今後の食生活の為に
感想・指摘ありがとうございます。
返信は出来ていませんが直せる所は直すつもりです。
・・・カラシ入りたこ焼きとかワサビ入りたこ焼きを試した人が居たとは・・・恐るべし。
「まあ、アウルたちは今後の成長に注目って事で、レベリングが必要だな」
「そうですね。まあ、レベリングが必要なのは僕やアシュラも同じですが・・・今日の緊急クエストでどれだけレベルアップできるかですね」
・・・そうか、まだ俺たちとアスターたちには10レベル以上の開きがあったな。今回の緊急クエストがどんな展開になるのか分からんがパワレベできると良いんだが・・・
「・・・そういえば二人ともバトルトーナメントには出る予定なのか?」
他のメンバーには既に確認していたが、この二人にはまだ確認していなかった。
「ボクは出るっすよ!!」
アシュラが元気一杯に答える。まあ、お前はそうだろうよ。
「僕は・・・遠慮しようかと思ってます。あんまり戦闘向きではないんで」
・・・嘘だ!と叫びたい。
「そんな事はないだろう?アシュラと一緒に【拳武の精霊】と立派に戦っていたじゃないか?」
「うー?」
うん、ルドラくん。君の事じゃない。・・・あ、いやルドラくんの事なのか?なんかややこしいな。・・・生まれ変わった以上、別人ということで。
「うーん、僕は基本的にサポート向きなんで、あんまり1対1で戦うのには向かないんですよね。回復や防御は得意でも攻撃は・・・苦手で・・・」
・・・いや、君もガンガン前に出ていたと思うんだが・・・まあ、確かにミコトちゃんは攻撃力が無いし、【念動力】とやらも攻撃向きのスキルじゃないみたいだしな。・・・アスター本人の性格(武器を持ったとき限定)は攻撃的だと思うが。
まあ、無理強いはすまい。やりたくない事はやらなくても良いんじゃない?がうちのクランのモットーだからな!
「となると、トーナメントではアシュラともライバルだな」
「胸をお借りするっす!アニキ!!」
・・・ここで、絶対優勝するっす!って言わない辺り、謙虚さを覚えたのだろうか?猪突猛進さが鳴りを潜めたのは良いことだと思うが・・・アスターがハンカチで目頭を押さえてるな。これまでのアシュラの無謀っぷりが目に浮かぶようだ。
「まあ、トーナメントに関しては置いておいて、今回の緊急クエストで良い成績を取って、畑を充実させたい所だな・・・そういえばアスター、聞いておきたい事があるんだが」
「なんですか?」
「確かミコトちゃんはスキルで種や苗木を生み出せるって言っていたな?どんな種類でも生み出せるのか?」
「あい?」
そう、君の事だよミコトちゃん。割と・・・いや、かなり重要な点だ。今後の食生活の為に。
「・・・現状ではどんな種類でも、とはいきませんね。ミコトの【種子創造】や【苗木創造】はミコトが吸収した物を創り出すスキルなので・・・」
ふむ、さすがに最初から何でも創り出せるとはいかないか。
「吸収っていうのは?食べるのとは違うのか?」
「違いますね。ミコトが手に持った物がフワ~っとミコトの体内に吸い込まれていく感じです。・・・ここで重要なのは、吸収させなきゃいけないのは実ではなく種、だという事です」
?どういうこと?
