クラン【アークガルド】
「えーっと、どちら様・・・OK、冗談だ。だからその刀と槍を引っ込めてくれ。」
おかしいな。ここPvPエリアじゃないはずなのに。リアルな殺気を感じた気がする。
「さあ、コレで約束は守ってくれるわね!」
「待て、慌てるな。・・・称号は獲得したか?」
「ハイ、こんな称号があったんですね。これが狙いでソロで行かせたんですね。」
「まあ、そうなんだけど。」
「いきなり4つも称号を取得するなんて幸先良いわね!しかもどれも役立つ物ばっかり!」
「4つ?」
「ええ、【天衣無縫】【石破天驚】【意気衝天】【天真爛漫】の4つです。・・・違うんですか?」
「・・・いや、それで合ってる。俺も取得した。」
彼女たちは【破天荒解】を取得できなかった・・・?あ、もしかしてコレは最初の一人だけが受け取れる称号か。説明文にも今まで誰も成し遂げられなかった偉業って載ってるし。・・・黙ってよ。
「・・・まさか本当にクリアしてくるとはさすがだな。二人とも。」
「当然でしょ!!」「ありがとうございます。」
ドヤ顔を決めるアテナさんと謙虚なアルマさん。同じ顔なのになぜココまで対象的なのか。
「それでは解散・・・OK、冗談だ。だからその振り上げた刀と槍を降ろしてくれ。」
ここはPvPエリアじゃない以下略。
「それじゃあ早速クラン登録に行きましょう!」「そうですね、ギルドカウンターに行きましょう。」
あ、駄目だこれ。逃げられそうにない。
===移動===>冒険者ギルド カウンター
「クラン設立ですね!それでは皆さんのアバターカードを提出してください。クランリーダーは誰になりますか?」
「アルクで。」「アルクさんで。」
なぜ君達が答えるんですかね。
「了解しました。それではクラン名を教えてください。」
「クラン名だって。」「クラン名だそうです。」
そこは俺に聞くのか。
「・・・【アークガルド】で。」
「了解しました。・・・ハイ、設立完了です。以降、クランに関する操作、及び入会・脱退はクランリーダーの【メニュー】から行えます。」
「・・・判りました。」
もうため息しか出ない。
「これでクラン設立完了ね。これからよろしくね、アルク!!」「宜しくお願いします。」
「・・・ハイハイ。」
流されたというか激流に飲み込まれたような気がするが、仕方ないか。元々ソロで活動するためのクランだ。・・・なんか矛盾している気がするが、過度な干渉はあるまい。基本自分勝手にやるだろう。
「所でアンタ、2時間近く私たちを待っててくれたの?」
アテナさんはどうやらずっと俺が引きこもってたと思っているようだ。何が悲しくてゲームの中で引きこもらなきゃならんのだ。
「いや、スキルやらアイテムを買って回って戻ってきた所に君達が来ただけだ。」
そういえば約束は明日だったはずなんだが、俺がいなかったらどうする気だったんだろう。フレンド登録していなかったから連絡も取れなかったし。・・・しまった!打ち合わせ室に戻らずそのまま逃げればよかった!後の祭りだが。
「へぇー、・・・私たちの分は?」
「へ?いやそこまでは買ってないよ。まだ合格するかわからないし、ぶっちゃけそこまで資金がない。」
「もおー、頼りないわね。じゃあ、私たちの戦利品を換金してくるから、これから買いに行きましょう!」
「それが良いですね。スキルは早めに取るに限るそうですし。」
そう言って二人はギルドカウンターに換金しに行った。アレ?コレって女性の買い物に付き合えっていうリア充がやってる奴か?なのに全然嬉しくないのはなぜだ。しかし男性に拒否権がないのは世界の普遍の真理らしい。
あ、ラングとガットにクランのことメールしておこう。
===移動===>スクロールショップ
買い物中。
===移動===>アイテムショップ
買い物中。
===移動===>カフェ【心の癒し】
ふぅ、結局一時間近く使って店を回ったが、俺はあいにく購入済みだったのでただ見てるだけだった。というか俺要らないよね?まあ、結局買った内容は俺のとまったく一緒なんだけどね。ラングのデータのおかげ、もとい俺のアドバイスのおかげで二人も迷わず買い物ができたわけだ。
人心地ついたころ、近くにあったカフェで一息ついていた。・・・俺のときもそうすればよかった。だって思い浮かばなかったんだもん。ゲームセンター?ナンノコトカナ?
