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次の目的

===ログイン===>【アークガルド】クランホーム


「おはようこんにちこんばんは、諸君。」


俺たちは今、使用したことがまったく無かったホーム2階の会議室に来ている。


「それでは第・・・何回だっけ?・・・【アークガルド】会議を始める。」


「急にメンバー集めてなに言ってんの?」


クッキーをポリポリ食べながらアテナが疑問を投げかける。


「いつもゆるーく、話してただけですのに今回は本格的ですね?」


アルマが優雅に紅茶を飲みながら、優雅に問いかける。


「いつもお庭に集まっているので、なんだか新鮮なのですー。」


地味に俺が色々そろえていた会議室をキョロキョロ見回すアーニャ。


「せっかく用意した場所を使いたくなるのは分かるのだ。で、議題はなんなのだ?」


【メニュー】を開いてカタカタやりながら話すアヴァン。多分掲示板かネットを見ているのだろう。


以上5人が【アークガルド】に所属するプレイヤー5名である。


ここにさらに俺の眷属であるアーテル、アテナの眷属であるレオーネ、アルマの眷属であるフィオレ、アーニャの眷属であるブランとノワール、アヴァンの眷属であるラグマリア、そしてクランメカロイドであるアークカイザーが揃っている。


以上が【アークガルド】の全メンバーである。


・・・こうして見ると随分増えたように見えるな。プレイヤーより眷属の方が多いのはやや気になるが。


「まあ、そんな大したことじゃない。単に全員にガットが作った装備がいきわたって、レイドクエストもひと段落した。なんでバトルトーナメントに向けて本格的に動こうと思ってな。」


まあ、レイドクエストに関しては、ボスのヤマタノオロチのレベル設定が出来るようになったから、いつかレベルを上げて挑戦しようとは思っているが・・・さすがに最大Lv.85に挑戦する勇気は無い。俺たち、まだLv50台だぞ。ラングの奴はよりゴージャスな報酬になるだろうとか言っていたが。


それはともかく、バトルトーナメントが開催されるまで後4週間、各メンバーの方針を聞いておこうと思ったわけだ。今回みたいに急にレイドクエストとか起きるかもしれないしな。・・・レイドクエスト起こしたの俺だけど。


「だがその前に、だ。アヴァン。」


「む?・・・おお!アレなのだ?」


アヴァンに指示を出し、会議室の大型モニター(このためにわざわざ買ってきた)に例のアレを表示させる。


「・・・これはなんなのです?」


「小型偵察メカ【ビートル君】が撮影したレイドクエストの映像だな。クエストの前半は三方に分かれてたから、他の場所の様子が分からなかっただろう?せっかくだから見ておこうと思ってな。」


モニターには、早速カウントダウンの映像が流れていく。・・・カウントダウン?いつの間に映画風に編集されたんだ?・・・まあ、良い。ポップコーン片手に楽しむとしよう。


映像はアルマとアヴァンが居た【ツクヨミ神社】、アテナとアーニャが居た【アマテラス神社】、俺が居た【スサノオ神社】が映し出され、最後にボスのヤマタノオロチとの決戦が映し出された。・・・だから何で映画風なんだよ。誰だ編集したのは・・・アヴァン、良い笑顔だな。


「【ツクヨミ神社】だけ結界が破壊される場面があったのだ。おそらく他の神社でももっと早く現場に急行していたら同じ物が見れたはずなのだ。」


「ラングさんが使っていた【魔道書】?には興味ありますね。」


「ヤマタノオロチがでかすぎて私達、お人形サイズにしか見えないわね。」


「でも、インフォバルトスやアークカイザーなら引けを取っていないのです!」


などなど、意外と見直す所があって役に立つこともあるのだ。【ビートル君】マジ便利。


「普段、自分たちが使っているスキルも、こうやって客観的に見ると結構違うな。」


特にアテナとアルマの魔法の威力はマジヤバス。広範囲かつ威力が高いので自然にまったく優しくないです、はい。


まあ、アーニャやアヴァンも似たような物だが。正確には彼らの眷属が、だが。ブランもノワールも強力になってるし、ラグマリアの使ってる兵器は・・・凶悪だね。


そういう意味ではラングやロゼさんは比較的、地味というかおとなしめというか・・・勿論本気では戦っていたんだろうがな。


「【メカロイド】形態のアークカイザーの挙動が思ったより大きいな。あの巨大サイズだからしょうがないが・・・周りを飛んでいたアーニャやアヴァンたちの邪魔になってるな。」