「例えば【精霊リンゴ】の場合だとリンゴの実を吸収するのではなく、実の中の種を吸収しないと駄目だということです。・・・リンゴの種は食べませんしね。同じように、【精霊サクラ】・・・桜の木の苗木を創ろうと思ったら、桜の花ではなく木の一部が必要です。こちらは種ではなく一部で良いみたいです。・・・あと木はさすがに食べれませんよね?」
・・・なるほど。だから吸収なのか。確かに種も木も食えないからな。良い子も決して食べてはいけません。
「だう?」
うん、君達に言っているんだよ。・・・って俺たちが注意しなきゃいけないことか、それは。
「なるほど。それで現在、ミコトちゃんが創れる物は何種類くらいあるんだ?」
「えーっと、【体力草】【気力草】【魔力草】【霊力草】と【精霊イチゴ】【精霊リンゴ】【精霊ミカン】【精霊イモ】【精霊キャベツ】【精霊ニンジン】【精霊米】【精霊小麦】の12種類ですね。ただし、【精霊リンゴ】【精霊ミカン】【精霊米】【精霊小麦】に関しては作った事はありませんね。・・・時間と規模が必要なので」
・・・確か、リンゴとミカンは木になるんだよな。つまり木を育てる時間が必要ということか。・・・畑ではなく果樹園が必要か。米や小麦は・・・水耕だっけか?どちらにせよ他の畑と一緒にはできないよな。
・・・いろいろ揃えようと思ったら俺が思っている以上に大規模になるかもしれん。・・・農業って大変だな。これからはリアルの方でも農家の皆さんに感謝しながら食べることにしよう。
「となると当面は作物の種類を増やしつつ、何を作るのか計画を立てながら拡張していかないといけないな・・・よしっ!アスターくんを我がクランの農業大臣に任命しよう!今後も精一杯励んでくれたまえ」
リーダーらしく、偉そうにアスターを任命する俺。
「・・・アニキ・・・」
「・・・絶対途中でめんどくさくなりましたよね?・・・いえ、僕の領分なのは間違いないので良いんですけど」
・・・ソンナコトハナイデスヨ?
「・・・手伝ってはくれるんですよね?」
「手が空いていればな。俺たちは俺たちのやりたい事があって、基本、自分の用事が優先だからな。言い方は悪いが農業の手伝いは片手間になる可能性がある。・・・それに肉はモンスターを、機械のパーツは【機械兵】を倒さないと上質な物は手に入らないから、そっちもおろそかにするわけにもいかん」
こうして考えると俺たちのクランって結構忙しいのかもな。・・・忙しくしたのはほぼ俺が原因だけど。
「それは当然ですね。僕だって好きで農業をやってるわけで、他の人に強制するつもりはありません。・・・自分の食べる分は自分で作って欲しいところですがね」
・・・言いたいことはよく分かる。
「そこはメンバー内でも購入か物々交換ってことで勘弁してくれ。でないとお前やミコトちゃんが肉を食えなくなっちまうぞ?」
「あう!?」
・・・ミコトちゃんが、それは一大事!といった焦った顔をしている。そしてアスターの元まで飛んでいき、彼の頭をペシペシ叩いている。
「イタタ・・・それもそうですね。持ちつ持たれつの関係であるのなら問題はないですよね・・・だから大丈夫だってミコト・・・」
どうやらミコトちゃんは肉が食べられなくなる事を心配しているようだ。彼女に肉の味を教えたのは俺だがな、クックック。
・・・それはさておき、アスターの言った持ちつ持たれつっていうのは大事だと思う。【アークガルド】は、戦闘が俺、アテナ、アルマ、そして今回からはアシュラ。料理はアーニャ、機械はアヴァン、そして農業はアスターという形で分担されることになる。各自協力しながらクランに貢献し、クラン内で共有できる事が大事で、一方的な搾取など言語道断だ。
・・・問題なのは俺がどこまで貢献できるかってことなんだが・・・お堅く考えすぎかな。もう少し気楽なクランでいきたいな。
緩過ぎず、硬すぎず、そんな人に私はなりたい、もとい、そんなクランに私はしていきたい。
・・・自由でテキトーともいう。
一周まわって元の着地点に戻ってきた俺の決意を確かめているとアテナたちが戻ってきた。
慣らしは終わったようだ。
それぞれの感想を聞き、こちらの状況を伝えつつ、緊急クエストに備える俺たちなのだった。
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