アウルが大浴場の湯の中を元気に泳いでいる。普段ミコトちゃんは巫女服姿、ルドラくんは道着姿、アウルは鎧姿なのだが・・・今は幼児サイズの水着を着ている。君らの服? 着脱可能だったんだね。


ちなみに彼女たちは最初マッパで入ろうとしていた。見た目は幼稚園児みたいだし、それでも良いかと思ったが一部の奴ら(主に女性陣)がキャーキャーうるさかったので急遽水着を用意した。・・・あいつら何気にショタ属性があるんじゃないだろうか?


「今、何か失礼なこと考えなかった?」


「いんや? なんにも?」


・・・俺の心に自由はないのか、と言いたいが我慢した。


「・・・」ジー


「・・・」ジー


なぜか俺を見るアテナとアルマだが、俺も二人を見つめ返す。


・・・やはり素晴らしいデカメロン・・・


「グフッ」


やっぱりどつかれた。

作者のやる気とテンションを上げる為に


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