「ゴ迷惑オカケシマシタ。」


カイザーが謝るが・・・これ、ぶっちゃけ操縦してた俺のせいだよね。正直、目の前の敵を倒すのに夢中で、周りにまで目が行かなかった。アーニャたちのほうで上手く立ち回ってくれていたから良かったが・・・もっと練習が必要かな。


映像を見ながらあれやこれやと意見が飛び交いつつ、映像が終了する。


「・・・うーん、相変らず全体的に力押しが目立つな。俺も含めて、だが。モンスター相手なら良いが、PvPだと厳しいかもな。」


対モンスター戦が強いからと言ってPvPに強いとは限らない。逆もまたしかりだが、相手がプレイヤーの場合、回避もするし防御もする、そして何より、相手も強力なスキルを使ってくるのだ。


・・・まあ、どう対抗するかもそのプレイヤー次第だし、余計な事までは言わないけどな。


「・・・そういえばこの映像、ラングさんたちに渡したのですか?」


アルマが心配そうに聞いてくる。【ビートル君】自体、ラングたちに隠すように言っていたので同盟としてそれはどうか?と言いたいんだろう。だが・・・


「渡してはいないが問題ないさ。・・・【インフォガルド】のメンバーが遠目で見てたからな。」


「「「え?」」」


アテナ、アルマ、アーニャが驚いたような声を出す。俺がアヴァンに目をやると、アヴァンは頷いて次の映像を出す。


「これは【ビートル君】が偶然捕らえた映像なのだ。亡霊武者の増援に備えてかなり遠方まで偵察していたのだ。その中に、こちらの様子を伺っているプレイヤーが居たのだ。」


映像の中には遠目で俺たちの様子を伺いながらなにかメモのような物を取っている姿が見られた。・・・レイドクエストには参加していなかったはずだが様子を見ること自体は出来たらしい。


「このプレイヤーは前に【インフォガルド】のホームで見たことがある。まあ、レイドクエストの情報収集が目的だったんだろうが・・・俺たちが使ったスキルについて色々ばれてるだろうな。」


ついでに言えばラングやロゼさんは本気では戦っていたと思うが、全力で、といわれるといささか疑問だな。ラングの奴はまだまだ余裕があったようだし、ロゼさんは終始雑魚を相手にしていたしな。


「・・・つまり、バトルトーナメントに向けての戦いは既に始まっている、と。」


アテナが険しい目で映像を見ている。


「・・・まあ、ラングたちが俺たちの情報を余所に売る気はないだろうさ。あくまで自分たちがトーナメントで当たった時に参考にするぐらいだろうさ。」


「・・・それってつまり、ラングさんたちには対策を取られていると考えるべき、ってことよね?」


「そうとも言うな。」


だからこそこの映像は渡していない。間近で見ていたならともかく、遠目に見ただけではそこまで詳しく分からない・・・はずだ。問題は俺のスキルをラングの奴が間近で見ていたことだが・・・まあ、これは俺の問題だな。


「まあ、これでトーナメントが楽し・・・楽しみが増えたな。」


「何で今、言い直そうとして言い直さなかったの?」


それは適当な言葉が見つからなかったからです。


「ガットさんもそうですが、アルクさんとラングさんも不思議な関係なのです。」


そりゃあ、協力したり、腹のうちを探り合ってたりしたらおかしくも見えるわな。


「・・・俺たちに共通している事が一つある。」


「「「「?」」」」


「・・・退屈は敵、だ。」


「納得した。」


「納得しました。」


「よく分かったのです。」


「要するに楽しめれば良いのだ?」


まったくその通り。


「まあ、大分話が逸れたが要はトーナメントまでネタバレには気をつけようってことだ。他のプレイヤーに対しては勿論だが、俺たちメンバー内でもだ。」


アテナやアルマともぶつかる可能性がある以上、興ざめになる事は避けたい。無論、無理はしない範囲で、だが。例えば今回みたいなクエストが起こったら協力は惜しまないってことだな。・・・だいたいこういうイベント起こすのは俺だけど。


その後、いくつか話をして解散となった。


俺はというと・・・もう行く所、いや行く世界は決まっていた。

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