クリア報酬
『レイドクエスト【神々に封印されし魔物】をクリアしました。
参加者全員に200万Gを贈呈します。
初回クリア対象者にSP30を贈呈します。
初回クリア対象者に称号【ヤマタノオロチの討伐者】を贈呈します。
クリア報酬を【収納箱】に転送しました。
特別報酬の入った宝箱が出現します。
次回以降、クエストを受ける際にヤマタノオロチのレベル選択が行えます。』
カイザーもバルトスも人型サイズの【ヒューマロイド】形態に戻り、全員で勝利を喜んでいる所にアナウンスが届いた。おお、報酬が続々と・・・。一番最後のヤツが一番気になるが・・・今は置いとこう。あとSPが手に入るのは今の俺には大変ありがたい。・・・ん?メール?
『レイドクエスト【神々に封印されし魔物】をクリア、おめでとうござます。レイドクエスト【神々に封印されし魔物】の世界最初のクリア者となりました皆さんに、称号【ヤマタノオロチの発見者】とSP30、300万Gを贈与します。これからも皆さんのご健闘をお祈りしております。 by武術界総合管理AI【バトルーツ】』
なんと。さらに臨時報酬が・・・ありがたや、ありがたや。攻略に熱心なプレイヤーは積極的にレイドクエストを探してるって聞いたけどこういう理由か。金はともかくSPは貴重だよね。ソースは俺。
「いやいや、なかなか凄い報酬だねぇ。称号ゲットなんていつぶりだろう。ドロップ品も中々・・・」
ラングの奴が早速称号の効果やら入手品の確認を行っている。
【ヤマタノオロチの討伐者】
ヤマタノオロチの討伐に成功した者に贈られる称号。
ヤマタノオロチに対してダメージ増加。
【ヤマタノオロチの発見者】
ヤマタノオロチを最初に発見した者に贈られる称号
ヤマタノオロチからのダメージ減少。
次にヤマタノオロチに挑む時に有利になる時の称号だな。レイドクエストは報酬がおいしいから何度も周回するって聞いたし、その為だろう。べヒーモスの時も同じだったし。
続いて【収納箱】の中の報酬品を確認・・・おお、あるある。ヤマタノオロチの牙、爪、鱗、肉などの素材がたくさん。素材に関してはしばらく困らないな。
【ステータス獲得券】に【スキル獲得券】もある。ステータス強化もそうだが、これでまた新たなスキルがゲットできるぞ。今から悩むね、フッフッフ。
あとは・・・おお、【宝石】があるぞ。
【ヤマタノオロチの瞳 ☆10】
ヤマタノオロチの宝石。高い生命力と状態異常耐性を併せ持つ
瞳という名前だが、本当の目ん玉ではなくこぶし大の大きな宝石だ。これはあれだな。これでアクセサリーを作れという神様からのお告げだな。・・・どこからか、いらっしゃーい、というオカマの声が聞こえたが気のせいだろう。
まあ、素材関連は後でまた【アイゼンガルド】に依頼するとして後確認していないのは・・・
「あれが特別報酬の入った宝箱、みたいね。」
アテナが指差したのはヤマタノオロチがいた場所(見事に巨大クレーターとかした場所)の中央辺りだ。そこにいつの間にか豪勢な装飾のついた宝箱がいつの間にか出現していた。
全員で宝箱の前まで移動する。大きさ的には俺の腰ほどまでしかない大きさだが・・・
「開けてみなよ。アルク。」
ラングが進めてくるが・・・やっぱり俺が開けるのか。・・・ここまで来て実はミミックでした、なんてことはないよな?・・・なんで皆離れていくんだ?
