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「さて落ち着いた所で、君達の方針を聞かせてくれないか?」
雰囲気的には微妙に落ち着かないんだが、今それを言うと話が進まないので黙っていよう。
「オレは【武術界】に行って武器のスキルを取得するか、【魔法界】に行って魔法のスキルを取得しようと思ってる。」
「フム、堅実だね。」
「私は【機甲界】に行きたいわね!兵器とか乗り物とかあるんでしょ!あとは天使だし、【神仏界】かしら。」
兵器とか物騒なんですけど!アンタ天使ですよね。前から思ってたけど。
「私はアルクさんと同じく【魔法界】ですね。勿論、魔法が目的です。あとは【精霊界】や【幻獣界】ですね。・・・妖精やモフモフが仲間にできると聞いた事があります。」
モフモフ?
「フムフム、なるほど。それを踏まえたうえでアドバイスさせてもらうとアテナ君には申し訳ないが【神仏界】にはまだ入れないよ。【神仏界】はLv.40以上のプレイヤーでないと入れないからねぇ。ちなみに僕もまだ行った事がないよ。レベルが足りないからね。」
「ええ!!そうなの!?」
「そうなのだよ。そしてアルマ君の言っている妖精やモフモフというのは【眷属】のことだね?【眷属】を手に入れるにはホームを持っていることが条件になる。ホームを持っていない君達にはまだはやいんじゃないかな?」
「・・・そうなんですか。」
「フム、【神仏界】はともかく【眷属】に関してはなんでホームが必要なんだ?」
「【眷属】というのは所謂NPCのパーティメンバーであり、主人が必要に応じて呼び出すのだよ。そして呼び出す前に【眷属】がどこに居るのかというと・・・」
「ホームで留守番しているってことか。」
「そういうこと。ちなみにホームに【眷属】が喜びそうな玩具とか置いておくと好感度が上がるらしいよ?好感度が高いとそれだけ強力なサポートをしてくれるから。」
「フム、好感度はともかくパーティメンバーになるってことは、パーティ枠を一人分消費するってことか。確かパーティは最大で6人までだったな。つまり【眷属】は最大5体までしか連れて行けない。」
「つまり6体目以降はホームに待機しているってことだね。ただ【眷属】はフィールドやダンジョンでも任意に召喚・送還が可能らしいよ?それを利用して大量の【眷属】を用意しようとしている人もいるみたい。上手くいっているのかはわからないけど。」
「どちらにせよ。今すぐというわけには行かないようですね。残念です。」
「【眷属】目的じゃなく行ってみてもいいんだけどね。ただ私見だけど【精霊界】や【幻獣界】はレベル的には中級から上級者向けだね。行くならしっかり準備したほうがいい。ああ、ガットたちが欲しがる素材は大抵この二つの世界のものだね。」
なるほどね。まあ、行くのは確定だから別にいいんだけど。
「となると、後は【武術界】【魔法界】【機甲界】か。」
「アテナ君の言ってた【機甲界】の話だけど、確かに言っていることは正しいんだけど、ここでもやっぱり資金が問題になるよ。」
「あ、やっぱり?」
「うん、それこそホームが買える位の値段の強力な兵器もあるらしいんだけど、僕達もそのレベルまで行けてないね。」
「ということは・・・」
「うん、僕達のクランも【人間界】【武術界】【魔法界】でレべリングしてるよ?まあ、戦闘以外が目的だったら、どこの世界に行ってもいいと思うんだけどね。どの世界でも共通しているのは何かしらのクエストが発生して、それを達成しないと先に進めないって点だよ。」
「ん?それって戦闘以外のクエストもあるってことか?」
「そうだよ?例えばさっきの【眷属】の話で言えば、直接戦闘して屈服させる方法もあれば、極上の料理でもてなせば仲間になってくれるって場合もあるよ。」
「フム、なるほどな。まあ、でも今の話を聞いて大体決めたよ。まずは【武術界】に行って武器系のスキルを手に入れる。次の【魔法界】。順番に行くっていうより、まずはこの二つの世界を往復かな。」
「そうね。私も似たようなことを考えていたわ。せっかくガットさんからもらった武器があるんだしね。」
「ええ、戦闘職である以上、できるだけ戦闘力を上げてから次に行くべきでしょうね。」
