クラン【アイゼンガルド】
===移動===>【アイゼンガルド】クランホーム
というわけで【アイゼンガルド】のクランホームにやってきた。ちなみに【転移装置】を使ってきたので一瞬だ。歩いていく事もできるらしいがかなり遠いらしい。通常、【転移装置】は都市やフィールド、ダンジョン入り口など決まった場所に置かれているが、そのほかにもホームにも行く事ができる。
ホームというのはその名の通り、ゲーム内で持てる家のことだ。といっても寝食する場所というより他の用途のほうが大きい(寝食もできるが)。趣味的な意味で言えば好きなインテリアを配置したり、好きなペットと過ごしたりする事ができる。そして実用的な意味では個人所有の工房を設置できる。例えば、鍛冶師の場合、鍛冶ギルドで工房を借りて武器を作ったりできるが、多くの人が使うため、大抵は予約制で順番まちだったりする。そこで自分のホームに工房を設置すれば好きな時間に好きなだけ作業できるというわけだ。
ただし、ホームを買うのも工房を設置するのも莫大な資金がかかる。そのため、工房が必要とする人同士がクランを組んで共同でホームと工房を買うのだ。その共同の家を俗にクランホームという。まあ、今のはほんの一例で実際には個人で大きな家を趣味で買ってる人もいれば、大手クランが寄り合い場として家を買っている場合もあるらしい。無論、ホームを持たずにゲームをしている人もいる。
当然【アイゼンガルド】のクランホームも同じで、メンバーと共同でホームを購入し、設備をそろえているんだとか。そういえばガットのクランのメンバーって全然知らなかったな。いやそれ以前に何人くらいのクランなんだ?いまさらながら全然気にもしなかったな(笑)。とりあえず【黒衣の戦闘服】をくれた人にはお礼を言わなきゃな。
というわけでやってきたのだが・・・
「・・・コレは・・・店?」
着いたのは建物の入り口。周りには武器や防具、アクセサリーやアイテム、そしてアバター装備が並んでいた。カウンターやレジもあるし、ずばりお店そのものだ。
「ああ、ワシらのクランホームは店も兼ねておるな。【転移装置】も店の入り口に設置しておるんじゃ。」
「なるほど、生産クランの収入源ってわけか。しかし広すぎないか?店?ちょっと小さいくらいのスーパーマーケットくらいの大きさじゃないか?クランホームってこんなもんなのか?」
「馬鹿を言え、頑張って拡張したんじゃ。最初はコレの10分の1ほどしかなかったわい。レベルが上がって高品質の物ができるに連れて客が増えての。どんどん手狭になっていくからそのたびに拡張したんじゃよ。」
試しに武器の一つを見てみると。
「げ、☆10ランク、しかもとんでもなく高い。」
いや冗談抜きでホームが買えるくらいの値段じゃないか?
「それでも必要な奴は買っていくわい。最高品質ではないが今以上となるとレアドロップになるからのう。」
・・・つまり、オーダーメイドではほぼ最高の物を作っていると?恐るべしガット。
「なんだい、ガット。今戻ってきたのかい?みんなもうログアウトしちまったよ。」
突然聞き覚えのない女性の声が響き渡る。見ると、店の奥の扉から大柄の女性が出てきた。背はガットと同じくらいで、同じくらい筋肉質。紫色の髪と紫色の瞳で額に二本、角が生えている。そして美人。目が鋭くなんか思わず姉御と呼びたくなるような大人びた感じがする。
「おう【ヴィオレ】、昨日言ったじゃろ。アルクとそのクランメンバーを連れてきたんじゃ。」
「お、アンタが噂のアルクかい!へえ早速アタイの作った服を着てくれてんだね!嬉しいよ!アタイは【ヴィオレ】、見ての通り種族は【鬼人】だよ。」
やはり【鬼人】か。いやそれよりもこの服作ったのこの人!言っちゃ悪いが繊細な服を作るようには見えない。ガットの隣で鍛冶に勤しんでるほうが似合ってると思うんだが。
「はじめまして、アルクです。服を頂いて感謝しています。」
「ハッハッハ、硬いね。敬語なんて使わず普通に喋って良いんだよ。」
「それじゃあ、遠慮なく。ビシッと決まったこの服は気に入ってるぜ!まだ一日しか経っていないけどな!だが、今度はちゃんと素材と代金そろえてオーダーメイドするからよろしくな!!」
いかん。姉御キャラに押されてテンション高くなってるぞ。
「アーハッハッハッ、いい度胸じゃないか。アタイの姿見ると大抵の奴がびびるんだけどねい。このアタイ相手にしれっとオーダーメイドの予約を取っていくなんて気に入ったよ!!」
バシバシ背中を叩かれる。どうやら掴みは良好のようだ。
「ちょっとアルク!服を作ってもらうなら私たちが先よ!はじめましてヴィオレさん。私はアルクのクラン【アークガルド】のメンバー、アテナです。」
「同じくアルマです。今日はガットさんの紹介で来ました。宜しくお願いします。」
「ガットの?」
「ウム。お前さん、この娘っこたちに服を作ってやってくれんかのう。できればアルクが着ておる【黒衣の戦闘服】に見劣らん奴をな。」
「フムフム、礼儀正しい奴も嫌いじゃないよ。・・・なるほど素材もいいし、背も高い。それに・・・」
「きゃあ!」「ええ!」
なんとヴィオレさんがアテナとアルマの胸を豪快に鷲づかみに!!!なんて羨ましい!!じゃないけしからん!!でもなくて何やってんだ?
「フムフム、胸もでかいねぇ。モデルにぴったりだよ。よし任せな。アンタ達に合った服を用意してやるよ!!明日の朝、またココに来な!!」
そういってヴィオレさんは猛烈な勢いで店の奥に引っ込んでいった。って明日の朝?
「なあガット、今はもう夕方近いよな。んであの人今、明日の朝って言ったか?」
「言っとったのう。大方徹夜でもするんじゃろう。」
「大丈夫なのか、それ。」
「無理なら無理と言うわい。できるから、いや、やりたいからやるんじゃ。誰にも止められんよ。」
「・・・じゃあ、今日はそろそろ、俺も落ちようかな。また明日ってことで。」
「そうね。」「私たちもそうします。」
「ワシはヴィオレの様子を見ておこうかのう。おっとその前にアルクに渡した武器セットを娘っこたちにも渡しておこうかのう。」
そういって【メニュー】を開き添付メールを送るガット。・・・なぜか俺のところに。
「なぜ直接渡さん?」
「フレンド登録しておらんし、お主クランリーダーだろう。」
「・・・まあ、武器はいくら有っても困らないからな。・・・んでいくら?」
「お主のと同じじゃよ。服の代金も含めてな。」
あわせて150万Gになります。
「なんじゃ?今度はごねんのか?」
「今日は店を回ったりしたからな。それなりに相場は理解したよ。今すぐ返せって言われないんなら、確かにいい買い物だよ。
アテナ、アルマ。メールで送ったから好きに使え。あ、俺の貸した奴は返せよ。」
「えーっといいんですか?ガットさん。」
「構わんわい。タダでやるといっておるわけじゃないしのう。」
「ありがとうございます。ガットさん!ガットさんの武器は今日使わせてもらいましたが良い武器です。代金は必ずお支払いします!」
「ホッホ、それならワシも職人冥利に尽きるのう。」
「それじゃあ、今日は解散だね。」
「お前いたのか、ラング。」
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