ちなみに、ココはゲームの中の仮想世界だが、味覚はちゃんとあるので飲食はできるし、味もわかる。ただし、ゲームの中では満腹感や空腹感はなく、飲まず食わずでもHPが減る事はない。言ってしまえば気分を味わえる、ということだ。勿論、現実に戻っても腹が膨れるわけではないので現実ではちょんと食事しよう。
「んー!おいしい!ココのケーキ。」
しかし、だからって食いすぎじゃないんですかねアテナさん、もう5皿目ですよ。胃袋は無限でもお金は無限じゃないんだよ?
「紅茶もおいしいです。」
優雅に紅茶すすってますけどねアルマさん。あんたの前に詰まれたホットケーキ三皿は俺の眼の錯覚ですかいね。・・・俺はおごらないぞ。
「アンタ、さっきからコーラばっかり飲んで、それ何杯目よ。」
やかましい、俺の癒しのひと時を邪魔しないでくれ。
「彼はね、コーラとコーヒーをこよなく愛する男なんだよ。」
「ラング、お前どっから出てきた。」
「ガツガツ、ここのナポリタン、なかなかいけるのう。」
「ガット、それは俺が注文したナポリタンだ。」
いつの間にかラングとガットが俺達と相席していた。
「君がクランを作るなんて天地がひっくり返るようなことが起こったんだ。様子を見に来るのは当然だろう?」
「うむ、しかも女子達と一緒に、とはな。・・・一体どんな手を使ったんじゃ。」
「よし、お前ら後でPvPエリアに移動な。」
ボコボコにしてやろう。
「先ほどぶりですね、改めてアルマです。」
「私はアテナよ。」
なんで君達、この不審者どもに普通に自己紹介できるの?
「これはこれはご丁寧に。僕はクラン【インフォガルド】のリーダー、ラングです。」
「ワシはガット、【アイゼンガルド】のリーダーをしておる。」
お前らも普通に返してないでこっち見ろや。
「ええ、存じています。お二人とも有名なクランのリーダーですよね。お二人とお知り合いになれたのは幸運ですね。」
え?そうなの?コイツらって意外と有名?
「あ、私も知ってる。掲示板を見たら必ず見る名前だもんね。・・・良くも悪くも。」
そうだったのか。俺も掲示板をチェックしたほうがいいかな。・・・悪くも、の部分が気になるが。
「それなら話が早い。何かあれば僕らも協力するよ?勿論対価はもらうけどね。アルクと同じだからって必要以上に贔屓はしないよ?」
「判っています。お二人のクランはお客を選ぶのでも有名ですからね。特にマナーの悪い客は問答無用でブラックリスト入りだって言う。」
うわー、なんか職人みたいだな。・・・いや職人か。
「ウム、ワシらはそんな感じじゃのう。しかし、それが判っているならなぜアルクのクランに?」
うーむ、ガットは少し警戒してる素振りがあるな。どうせ俺が美人局に引っかかったとっでも思ってるんだろう。・・・そんな事ないよな?多分。
「勧誘避けのクランだよ。基本ソロが集まってソロで行動するための、な。」
誤解の無い様、俺のほうから説明する。
「・・・フム、なるほどな。よし、お主ら、今から【アイゼンガルド】のホームまで来い。アルクにやった戦闘服をお主らにも作ってもらうよう頼んでやろう。」
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