「そうだね。それが堅実だ。ちなみに君達はどのクラスと武器を使うか決めたのかい?」
「ああ、オレは【剣士】でメイン武器は大剣だな。まあ他の武器も使う予定だけど。ってああ!!」
「ど、どうしたんだい?急に声を上げて。」
「まだ、クラスを【剣士】に設定してなかった。危ない危ない。」
「・・・・」
「あ、私もだ。【弓士】にしておかなきゃ。メインは勿論、弓ね!」
「・・・・」
「私もです。【魔法士】が希望だったのですが、今は【槍士】にします。メインは槍ですね。」
「・・・・」
「どうしたんだ?ラング?」
「・・・いやクラスは普通、真っ先に決めるものだと思ったんだけどね。いまだ決めてなかったことに驚いただけだよ。」
「いやいや決めてはいたぞ?ただ初日からイベント目白押しだっただけで。」
「・・・ああ、君達はそうだったね。まあ、クラスとメイン武器を決めたのなら、まずは【武術界】の各専門ギルドに行くといい。君達の場合だと【剣士ギルド】【弓士ギルド】【槍士ギルド】だね。それぞれのギルドでクエストをクリアすればスキルを覚えられるはずさ。ちなみに【魔法界】でも同じ手順だね。」
「ふむ、まずはギルドでクエストか。」
「そうだね。どんなクエストかは自分で確かめてみるといい。あとは【武術界】も街がいくつもあってクエストによっては移動が必要な場合もあるよ。それも途中で、強力なボスモンスターが待ち受けていたりとかね。」
「RPGの定番だな。」
「そうだね。クエストなんかは各自でやるしかないけど、移動なんかは協力してやるのも手だよ。ソロプレイに口出しするつもりはないけど、時間短縮的な意味でもね。」
「・・・そうか、まあ、それはそのとき考えよう。」
「あとは行き詰ったら僕の渡した情報データを見るといい。初級のクエストは大体時間を掛ければクリアできる物ばかりだけど、場合によっては時間が勿体無い場合もあるからね。掲示板を見るのも手だよ。ただ・・・」
「ただ?」
「スキルもそうだけどクラスに関しても完全に網羅されているわけじゃないんだ。初級クラスではまだ残っているかどうかは判らないけど。中級以上だと日々新しいクラスが発見されているような状態さ。」
「ああ、このゲーム、確かそういうやりこみ要素も評判だったな。ん?だったら未発見のクラスのギルドってどうなるんだ?」
「新規開業扱いになって発見されたその日に各街にギルドができるよ。まあ、そこはゲームだから深くつっこまないほうがいいんじゃない?まあ、そういう珍しい情報があったら買い取るよ。他の人間が追従できるような内容だったらかなり高額で買い取れるしね。ホーム費用の足しにできるだろう?」
「なるほどな。わかったそのときは頼む。」
「あとはそうだね。ギルドや住人とは仲良くしたほうがいいよ?普通の人間に接するみたいにね。あんまり酷い対応をしていると嫌われて話すらしてくれなくなるよ。」
「ああ、冒険者ギルドの受付とかカフェの店員とかAIとは思えないような反応だったな。実際、本物の人間と話してるみたいに違和感がなかった。だからこっちも普通に対応できたが・・・その様子じゃあやらかした奴がいたみたいだな。」
「そうそう、このゲーム、そこらへんは良くできていてね。まだ噂程度の情報だけど、住人にも好感度が設定されていて対応次第で増減するみたいなんだ。で、好感度がマイナスまで行くとまったく相手にしてくれなくなる。バグなんじゃないかって運営に文句を言った奴もいたみたいだけど、そいつの発言は全部記録されていて、貴方がこんなこと言ったのが悪い、って突っぱねられたらしいよ。ソイツが今どうしてるか知らないけど。」
「好感度か・・・。つまり、好感度が高いと発生するイベントがあるってことか。」
「そう睨んでいるよ。実際、特殊イベントを除いて、大体のイベントがギルドの依頼や住人の聞き込みがトリガーだからね。ただ、好感度の上がり方は性別や種族、見た目によっても違うみたいでね。どうもそこらへんが細かく設定されているみたいで検証しきれないんだよね。まあ、全然上がらないってことはないみたいだから地道にがんばれば大丈夫みたいだけど。」
「なるほどな。要するにマナーを守って楽しめって事だな。」
「その通り。」
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