【武術界】へ
===移動===>大転移門
【インフォガルド】での話しを終えた俺達は早速【武術界】へと向かうべく【転移装置】を使ってとある場所にまでやってきた。
【大転移門】
異世界を繋ぐ五つの巨大な転送装置の一つ。実際にそこにあるのは巨大な門だ。人が通るとか言うレベルではなく、ビルよりも高く、飛行機や大型船も余裕で通れるほど広い。実際、門の巨大さから比べたら人間なんて点にしか見えないだろう。
門は常に開けっ放しの状態になっている。有事の際は門が閉じて行き来が遮断されるという話だが、実際に閉じた事はないらしい。そして門の中は・・・見えない。海の海面のようにエネルギーが壁のようにうねっていて向こう側が見えない。
ここは【武術界】へと繋がる【大転移門】で、他にも似たような【大転移門】が5箇所ある。デザインはすべて同じようだが。つまり異世界間の行き来はすべて【人間界】を通さないといけないらしい。まあ、各世界にも【転移装置】が設置されているので、一度行った事がある場所なら異世界間でも【転移装置】で移動できるらしいので【大転移門】を直接使う機会があるのはそう多くない。
もっともラングあたりは【大転移門】に関するイベントが必ずある。と言っていたが。・・・うん、俺もそう思うな。
とにかくココを通れば【武術界】だ。
「それじゃあ行くか。」
「ええ。」「はい。」
俺達三人は【大転移門】を通る。ちなみに見張りこそいるが通る事自体はフリーパスだ。ラングはコレについてもなにかのフラグじゃないかと睨んでいるがどうだろう。単にゲーム上の仕様の様な気もする。まあ、今そんな事を気にしてもしょうがないんだが。
門を通った瞬間、光に包まれる。奇妙な浮遊感を感じたと思ったら門の向こう側にたどり着いていた。
===移動===>【武術界】第一の街ファスト
着いたのは【大転移門】が置かれている第一の街【ファスト】である。【武術界】を訪れた者が最初にたどり着く街。
「うーん、なんていうか・・・江戸時代?」
アテナがそんな感想を漏らすが無理は無い。瓦が敷かれた三角形の屋根の二階建ての建物が道路に面してびっしり並んでいる。引き戸に障子、畳なんかも見えるな。
「でも格好は普通、というかバラバラだね。和服の人はいるけどチョンマゲの人とかはいないし。」
アルマのいうこともその通りで、多分冒険者も混じってるんだろうが普通にTシャツジーパンの住人もいる。正直、街の雰囲気に合っていない感じ。俺達が言えることでもないが。・・・チョンマゲって江戸時代にあったっけ?
「えーと、ヘルプによると・・・ああ、この街は江戸時代の古き良き文化を現代まで受け継いだ街、っていう設定らしい。この世界の街はそれぞれに特色が別れてるみたいだ。ここは江戸の特色の街ってことらしいな。」
「ふーん、あ、あそこに案内板がある!街の地図も!」
江戸なら瓦版じゃないのかと思わなくも無いが普通に案内板だった。駅前とかで見るような。どうも江戸の街並みと現代の技術が融合したような街らしいな。
「各ギルドの場所も載っているようですね。・・・場所はバラバラですが。」
「そのようだな。じゃあ一旦解散してそれぞれ向かうか。何かあったらメールで。」
「そうね。」「はい。」
さすがソロプレイヤーの集まり、目的地に向かって一目散だ。・・・一人で。俺も行こう。
===移動===>剣士ギルド
「すいませーん。」
【剣士ギルド】の看板が掲げられた建物に引き戸を開けて入っていく。・・・どうでもいいが引き戸の家っていうとおじいちゃんおばあちゃんの家を思い出すな。え、オレだけ?そうですか。
「はい、ご用件はなんでしょう!」
中に入ると、カウンターの向こうにいた制服姿のお姉さんが元気よく出迎えてくれた。・・・やっぱり違和感を感じるが慣れるしかないんだろうな。
「ギルド登録をお願いしたいんですけど・・・」
「ハイ、それではアバターカードの提出をお願いします。」
アバターカードを渡し、登録を待つ。ちなみにギルド内は俺一人だ。いわゆるココはシングルエリア。他のプレイヤーがおらず、自分だけ、もしくはパーティだけが入れる個別エリアだ。他のプレイヤーもいる場所はマルチエリアという。さっきまでいた広場や道路なんかがそうだな。
なんでこんな事になっているのかというと、このゲームは既に数十万人の人がプレイしているわけだ。だがこの街の【剣士ギルド】は一つしかないわけで、一斉に人が訪れたらとんでもない長蛇の列になるわけだ。なのでシングルエリアに入ると、他のプレイヤーと被らない専用空間に飛ばされるわけだ。実感は全然無いけど。だから、まったく同じ時間に同じ場所にプレイヤー達が入ってもそれぞれで受付できるというわけだ。戦闘エリアで言ったらボス戦か。前のパーティが終わるのを待つのではなく同時平行でボスに挑む事ができるというわけだ。