とはいえ、このままこうしているわけにも行かないので意を決して宝箱を開ける。開けた瞬間、中から光が飛び出した。一瞬、やっぱり敵か?と思ったがどうやら違うようだ。宝箱はいくつかの光を放った後、役目を終えたように、その場から消えた。そして光のほうは放物線を描き、地面に到達したかと思うとその姿を現した。
「・・・これは・・・刀?」
「こっちは弓ね。」
「槍、斧、杖、鞭もありますね。」
そこにあったのは武器の数々。しかもどの武器も普通のものではないことは人目で分かる。例えばこれ。
【霊刀ムラクモ ☆10】
特性:ATK+200 属性:聖 消耗度:0%
SLOT1:持ち主の状態異常防止・中
ヤマタノオロチを封じた光の力が宿った霊刀。浄化の力が宿っている
【妖刀オロチ ☆10】
特性:ATK+200 属性:呪 消耗度:0%
SLOT1:斬った相手へランダムで状態異常・中
ヤマタノオロチの力が宿った妖刀。状態異常を引き起こす効果がある
レアリティは俺たちが使ってる武器より低いが、特殊効果がついている。特に、霊刀の方はともかく妖刀の方は中々やばい気がする。他にも霊槍、やら妖斧やらごろごろと。
「なるほどね。このレアリティと攻撃力、特殊効果・・・普通のプレイヤーなら喉から手が出てくるほど欲しがるだろうね。そして僕達の【収納箱】に送られるんじゃなく宝箱として出てきたのは、数の問題だろうね。」
たしかに出てきた武器は種類も数もバラバラだ。刀が2本、槍が1本、斧が1つ、弓が1つ、杖が2本、鞭が1つだ。
「多分、クリアする度に種類と数が変わるんだろうね。で、僕達はこれを山分けする、と。・・・物によっては取り合いになるだろうね。」
・・・確かに。例えば俺たちの中に槍が欲しいっていうのが2人以上いたら取り合いになるだろう。この場合、目的の物が出るまで周回することになるんだろうが・・・人数も必要だし、再度クエストを受けるには1週間かかるので、おいそれとは行かないのだろう。
要するに争いの火種を抱えたブツ、ということだ。
「・・・で、俺たちはどう分ける?」
「とりあえず、各自で欲しい物の希望を取れば良いんじゃない?他に欲しい人がいなければそのまま貰っていけばよいし、欲しい人が他にもいるなら・・・恨みっこなしのジャンケンで良いんじゃない?」
「・・・それで良いか。」
と、いうわけでブツを一つ一つ吟味し、希望者を募って振り分ける事となった。なお、俺とラングは全てのブツに手を上げ、その度に壮絶なジャンケンをしたことを付け加えておく。
その結果、刀2本、槍、弓が俺たち【アークガルド】に、斧、杖2本、鞭が【インフォガルド】の物ということになった。・・・つまり俺とラングのジャンケン勝負は引き分けである。
「・・・みんな、欲がないな。」
「単にアンタとラングの気合の入りように、みんな怖気づいたのよ。」
・・・俺、そんな必死だった?ま、まあこの武器は俺だけじゃなく【アークガルド】の中で使いまわすことにしよう。うん。
「・・・戦利品としては上々だね。それじゃあ、忍の里に戻ろうか。」
「お、そうだな。ハンゾウ殿たちが無事なのか気になるしな。」
全員の準備が整った後、俺たちは忍の里へ帰還した。・・・穴だらけになってしまった樹海はすぐに元に戻るよな?
===移動===>忍の里
「おお!アルク殿、皆様も、よく戻ってこられた!!」
里の入り口で待っていたのは長であるハンゾウ殿を筆頭とした忍者軍団だった。それぞれ多少の負傷はあるものの里には被害はないようだ。
「本当によくご無事で!!」
お、キキョウもいる。怪我が無いようで何より。聞くと、亡霊武者たちは撃退できたが、復活したヤマタノオロチの姿は里からでも確認できたようだ。まあ、あの巨体ならどこからでも分かるだろうな。
みな、絶望感に苛まれながらも、俺たちの応援に駆けつけようとした矢先、さらに亡霊武者たちが現れ、里の防衛に専念せざるをえなくなったらしい。ようやく亡霊武者たちの増援を撃退した所で、俺たちがヤマタノオロチを倒したのを確認したらしい。
おかげで里の中ではお祭り騒ぎだ。次々とお礼と感謝を伝えに来る人がひっきりなしに来るので困る。・・・この里、こんなに人がいたのね。
この後、ハンゾウ殿の屋敷で祝宴をやるとかでお呼ばれした。俺たちは俺たちで祝勝会をするつもりだったのだが、せっかくだからという事でお呼ばれした。・・・それにいつもアーニャに料理作ってもらっているからな。アーニャもゆっくり羽を伸ばせるだろう。
と、いう事でハンゾウ殿の屋敷で、豪勢な料理(和食)を味わいながら盛り上がった。
どれもこれも中々おいしい。アーニャも料理を食べながら、むむっ!とか、これは!とか言いながら給仕の人に材料やら作り方やら聞いている。・・・ちゃんと羽伸ばしてるか?
この日、俺たちは忍の里の人たちと共に大いに飲んで騒いだ。
===ログアウト===>お疲れ様でした。
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