ややこしいが、要するに順番待ちしなくいいってことだな。
「はい、登録完了しました。【剣士ギルド】について説明をお聞きになりますか?」
「お願いします。」
「判りました。【剣士ギルド】は【剣士】スキルの普及・研究・開発を行うギルドです。【剣士】の武器は剣、長剣、大剣とありますがそれらの武器のスキルを入手する事ができます。スキルの入手方法は簡単でギルドが出すクエストをクリアしていただければ【技術巻物】をお渡しします。ここまでで質問はありますか?」
「【技術巻物】をもらえるってことはスキルの習得自体にはSPは消費しないってことですか?」
「そうですね。ただし、スキルの中には進化可能な物もありますので進化させる場合はSPが必要です。」
「なるほど。あとは・・・あー、当たり前かもしれませんがクエストはクラスが【剣士】で剣、長剣、大剣を使ってクリアしないといけないんですよね。」
「それはクエストによります。条件がある場合はその旨が記述されているはずですのでその都度ご確認ください。記述が無ければクラスが違っても構いませんが、どの道、受けられるクエストは【剣士】のレベル次第なので、【剣士】で戦闘をしないとクラスレベルは上がりません。スキルを使用しないとスキルレベルも上がりません。」
「では他のギルドのクエストとの掛け持ちはどうですか?例えば冒険者ギルドで同じ内容のクエストを受けてクリアしたら両方のクエストが達成になるんですか?」
「それは問題ありません。効率を求める方はむしろそう言うクエストを積極的に探していますね。もっともまったく同じ依頼なんてものは滅多にありませんけどね。」
「ふむ、まあそうでしょうね。質問は以上です。」
「では早速、最初のクエストを発注します。」
クラスクエスト【剣士ギルド入会試験】
フィールドでバケネコを10体討伐する
バケネコの魔石を5個納品する
クリア報酬:【剣術】
『クラスクエスト【剣士ギルド入会試験】を受注しました。』
バケネコ?化け猫か?ここでは妖怪でも出るのか?
「受注しました。では早速行ってきます。」
「ハイ、がんばって下さい。」
===移動===>ファスト近郊 フィールドエリア
「ウラァアアアア!」
===移動===>剣士ギルド
「戻りました。」
「はやッ!え?まだ15分程度しか経ってませんよ?」
「そういわれても・・・」
実際、レベル的には【人間界】の始まりの森フォーレスと大差なかった。フィールドに出てすぐに群れを見つけたし、10匹倒したところで魔石も5個になった。特に面白くもなんとも無かったので割愛。
「それではアバターカードと魔石を・・・ハイ、確認しました。間違いありませんね。それでは【剣術】の【技術巻物】をお受け取りください。」
『クラスクエスト【剣士ギルド入会試験】をクリアしました。』
【技術巻物】を受け取り早速使用する。
『【剣術 Lv.1】を取得しました。』
よし、まずははじめの第一歩だな。あとはひたすらレべリングか。
「覚えました。それで他に受注できるクエストはありますか?」
「現在のアルクさんが受けられるクエストはこちらですね。」
クラスクエスト【剣士経験値クエスト1】
フィールドでバケネコを20体討伐する
クエスト受注の間、クラス経験値、スキル経験値がアップ
クリア報酬:なし
クラスクエスト【剣士経験値クエスト2】
フィールドでヌリカベを20体討伐する
クエスト受注の間、クラス経験値、スキル経験値がアップ
クリア報酬:なし
クラスクエスト【剣士経験値クエスト3】
フィールドボス、バケネコタイショウを討伐する
クエスト受注の間、クラス経験値、スキル経験値がアップ
クリア報酬:なし
ヌリカベって・・・まあいい、報酬が無い代わりに経験値を多くもらえるクエストか。レべリング用だな。これ以上はクラスレベルが上がらないとでないんだろ。
「では全部受注します。」
『クラスクエスト【剣士経験値クエスト1】を受注しました。』
『クラスクエスト【剣士経験値クエスト2】を受注しました。』
『クラスクエスト【剣士経験値クエスト3】を受注しました。』
「ハイ、ではくれぐれも気をつけて行ってきてください。」
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